【ライブレポ】BUMP OF CHICKEN be there 有明アリーナ day1
2/11(土) 気温は14℃
前日は最強寒波襲来により首都圏では積もるほど雪が降っていたが、この日の朝は、積もった雪が残っていたものの天気は好転し昨日の寒さはどこに行ったのかと思うほど、風は少し冷たいが、ヒートテックにバンドT、そしてSJジャケットという軽装であっても日向を歩くと少し汗ばむほどの陽気で、まるで結成記念日を祝福するかのような良い天気である。
SJから導入された待機列の事前申し込み制、元々物販とフォトは同じチケットだったが今回から別々になった。
フォトスポットにはSJツアーを一緒に周ったエンブレムと幕張で用意された「BUMP OF CHICKEN」の文字モニュメント、そして今回のbe thereロゴの3種類手前にエンブレムと文字が配置されていたため、めっちゃ使い回すやん!コストカットすごいな!とか思ったのは内緒(笑)
奥にbe thereロゴのフォトスポットが設置されていた。イラストからはどのようにフォトスポットに設置されるのかピンと来なかったが、ライトによって色が付いた実物は中々カッコ良い。
今回はツアートラックも復活。こちらはチケット不要となっている。
物販購入が済むと会場周辺には何もなく、手持ち無沙汰となってしまったが、会場にリスナーが次々集まって人が多くなっていくさまを見ているのはなんだかワクワクする。
入場時間となって会場に入り、本当にこれからライブなんだと実感すると同時に緊張してきた。入り口で配られたPIXMOBを右手に付けてその時を待つ。
ちなみにPIXMOBも今回からデザインが変更。ベルト部分がマジックテープに、ツアー毎のロゴが印字されていた本体部分は真っ白なロゴ無しに変更された。
グッズとして販売されているクリアシールを自分で貼るスタイル。コストカットすごいな!ほんで買わせるんかい!ご時世柄SDGsの流れがあるもんね、今回のツアーで余ったら次のツアーで使いまわせるもんね。けど、ツアーロゴは入っていて欲しかった…。
会場が暗転すると、メンバーがまだステージに現れていないにも関わらずアカシアのイントロが流れ出す。それに伴いPIXMOBが点滅し、キラキラした音と会場が一体となる。ステージ中央から会場の真ん中へ伸びた“出っ張り”へ照明が照らされる。
逆光となったステージ中央へメンバーが一人ずつ登場し、秀ちゃん、ヒロ、チャマ、藤くんが順に、光の中をシルエットになって、通称"出っ張り"まで歩いてくる。
え、出っ張りスタート!?
藤くんはメインステージに出てきたところで一度上体を大きく反って「うぉー」というポーズをとる。最近そのポーズよくしますね藤原さん、なんの影響なんでしょうか。ジョジョ?
そして花道をトボトボ歩き、出っ張りにたどり着くと、ギターを気怠げに掲げる。それはそれはもうかったるそうに。掲げられたギターに呼応して、キラキラ光る会場中からダル藤へ、拍手が集められる。まるで会場中から高く掲げられたギターへパワーを集めるかのように何度も掲げる。やがて集まったパワーを確認するように抱え直すと一曲目「アカシア」の演奏が始まる。
aurora ark(以下「aa」)における「Aurora」のような表題曲のないツアーで、入場SEは何にするのかと思っていたのだが、その手があったか!曲の前奏をリピートする手法!最近の曲は前奏がないというのが流行りだが、やはり曲に入る前に気持ちを高めれくれる前奏の存在は良い。改めてそう思わせると同時に前奏の活用の仕方を示したとても素晴らしい演出でした。
そしてずっとお預けだったOh Yeah! Hey! Yeah! Hey!がようやくできた。発表時からこのコールアンドレスポンスは絶対楽しい!早くライブでやりたい!とリスナーの間で話題になってからここまで、本当に長かった。
そして二曲目グングニルへ
藤くんの演奏の仕方で、あまり見たことがなかったのだが、エフェクターを切り替えるペダルを踏んだ流れでそのままステップを踏みながら、頭を左右に振って演奏する弾き方がすっごくかっこよくて、こんな最序盤にこんなかっこいいシーン見せられてしまい、その後ずっと脳裏に焼き付けて忘れないようにしようと思って集中できなかった!!映像化するべきシーンだった!やはり全公演定点カメラ設置して5万くらいで販売しよう?ぜひご検討くだされトイズファクトリー!!
