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【ライブレポ】BUMP OF CHICKEN Sphery Rendezvous 京セラドーム大阪Day2

9/29(日)
東京の気温は26℃、大阪の気温は30℃予報。

何が悲しくて秋の足音感じる過ごしやすい地域から、いつまで余韻に浸ってるつもりだと説教かましたくなる程の残暑を引きずる地域へ赴かなければならないのかと、若干憂鬱になりながらも新幹線で現地へ向かうが、いざ会場へ着くと、曇っていて刺すような日差しが降り注ぐこともなく、風も吹いてとても過ごしやすい。
正直今回もAEONに籠城決め込むかと、お布施をする覚悟だったが、開演まで会場で快適に過ごせた。

本日の座席はヒロ側スタンド前方、銀テはギリギリ2列前までしか届きませんでした(涙)
それでも、銀テがギリギリ届かないくらいの距離なので、スタンド席とはいえ十分近い。
今回もいつも通り神席です!

開演前、座席に座ってそろそろかなと心待ちにしていると、アリーナ前方辺りから大きな声が挙がり、すぐさま拍手が続く。
何事かその時は理解できなかったのだが、終演後にTwitterを確認すると、どうやらこの大きな声は、メンバーが気合を入れる掛け声だったようで、会場が沸いていたことを知った。
スタンド席でも普通に 聴こえるほどの舞台裏の声。相当気合が入っていたことが窺える。

そんな気合十分なメンバーが入場、OPの演奏によりライブが始まる。
ちなみに、前回藤くんが見せた「ウォー」というDIOのポーズはありませんでした。

かっちょいいOPの演奏が終わると藤くんがギターをアコギへ持ち替えて一曲目へ続ける。

Sleep walking orchestra
前回はこのタイミングで円環状の舞台セットが上昇していたと記憶しているが、今回はこのタイミングでは持ち上がらずに、ステージを縁取り強調し、次の「アンサー」にて上昇して角度をつけた存在感のあるポジションに鎮座する。
円環状の舞台装置の演出すら毎公演微妙に異なっていて、試行錯誤が伝わる。

前回名古屋Day2のレポにて、鳥居の演出について記載したが、鳥居(お社)の演出は「邂逅」ではなく「アンサー」が正確でした。

間奏で「BUMP OF CHICKENです」次の「なないろ」にて「会いたかったぜ大阪!」と語りが入る。

ここまでの冒頭セトリのどこかで、ヒロくんが重心を前後に移しながら演奏していたのだけれど、重心を後ろに移す際に足の裏を見せるようにしてステップしていたのが、本日の細かすぎて伝わらないヒロくんのカッコ可愛い大賞です。
現場からは以上です。

冒頭セトリの演奏が終わって明転。
給水を済ませたチャマが、ステージに腰掛けて話し始める
「僕好きなものがたくさんあって、漫画とかゲームとかアニメとか、音楽とか芸術とかアート。みんなも好きなものあると思うんだけど、そういうのに出会った時とか、はまった時のことって覚えてる?…あんま覚えてない感じ?(笑)
僕は結構そういうの覚えてる方で、例えば、ワンピースを初めて読んだ時の、これは!って衝撃を受けた時の感覚とかさ」
チャマの一人語りが始まりかけたところで、ヒデちゃんのドラムの前でヒロと並んで聞いていた藤くんがフェードイン。
「ちなみにその、チャマが初めて読んだっていうのは、一緒に住んでたときに俺の部屋で読んだ、俺の買ったワンピースの一巻のことだよな」
「え?あ、そうそう」
「ごめんこれだけどうしても言いたかった(笑)」
どうしても自分が先にワンピを発掘したことをアピールしたかった藤くん(笑)

「四人で初めて音を出した時のこととかも覚えていて。僕、実家が居酒屋やってて、そこで集まって初めて合わせた時、こう、抽象的なんだけど、(片腕を差し出して、手のひらに球を載せるような仕草をしながら)丸い球の中に原子とか電子とか、そういう光みたいなのが入ってて、それがパーンって弾けて、もう目の前が眩しくなるみたいに、輝いて感じたこととか」