三曲目に入る直前に「なんか今回から声出してもよくなったんだってさ!だから聞きに来たぜ有明!」
「こんばんは、BUMP OF CHICKENです。こんばんは!BUMP OF CHICKENです!!こんばんはー!!BUMP OF CHICKENです!!」リスナーが拍手や声援で応える度にまだ足りない!もっと気持ちをぶつけてこい!俺は気持ちが抑えられないぞ!お前らはどうなんだ!?そう言うかのように三度、大きく自己紹介を繰り返した。そして「声を出しても良いんだぞお前ら」としっかり伝えた上で掻き鳴らされる特徴的なイントロ、三曲目「天体観測」に突入。
待ちに待った声出し解禁!前奏では“裏拍オイオイ”でリスナーがBUMP OF CHICKENを煽り、演奏が始まると藤くんが「今というほうき星?」などとリスナーを煽り、コロナ以前は当然のように行われていた定番のやり取りが繰り広げられる。そのなんて幸せなことか。
四曲目「なないろ」が終わると出っ張りからメインステージへメンバーが戻っていき最初のMCへ
「なんかもう感極まって、ツアーファイナルみたいな気持ちだわ…今日初日なのにね。ライブもまだ始まったところなのに感動して泣きそうだわ…。さっきも言ったけど、ライブ中に声を出しても良くなりました。今も歌ってくれてたけど、みんな普段オーイェーへーアハンなんて言う機会ないでしょ?お茶碗とか洗いながらアハンとか言わないでしょ?だから今日は思いっきり歌ったり、気持ちが高ぶったら叫んだり、声出していってね!…いや、アハンはもう言う機会ないんだけど。イェーとか、うぉーとか、なんか言いたいタイミングで言っていいから。俺も煽るし。でも、だからって声出さなきゃいけないってわけじゃないからね。静かに楽しみたい人は無理に声出さなくてもいいからね。声出さないからってアイツノリ悪いなとか思うやつなんて居ないから。声出しちゃいけないってルールは無くなったけど、一般的な、常識的なルールは守って、周りの人に迷惑をかけないようにして、思い思いに楽しんでください」
5曲目「才悩人応援歌」
SJ幕張同様、喉から絞り出すような、力を込めた歌い方に歌詞がより響く。
6曲目「クロノスタシス」
レーザーで青空を描く演出がなされていたとのことなので、今後の公演に参加される際はぜひ確認されたい。
7曲目「Flare」8曲目「66号線」
チャマ休止中に発表されたFlare、変わらず好きと言ってくれますかと問いかける66号線無理、泣く。
僕の知らない記憶に襲われて 泣いちゃった大切な人
声をなくしたら僕じゃなくなる
それでも好きだと言ってくれますか
僕を無くしてもあなたでいられる
それでも離れずいてくれますか
僕にだってきっとあなたを救える
今でも好きだと言ってくれますか
あなたを無くしても僕は生きていく
それでも信じていてくれますか
ただこのことだけ疑わないでね
それだけで声が出せたんだ
立てたんだ 歌えたんだ
ちなみにFlareでの指パッチンについて、チャマのやり方がまるでハガレンのロイ・マスタングのように腕を伸ばして、銃を撃つように鳴らしていたのが印象的だった。
出っ張りへ出てきて9曲目「ベル」を演奏し終えると「一番初めに出てきた出っ張りにまた戻って来るって演出でした。」といたずらっぽく話始めて本日二回目のMCパートが始まる。
「有明アリーナは我々初めての会場なんですけど、どうですか?」とヒロに振るも、答えに詰まるヒロ。
「え、ちょっとまって、なんで今答えようとしてやっぱり止めたの?」「いや、ちゃんと聞いてなくて」「いやそこはちゃんと聞いておいてよ!お前そこで答え迷っちゃうのは後々色々と問題になるから!」と、初っ端ヒロヒロ節炸裂(笑)しかし、ヒロの名誉のために補足すると、藤くんからの有明どうですかの問いかけに応える直前に客席から「サイコー」って声が飛んできたから(お前に聞いたんじゃねえよ!)そのせいでヒロが言葉を詰まらせたのであって、いつものヒロくんのポンコツなわけではありません!
「有明アリーナはきれいですね」「きれいっていうのはどういう意味?建物がきれいなのか、構造的な話なのか」「構造的な意味で」「そっか、よかった。俺は汚れ的な意味で言ってんのかと思った」「そう!すごい傷とか汚れとかなくてピカピカできれい!入り口とかも…僕たち入り口は見ていないんですけど。トイレとかもすごいきれいで」前言撤回。ヒロくんは相変わらずのポンコツでした。藤くんも「あ、やっぱそっちの意味だったのね」って苦笑い
「楽屋にトイレが付いてるの!2つも!」「みんなわからないと思うけど楽屋にトイレがついてないことって結構あって」「なのにここは2つもついてるの!」「お前どっち行ってた?」「俺右側使ってた」「あ、そうなんだ。俺も右側使ってたよ。え、お前左側じゃなかった?」って楽屋のトイレの話し始めて、その後も二人が2つあるトイレの右と左どっち使ってたのかって話で盛り上がって、最終的にふたりとも同じ右側のトイレ使っていたことが分かったところでヒロのメンバー紹介終わるっていう、ザ・何の話やねんタイム(笑)「右でも左でもどっちでもいいわ」「いつまでトイレの話で盛り上がってんだよ」って会場中が思っていたはず。完全にポンツカの空気感。突如始まった公開生収録ラジオコーナー。藤くんもいつもならヒロにトイレの話かよって突っ込むところ一緒になって盛り上がって、チャマと秀ちゃん完全に放置されてた(笑)
散々トイレの話で盛り上がり、最終的に藤くんとヒロは同じトイレを使っていたことが判明したところで、「チャマはどうですか初めての有明は?」と次の話を向けるが、カイワレが揃ってスーパーヒロヒロタイムに突入したことで完全に休憩時間だったチャマ。秀ドラムよりも後方の、花道までお散歩していたので走って出っ張りのマイクまで戻ってくる。
「お前すげー遠くまで行ってたな」と藤くんにツッコまれながら「今二人が楽屋の話してましたけど、本当に楽屋がすごい!ここ楽屋が控室なの!」と話し始める。
「控室ってスポーツ選手が試合前に待機してる部屋で、僕らはそれを楽屋として使わせてもらったりしてるんだけど」と藤くんが補足説明してくれるんだけど、興奮が抑えられないチャマ「楽屋って何もないところが多くて、ただ広い部屋にニトリの棚みたいなのが一つおいてあって、その上に僕らが持ち込んだ加湿器とかがおいてあるみたいなことがよくあるんだけど、ここはロッカールームなの!選手とかが使うような、一人一つロッカーが並んでてタオル頭からかぶってうなだれる場所分かる?俺最近スラダン観たばっかだからすげーテンション上がって!分かる?伝わる?あーもー見てほしい!絶対テンション上がるから!みんなこれ見たら絶対興奮するやつだから!わかった!送る!今送るから!ちょっとまってて!」「え、送るって何?どうすんの?え?どういうこと?今ってそんなことできんの…?お前からこの辺のみんなに写真送れるの?」困惑する藤くんを無視してケータイを取り出し操作を始めるチャマ。aaでやっていたように写真をカメラに写して説明するのかと思いきや「今送った!みんなみて!これだから!」って、ライブ中にツイッターをする男チャマ。リスナーもみんなケータイを取り出し電源を入れてチャマツイを確認する。