MUSICAで語っていた、四人で音を出している時の最強感のことを話しているのだと理解できる。

「そういう感動を今でも鮮明に思い出せるって話で。何が言いたいかっていうと、僕たちこのツアーの後の予定何も決まってないんだけど、こうしてドーム回るのは5年ぶりなわけで。だから次またこうしてここでやれるのも5年後になるかもしれないけど、その時に、今日のライブのことを鮮明に思い出せるような、そんな思い出を作ろうね!Sphery Rendezvousへようこそ!」

「みんなもう自由に楽しんでください。隣の人がどうとか気にせず、自分の好きなように聞いてくれて良いので。
周りの人が立ってるとか、腕振ってるとか、気にしなくていいです。直立不動で目を閉じて聴きたいって人はそのスタイルで聞いてください。もし途中で立ってるのがしんどくなったら無理せずに座って欲しいし、具合が悪くなったりしたらスタッフに声かけるか、隣の人に助けを求めて、声かけられた人はちゃんとその隣の人を助けてあげてください」

幼稚園の先生が園児にお返事を求めるように、手を挙げて「はーい」とチャマが呼びかけると「はーい」と返事をするリスナー。
お返事を確認すると「あれもやっておこう」と、思い出したかのように会場のリスナーの気合いを入れる掛け声を行う
「スタンド席!えいえいおー!」
「「えいえいおー!」」
「アリーナ席!やー!」
「「やー!」」

名古屋では気合入ってるんか不明な、難しい掛け声だったので、今回は無事にアリーナ席のリスナーも気合い入れらてよかった(笑)

一通り仕事を終えて「はい、ヒロ藤くんどうぞ」とバトンタッチ。
「えー、うん。はい、そうね、えっと。楽しく…楽しみにしてきました。最後まで一緒に楽しみましょう。よろしくお願いします」と、ごにょごにょ言いながら挨拶を済ませるヒロ。

「チャマが言ったように、約束事は一つだけで、具合悪くなった時はその辺ちょろちょろしてるスタッフ捕まえて、なんかいい感じになってください。それ以外は自由なスタイルで聞いて欲しいので、僕は私は俺は自分は拙者は某は––––朕は、余は、この聴き方がしっくりくるんだっていう、自分なりのスタイルで自由に聞いてください。じゃあ次の曲行きます」

なんかしれっと高貴な身分な方があらせられる(笑)
参戦遊ばされていたかもしれん。
皇室御用達ロックバンドBUMP OF CHICKEN

「Pinkie」
元々好きな人が多い曲の一つだと思うし、リスナーごとにこの曲から受けるインスピレーションもそれぞれだろうが、今日のライブを振り返った後に改めてこの曲と対峙すると、それまでとはまた異なる一面に触れられると思う。
ぜひ、じっくり歌詞カードをなぞりながら聴いていただきたい。

変われなくていつも戸惑うけど
誰か一人が認めてくれたらもうそれでいい
あなたのためとは言えないけど
あなた一人が聴いてくれたらもうそれでいい

「記念撮影」
「一本のコーラを挟んで座った」で、手の甲をこちらに見せて人差し指を立てて「裏向きで1」をした後「チョキチョキ」ではなく、ピースの人差し指中指を前後に動かすようなハンドジェスチャー
Pathfinderのように、人差し指と親指でカメラを作るのジェスチャー

「邂逅」
円環状の舞台装置がメンバーの頭上低い位置まで降りてきて、その場合で波打つようにゆらゆらする演出。
そんなこともできるんですか君!?天才すぎる!マジで万能すぎるんですけど、演出気になりすぎてメンバーの仕草入ってこなくなるので一周回ってむしろ邪魔まである。
メンバーが演奏するバックのメインモニターには、雲の中を稲妻が走る嵐の情景が映し出されていて、ジブリ映画の天空の城ラピュタを想起させるような演出。

「邂逅」の演奏が終わると、ここで一旦小休止的に藤くんのMCが挟まれた。
ちなみに、ここよりも前のどこかのタイミングで客席からの声に対して「(終わりたくないって)俺の方が思ってる、(セトリの)最初からって、俺が一番思ってる。何言ってるか分かんねえけど、多分俺外一番思ってる。とにかく全部、俺が一番思ってる」と、例の激重メンヘラ基央がマウントとってくる場面もあった(笑)