「ちょ…ほら!お前がそんなこというからみんなこんなんになって(下向いて)ケータイ見ちゃってんじゃんよ!別に今すぐ見なくてもいいからね!ライブ終わったあとでゆっくりあぁこれねって見てくれていいからね」って、藤原基央を目の前にして下向いてケータイいじる周りのリスナーという構図はかなり面白かった。
このツイート、本文無しの写真のみ、そのうえライブ公演時間中のツイートだったため、ライブ中に一旦控室に戻らなければ行けない事態が生じたのかと、事情が分からないお留守番組リスナーを困惑させ、終演までざわつかせる怪奇ツイートとなっていた。
しかもその後、ツイートの真意についての説明を投げる奔放っぷり笑
そんなことはつゆ知らず「見た?わかった?これ!やばくない?テンション上がるっしょ!スラダンみたいで!」とはしゃぐチャマ。「いいから今はテーピングだ!ってなるやつな!俺はジャイキリを想像してたけど、そういうスポーツ漫画でよくこういうシーン出てくるよな!」と藤くんが同調する。またしてもポンツカか?というゆるさ。
それにしても今日のチャマは本当に明るい。aaと変わらない、我らがお調子者が帰ってきた。自粛明けから暗い色にしていた髪色もとうとう金髪に戻し、演奏中に笑顔でいることはもちろん、正座や上体を仰け反って演奏したり、ベースを弾かないときは座り込んで藤くんの方へ拳を突き出したりと、aaのときのようなパフォーマンスが見られた。この日の最後、退場するときには土下座してリスナーに感謝の気持ちを表現するようなパフォーマンスも行っていた。さらにこのツアーから、ツイッターでのグッズ宣伝部長としてのお仕事も再開している。残すはグッズ販促MCのみ、完全復活はもうすぐ目の前!
物販といえば、今回はツアーグッズが公演三日前まで公表されず、ようやく公表されたかと思ったらツアー半ばの長野公演(4/1)まで発売されないという衝撃的なアナウンスがなされ、前代未聞の、ツアー初日にツアーグッズが買えないという珍事が起きていた。物販宣伝MCが無いのはそれも一因となってるのか?
ねぇBUMP OF CHICKEN、ツアー始まるの、まだまだ先だと思って油断してましたか?グッズの発注忘れてましたか…?
そして最後に秀ちゃんへと話が移る「いつも俺らが使うこの出っ張り…今日はまだ使っていないんだけど、ここに秀ちゃんだけ出てこれないから、今日はね、ドラムをこっちにも置いてみんなで来ました。秀ちゃんどうですか?」「サイコー!でも、俺今日ここ最後だからー!」とマイクを通さない肉声で会場中に気持ちを届けようと、一生懸命叫ぶ。
「そうね、演出上秀ちゃんがここでやるのは次の曲が最後で、あとは向こうに引っ込んじゃうんです。だから今のうちに楽しんでね!ドラム升秀夫くんです!秀ちゃんだけ紹介しちゃったけど、ギターの増川くん、ベースのチャマ、そしてボーカルの僕、藤原と、4人でBUMP OF CHICKENです。楽しんでるか有明!」
会場を見渡したときに真っ先に気になったのがまさに「出っ張りにドラムセットが置いてある」点であった。aaでさんざんチャマ藤に「秀ちゃんだけ花道通ってみんなの近くに来れないから寂しがってる」といじられていたが、とうとう念願の花道進出できてよかったね、秀ちゃんおめでとう!
それにしても、「秀ちゃん花道出てこれない」問題に対する解決策がまさかのメインと出っ張りに2つドラムセットを設置するという力技(笑)。今回は通称「恥ずかし島」が無く、その代わりを出っ張りで行ったというかたちなので、演奏中に秀ちゃんがメインのドラムから駆け出して出っ張りのドラムで演奏を続けない限り問題が解決したとは言えない。
やはり花道に回転寿司のレーンを設置して、ドラムごと秀ちゃんを出っ張りまでキュラキュラ流す「ベルトコンベア秀夫」の実装が急がれる。
おそらく史上最もゆるいメンバー紹介MCパートが終了。次の曲に向けたメンバーの用意が済むと、藤くんがボソリと話した「声出しが解禁になったってことは、こんな曲もできちゃうってことです」
君と会ったとき 僕の今日までが 意味をもらったよ
10曲目「新世界」
歌い出しと同時に会場が一気に沸き立つ、みんな大好き新世界!この曲ばかりは会場の声がなければ成立しない!ベイビーアイラブユーだぜ!
aaから三年三ヶ月、ハンドクラップにコールアンドレスポンス、ハンドマイクを使ってステージ上を縦横無尽に駆け巡るスーパー藤原タイムの盛り上がりはやはり一味違う!楽しすぎる!
演出も、aaではメインステージに設置されたバックモニターにロッテとのコラボMVを流していたが(あのMVめっちゃ好き)今回の構成ではそれが無いため、光の演出のみであった。藤くんの後ろに大きく「新世界」「ベイビーアイラブユーだぜ」など表示されている光景も楽しくて大好きだったが、シンプルな演出の、お塩で頂く新世界も中々よい。
ちなみに、今回も「け、け、け、喧嘩のゴールは仲直り〜」頂きました!
演奏が終わると秀ちゃんは駆け足で、残りのメンバーは一列になって、出っ張りからメインステージへ帰っていく。その手に握られるハンドマイク。
花道の途中、最後尾を歩く藤くんが「ベイビーアイラブユーだぜ」とフレーズを口ずさむ。すかさずレスポンスを返すリスナー、前を歩くチャマとヒロもニヤニヤしながらフレーズを奏で始める。
aaファイナルの大告白大会再び!本当にライブ映えする曲だなぁと、シングルカットされていないにもかかわらず曲の力強さに恐れ入る。
ちなみに、二日目では秀ちゃんがのんびりしてしまいドラムに戻るの間に合わなかったらしく「秀ちゃん忘れてーたーぜー」と藤くんからいじられたらしい。見たかった…。
新世界延長線が終了すると、余韻に浸る間も無く続く11曲目「SOUVENIR」
SJ箱ツアーでその楽しさは既に証明されていたが、声出しが解禁されると中々忙しい!
おーおー声出したかと思えば藤くんにハンドクラップを要求され、ハンドクラップ終わりにすぐにまたおーおー声援を上げた次の瞬間にはもう歌いながらハンドクラップのジェスチャーをする藤くんが待っている。
ただ楽しいだけでは居られない。完全にリスナーも役割を与えられた演者の一人である。
俺とお前とBUMP OF CHICKENと、会場中が一体となって奏でる曲であると、声出し解禁によって遂に本性を表したSOUVENIRなんて恐ろしい曲なのか…。
「新世界」「SOUVENIR」はハンドマイクを使って身振り手振りをを交えてステージを縦横無尽に駆け巡り、コミカルなジェスチャーが見れる曲であるが、この公演ではその他の曲でもハンドマイクを多用してステージ上を右へ左へ、動き回っていた。
aa「新世界」で解禁されたハンドマイク藤原。「あの藤くんがハンドマイクだと⁉」「スーパー藤くんタイム」などとリスナーを沸かせたのはもはや過去!aa SJを経て藤くんは新しい技「ハンドマイク」を完全に習得していた!…と思いきや「段取り悪すぎて、ハンドマイク使って歌ってたらギター弾かなきゃいけないところ来ちゃって、慌ててハンドマイクをポケットに入れて演奏する羽目になった」と、お茶目なエピソードも披露。
進化と失敗を繰り返す藤原基央にこれからも目が離せません!