「みんなご存じだと思うけど、今日城ホでは、おひ…おふぃしゃる(辿々しく)Official、髭、男dismっていう、めちゃくちゃかっこいい音楽をやるバンドがライブをやっています。Official髭男dismってバンドがめちゃくちゃかっこいい音楽をやるのはみんなご存じだと思うけど」と藤くんが言ったところで会場から「同意」の意思表示の拍手が起こると「…君達さ、こういうときは、もっと拍手は大きい方がいいと思うぜ?」と注意する藤くん。注意を受けて、より一層大きくなった拍手にうんうんと頷く。

さすがは他者へのリスペクトを忘れないビッグバンド。
リスナーとしてその姿勢は肝に銘じておきたい。

「えー、Official髭男dismのボーカルはフジ“ハラ”っていって、歌を歌います。僕は同じ漢字で同じく歌を歌うフジ“ワラ”です。
歌うフジ“ハラ”と、歌うフジ“ワラ”。今この二つのバンドが大阪でライブをやってるということは、歌うフジハラと歌うフジワラが、東京から一人ずつ減り、歌うフジハラと歌うフジハラが大阪に一人ずつ増えてます」
ハンドマイクにして歩き出す藤くん。そのままスタンドマイクの前まで回り込んで来るので、何かヒゲダンとのエピソード的なのがあるのかと思ったら「えー…、この話、特にこれ以上話すことはないので、歌います(笑)」

ないんかーい!まぁいいんだけど。なんか急にうまい(ぽい)こと言いたくなったのかな。座布団あげる。
などと思いながらこの件聞いていたのだが、どうやら前日のヒゲダンのライブでのMCでBUMPについて触れていて、そこで「フジハラ」と「フジワラ」で読み方は違うけど同じ「藤原」って漢字で~という話をしていたらしい。しかもプラネタリウムを弾き語るというおまけ付きだったとか。
リスペクトのみならずファンサまで完璧なBUMP OF CHICKENさすがッス。

strawberry
イントロ部分の歌い終わりで、思わず溢れたという風に「フフ」と漏らす藤くん。
自分でも直前のMCちょっと何言ってんだろ感あったんだろうなと思うと同時に、思わず漏れた藤くんの笑いが不意打ちすぎて、グッと心臓撃ち抜かれました。
サンキューフジ"ハラ"

目の前に手を伸ばし何かを求めるようなジェスチャー
手を横に「さあ?」みたいにして首を傾げるジェスチャー
腕を水平に、平均台の上を歩くようにしてステージをヒロ側からチャマ側へ移動する藤くん。
素早く自分の顔と客席を往復して指差しする
チャマ側のステージ端で、座り込んで歌ってマイク問題を解決。

間奏部分で「めちゃくちゃかっこいいBUMP OF CHICKENです」と、直前のMCを受けての自己紹介
知ってるよー!どれだけ他にかっこいいバンドが居ようが、俺達にはお前らがNo.1なんだぜ。

演奏終わりに何か言っていたような気がするが思い出せず…。
「邂逅」と同様「strawberry」も、円環状の舞台装置がメンバーの頭上の低い位置で固定化されていて、額縁のような役割を果たしていた。
埼玉ではスクリーンに舞台装置が被っていたような記憶がないのだが、ここも演出変えてきているだろうか…?

「strawberry」で胸をトントンするジェスチャーもしていたように思うが、もしかしたら別の曲だったかもしれない。
どこかの幕間のタイミングで客席からの「かっこいい」か何かの声援を受けて「その声を聞いたら、今日もよく声が出そうだ」と嬉しそうに応える藤くん。
何の曲だったか覚えていないが、演奏終わりに「今日は間違えなかったぜ(笑)」と、前日歌詞を間違えてしまったことの汚名返上を宣言

次の「太陽」の演奏が終わると「メーデーメーデー」と通信が入り、光がガビガビと点滅する演出が入り、「星の鳥」が流れ出す。
メンバーが出っ張り移動している際、藤くんとヒロが仲良くなんか話しながら並んで移動
そのまま「メーデー」「レム」と続けて演奏。

「レム」
出っ張りでの演奏だがメインモニターにも演出が映し出されていて、青白く、緑色のフィルターが掛かっているような、「呪怨」などのホラー映画の青味がかった、とにかく暗い雰囲気に、さらにステージがほのかに光ってメンバーを下から照らすことで、鬱蒼とした雰囲気の映像演出。
その暗く、静かで不気味さを感じる演出から、間奏でヒロがアコギからエレキへ持ち替えてバンドアレンジへ移行すると、出っ張りを真っ赤に染め上げ、静かに、だけど激しさを感じる演出へと変化。
聴覚のみならず視覚的にも確実に感情の落差を植え付けてきてくるのさすがはプロの犯行。
何度聴こうが逃れようがない。

そして改めて、「太陽」「メーデー」「レム」をノンストップで畳み掛けてくるの鬼畜の所業だな。
酷すぎる。

そんな疲れ切った心に出っ張りMCパートのオアシス
「はい、みんな座って!そしたらお水飲んで!汗も拭いて!」と急いで着席させてコンディションを整えさえるチャマ。
「コーラ、一本あるね(笑)飲んでる?(笑)えーこっちの方は…BRIDGESTONE。タイヤ(笑)」と、スポンサーロゴを指しながら読み上げていく。
「今回演出すごいでしょ。僕らも好きで、見るために会場見渡したりするんだけど、京セラドームってかっこいいよね。天井もこんなんだし。もうこんなんユニクロンじゃん(笑)」
前日のMCでしていた「ユニクロン」の話題を受けて、会場から「分かる」と同意の拍手。
「ごめんね、何言ってんのか分かんないと思う。多分誰も分からないと思うし、着いてこれないと思うんだけど、この天井見たらどうしても言いたくなって。
軽く説明すると、僕トランスフォーマーが好きなんだけど(知ってるよ)、この天井が、トランスフォーマーに出てくるユニクロンってキャラの口みたいだなって思って。いやマジで!これマジだから!みんなわからないと思うけど、ユニクロンって、惑星自体がトランスフォームするみたいな奴がいるんだけど、そいつはマルチバース系のヤツで、そいつからぐわーっていっぱい出てくる的な。で、そいつは最終的にそのバースの、他の惑星を食べるってやつで、ヤバいじゃん、分かる?
でさ、そんな奴のさ、この、上(天井)に口があるってことはさ、俺たち食われんじゃんって、コイツ食ってんなって(笑)」

ユニクロンに関して熱く語って一頻り笑うチャマ。何言ってんのか全然分かんないし正直完全に置いてけぼりくらってるけど、君の楽しそうな笑顔が見れて何より。

散々言いたいこと言って笑って満足すると、恒例のメンバー紹介は忘れてしまったのか「はい、じゃあ次ヒロなんか喋って」とバトンタッチする。
「えっと、なんか…なんかって言われても。あ、頑張れは大丈夫です。頑張れはまだ大丈夫です。いつもなんだけど、話すことがないんだよな」
「いつも二日目って何話せば良いか分からないって言ってるよね」と藤くん。
「そう、二日目は本当に話すことなくて…え、何食べたか?食べたものは昨日もう話したから。話すネタがなくて…じゃあ試しに話してみる?昨日食べたのは、えっと、五穀米?なんかヘルシーなやつです。それを楽屋で食べて帰りました。もう他に話すことありません。」

何とか話を続けようと、無から話題を捻り出そうとするヒロくん。

「ライブももう折り返しで。あ、ライブっていうのは、今日のことじゃなくてこのツアーがっていう意味で。今日ももう少しで半分くらいだけど、ツアーも折り返しになる…あれ、どうだろ、合ってる?今回のツアー全部でいくつあるんだっけ。わー、失敗したな、確認して貰えばよかった。えー、いくつか分かる?(結局答えが出ない)えっと、何が言いたいかっていうと、初めにも言ったように、“感謝”ってことです。…あれ、言ってないか?(笑)」