話は逸れるが、本日もメンバーは楽しそうに、いい顔して演奏していた。ヒロが藤くんにグータッチを求めてるのにそれを観ながら「どうしようかな」というように焦らし、ヒロがえーって顔したらウソウソって言うみたいにグータッチしていた。そんなヒロだが、少し驚いたことがあって、出っ張りでチャマ藤が目の前のリスナーにアピールするなか、ヒロだけは360度見えるステージであることを意識してか、ステージをぐるっと回りながら演奏をしていて、「ヒロったら、いつの間にか他のメンバーのフォローをするような、そんなことができるようになったのね!」と、ヒロの成長を感じられるシーンもあった。
「初めてライブでやる曲演ります」という言葉で始まった12曲目「Gravity」
本当に長かった。この日を待ち焦がれたリスナーがどれだけいただろうか。
主題歌として起用されたアニメ映画「思い思われ、振り振られ」公開当日に週刊誌にて報じられたBUMP OF CHICKENベース担当直井由文の不倫騒動。
アカシアFrareなないろSmall worldクロノスタシスSOUVENIRと、チャマの活動休止後にリリースされた曲が既にライブで演奏されているにもかかわらず、Gravityだけは演奏されることはなかった。一部では事件を思い出すから演奏できないのではないかなどと噂されていたりもして、真相は定かではないが、最近のチャマ復活具合を見ると、この曲が演奏されたことの意味は大きいのではないだろうか。
13曲目「スノースマイル」
本記事の冒頭に記載したとおり、前日に最強寒波到来によって首都圏では大雪が降り、当日の朝にはところによっては前日積もった雪が残っていた。そんな日にスノースマイルを聴いて、本来は感動しないなんてことはありえないはずなのだが、SJ札幌で起きたとある事件によって、もうそんな気持ちにはなれない呪いにかかってしまい、ハラハラしながら見守る羽目になってしまった。
なんてことしてくれたんだBUMP OF CHICKENどう責任とってくれるんだBUMP OF CHICKEN aaファイナル越えの感動で上書きしてくれBUMP OF CHICKEN!
そして続くは「サザンクロス」
言葉選んで 挙げ句間違えた
よく晴れた日を未だに思い出す
目を伏せたらもう動けなくて
嫌われていないこと 祈るばかり
さよならを言った場所には
君の声がずっと輝くんだ
君が君を見失ても 僕が見つけ出せるよ 君の声で
Frare 66号線から、新世界SOUVENIRで声を出させたあとでのこの歌詞。BUMP OF CHICKENから俺たちへのラブレターやんな?
歌詞に聴き入り、いろいろなことに思いを馳せ、涙を浮かべる。
会場がしっとりした雰囲気に包まれたが、ここからは一転「GO」「ray」と走り曲で再び勢いをつける。
「GO」のイントロが流れた瞬間にaaで定番だった前奏中の日替わり歌唱、間奏中のオラ藤を期待したが、素直な演奏であった。ここからファイナルまでにどう変化していくかが楽しみ。
「ray」ではチャマ反省期間につき封印されていたケンケンがようやく解禁された。また、今回から花道にもレーザーで○✕△が表示されるようになり、演奏中によそ見をしなくても見逃さずに済むようになった。
そうして勢いを付けると「次で最後の曲です!今日はどうもありがとう」と藤くんの言葉で始められた17曲目「fire sign」
ここに居場所は無いという 涙で濡れた土の上で
倒れそうな旗をいつまでも 支え続けている人がいる
星を廻せ 世界を掴め
僕らの場所は 僕らの中に どんな時も
直井由文の不倫騒動のあとに発表された曲は、結成記念日に発表されたFrareを除きすべてがタイアップ曲である。ポケットモンスター、NHK朝ドラ「おかえりモネ」、すみっこぐらし、名探偵コナン、SPAY×FAMILY、そして藤原基央の新型コロナウイルス罹患によって延期となったNHKの18祭。我々リスナーはもちろん、世界は変わらず彼らを求めている。
「報道が出て、もう俺らの音楽なんて聴けないって声も聞いた」「四人で紡ぐ物語として、大切にしてくれている人がいるのも知っている」「だから三人での活動なんてありえなくて、解散して音楽をやめるか、四人で続けるかの二択だった」かつて騒動を受けてそんなコメントをしていたのを覚えている。ビッグネームだけにバッシングも強かったろう。情報番組ではコメンテーターが面白がって取り上げ、SNSでは心ない言葉を浴びせられ、これまで応援してくれていたリスナーの中からも離れていく人や、掌を返したように攻撃的にチャマの個人アカウントへメッセージを送る人も大勢いて、一リスナーの立場から見ても当時の世間は彼らに敵対的であった。
それでも彼らはその旗印を掲げ、支え続けることを選んだ。
星を廻せ、世界を掴め、BUMPの居場所は、我々リスナーの目の前だ
本編が終了して一息、すかさず先程のチャマツイを確認して本当に画像だけポンと上げているのに笑っていると会場がアンコールの呼びかけが始まった。
BUMPのライブの風習としてアンコールの呼びかけをsupernovaのラララで行うものがある。新型コロナウイルス感染症によりライブ中の声出しが禁止されたことでSJでは手拍子で行っていたが、この公演からは声が出せる。声出し解禁で実は一番楽しみにしていたことだった。
始めは手拍子とラララが混ざっていたが徐々に手拍子が止まりラララが増え、やがて会場はラララで満たされる。しかしそのラララはおなじみのsupernovaではなく、本編最後に演奏されたfire signのラララであった。事前に示し合わせたわけではない、自然と生まれた特別なアンコールに、ライブは生物ということを改めて感じさせられる。
もう少し特別なラララに浸っていても良かったのだがこの日はいつもと比べてすぐにメンバーが出てきた。
ラララに応えたメンバーが再入場するやいなや、満面の笑顔の秀ちゃんがステージ袖へ、タオルをマントのようにはためかせながら走っていく。ステージ左手へ挨拶し、戻ってくるとほかのメンバーから「あっち側は?」促され、指さされた右手へそのまま走り出して挨拶をしていた。犬か?笑
「アンコールどうもありがとう!」の声で始められたのは「ホリデイ」
「ツアー初日なのにもうファイナルみたいな気持ちだよ、さっき言ってくれたひとも居たけど今日僕たちは27年周年を迎えました。感謝だけじゃない、いろんな感情があるんだけど、全部まとめてこれからやる曲に気持ちを込めて演奏します。」
そして奏でられるは「ガラスのブルース」
SJ幕張の沈黙の合唱から一転、三年三カ月振りの合唱。気持ち多めに歌わせてくれていた気もする。冒頭が「ガラスの目をした君が歌うよ」に、「ギター増川弘明」の直前の「僕はイマを叫ぶよ」が「そして君に会えたよ」に、最後の歌詞が「君を探し 君に向けて 歌を歌う」に歌詞変えされて、声出し解禁一発目の本公演を締めくくった。
最後、出っ張りに集まっていたフロントマン三人が演奏を終える際になにか話しながら秀ちゃんの方を指差し、三人して秀ちゃんに合図を送るようにしてギターのヘッドを下げる“終わり”のジェスチャーをする。秀ちゃんもそれに合わせて立ち上がりドラムをかき鳴らしていたドラムを止める。終わってしまった…
フロントマン三人が花道を歩いて戻ると、一人さっさと捌けてしまった秀ちゃんを呼び戻し、ステージ中央、花道の入り口でメンバー四人が身を寄せ合って写真撮影。(その写真くれ!!)
チャマ「みんながルールを守って、この場所を守ってくれたおかげで今日は最高に楽しかったです!本当にありがとう‼」と言って深々とお辞儀。メンバーが捌けていくと藤くんがひとり残る
「中腰でポーズしてたから足がしんどい、歳かな…?笑」と冗談を言って最後のMCを始める。
「君たちにはこの27年間たくさん支えてきてもらいました。苦しかったときも君たちの存在に助けられました。そんな君達への思いが、歌になって、音符になって、君を探して、君たちに向かって飛んでいきます。そういうことを続けていくと、今日みたいな魔法みたいな、素敵な夜もあって…最高な夜をどうもありがとう!」
「なんかファイナルみたいな雰囲気になっちゃったけど、今日が初日なんです。be thereっていいます。全国周るツアーです。だからベタベタだけどどうしても今日言いたいことがあって・・・・行ってきます!!」
リスナー「いってらっしゃーーーーーーーい!!」
ここから始まる、また結成日へ戻ってくる。彼らにとってリスナーは向かう先ではなく帰ってくるホームなのか
「最近俺喋りすぎるじゃんか。だから一ヶ月前くらいから、あんまり喋らないようにイメトレとかしてさ、短くまとめてさっと帰ろうって思うんだけど、もう今日感動しすぎてだめだ…帰りたくないよ」
チラチラ後ろを見ながら楽器を手にメンバーを呼ぶ「冬が寒くって本当に良かった〜…はもう歌ったもんね(笑)どうしよう、何歌おうかな」
客席から様々曲名が上がる中「BUMP OF CHICKENのテーマ」に反応し「あ、そうじゃん!今日結成日だわ!」って本当にびっくりしたみたいな顔して(おい嘘だろ⁉)「へなちょこバンドのライブに行こう〜」と歌い出す
2022年2月11日、昨年のSJ幕張day2に当たる記念日公演は新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言発令に伴い延期となった。そして迎えた7月3日、day1で披露されたBUMP OF CHICKENのテーマが演奏されることはなかった。
お前!!本来結成日公演はどっちの日程だったか思い出せ!片方しかやらないならDay2の今日だろ!!と、どれほど悔しい思いをしたか(その代わりガラスのブルースの沈黙の合唱に立ち会えたわけだが)。その雪辱を今日、ようやく晴らすことができた。へなちょこバンドのライブに来れた。
アンコール一曲目「ホリデイ」で歌われた、祝日にベッドから抜け出さず、夢の続きを見ようとしているのに対応するかのような最終フレーズ
あぁ 僕らは君をベッドから引きずり出して
手をつなぐため魔法をかけた へなちょこの4人組
祝日である2/11にBUMP OF CHICKENの4人に会うため朝早くから全国からお祝いに駆けつけたリスナーを歌っているかのような、そんな素敵な夜だった。
ライブ前、アルバムをひっさげないツアーだけど、曲何演るかな?何聴きたい?とリスナーの間では大盛り上がりだったが、個人的に聴きたいと思っていた曲ばかりで、拍手大喝采なライブ体験だった。終演後SNSでも何だこの神セトリ、なんで今日私は参戦していないんだと大話題。鹿ッペもSNSで言っていた、ファンの選ぶオールタイム・ベストのようなセトリという言葉がぴったりなセトリだった。
1/27ライブのわずか2週間前に新型コロナウイルスの感染症法上の扱いが5類へと格下げとなることが決まり、それに伴って急遽イベントにおける声出しが解禁されることが発表された。
今回のセトリを見れば声出しを意識した選曲であることは一目瞭然であり、それまで準備していた内容からこの二週間で声出し解禁シフトへと変更したことが伺われる。ただ演奏する曲を入れ替えると言うのは簡単だが、自分たちの曲とはいえ当然それまで合わせていた練習は一からやり直し、曲ごとの演出や音響の設定なども振り出しとなった状況から、本番までたった二週間で仕上げなければならないという、現場の混乱と焦燥は想像できない。グッズが間に合わなかったというのも、少なからず影響があった結果ではないかと推察する。
25周年を迎えるもそのお祝いは延期となり、諦めきれず26年目に突入しても25周年のお祝いを続けた。そして27年目も振り回されながらも幕を開けた。
まるでファイナルのような初日が終わり、初めての場所や久々の場所を周るツアーが始まった。行ってらっしゃい。
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