もう何がなんだか訳わからなくなったところで藤くんが引き取る

「昨日チャマがユニクロン?の話しながら一人でめっちゃ笑ってて、この数年で一番笑ってて、ほんと、少なくとも令和一ってくらい笑ってて。俺はそれ(ユニクロン)、なんか俺の知らない経済用語か何かかなと思って、チャマがその話してる最中ずっと真顔でいて。
昨日ホテル帰ってから検索したんだけど、出てきた画像見てみたら本当に(天井)そのまんまだったわ。これはチャマが喋りたくなるの分かるわと思った」
「でしょ!」と得意げなチャマ(笑)
「チャマみたいに自由でいいよ。こいつなんかトランスフォーマーの話しかしてねんだから」と藤くんが軽口を叩く
「チャマ眼良いよね、俺ら(藤くんとヒロ)二人とも眼悪いから、俺コーラなんて一つも見えねえんだけど、どこにあんの?」
「あそこ」と壁面に掲げられているスポンサーロゴを指すチャマ。
「(スポンサーの)企業の名前読んでたのね。あのチャマの、なんだっけ、オミクロンも会社の名前みたいだよね」とヒロが言うと「ユニクロンな、オミクロンはお前、新しい感染症の名前だから」と藤くんがツッコミ「あ、そうか」と笑うヒロ。

もう本当にぐだぐだで収集がつかなくなったところで唐突にヒロが訴える
「藤くん!本当やめて」
「おう、ごめんな。俺は今特になんも言ってないと思うんだけど」
「藤くん!」
「おう、ごめんな…本当に何も言ってないと思うんだけど」

藤くんのみならず我々も、藤くんは本当に何もしていないと思っているが「流石に恥ずかしいから」と、一人被害を訴え続けるヒロ

「本当に恥ずかしいから。だって今日ここ何人いるんだっけ」
「33,000人」
「でしょ!?学校の、限られた人数しかいない、クラスの前に出て発表するのだって恥ずかしいのに、こんな大勢の前で一人で喋るってなたらそりゃ恥ずかしいから」

意表をついた説明に思わず「確かに」と唸ってしまった。
ヒロくん今までヒロヒロしいとか馬鹿にしてごめんね。確かにそれは恥ずかしいね。
ただ、お前一体何年やってんだ。いい加減そろそろ慣れてくれ(笑)

「もうヒデちゃん喋って(笑)」とギブアップ(笑)
あまりの恥ずかしさに敗北を宣言し、サレンダーしたヒロ。
過去一話の中身なくて、マジで今日何も喋らんかったな。

一方、ヒロからバトンを受け取ったヒデちゃん、オフマイクの通常運転。
野次の声にかき消されて何言ってんのか、全然聞き取れなかった。
「いつも通りだけど、ぎりぎり俺くらいまで聞き取れるくらいの音量でしゃべりました」と藤くん
「ぎりぎり俺の位置は聞こえなかった」とヒロ

ヒロの位置で聞こえないんだったら、それはもはや喋ってないのよ(笑)

「ヒデちゃんです。みんなの、胸の中にある、思い思いの、ヒデちゃんに対する気落ちを、一斉にぶつけてあげてください。せーのっ」と言う藤くんの合図で一斉に叫ぶリスナー。
イエスキリストのように胸に手を重ね、目を閉じてしみじみと会場中の愛を受け止めるヒデちゃん
「じゃあ会場のみんなの気持ちを受け止めて、ヒデちゃんから一言お願いします。」
何度か喋るが(多分「ありがとう」って言ってた)タイミングが合わず、藤くんと被ってしまって聞き取れない
「普通はさ。せーの言われてから五秒くらい待ってから喋り始めるでしょ」というヒロのツッコミも無視して再び自由に喋り、ピースまでして既に満足げなヒデちゃん。
かろうじて「ありがとー」と言っているのを何とか聞き取れた
ヒロも藤くんも笑いながらこれ以上続けることを諦め「ヒデちゃんはここにはあまり来れないので、ヒデちゃんがここにいるうちにもう一曲付き合ってください」と、演奏を始める。

SOUVENIOR
直前のゆるゆるぐだぐだMCパートが嘘のように、一気にトップギアへと上げていく。
振り幅が凄すぎて振り落とされそうになる。
歌詞が落ちてくる演出について、スクリーンのみならず、ステージにも投影されていたとのことなので、次回参戦の際はその点もぜひ注目したい。

アカシア
キラキラのSEが流れている最中の、曲に入り始める前の冒頭で「さぁ、君と僕の歌だ!君と、僕の歌だ!」と、語りかけてくる藤くん。

何ですかそれは!?
そんなこと言われたらなんか知らんが泣きたいくらいの感情が込み上げてくるじゃねえか。

「ポケモンGOTCHA」の冒頭のような、林道を吹き抜けていく、スタンドバイミーを彷彿とさせる映像演出。もう本当にいろんな方向へのリスペクトが素晴らしい。
btではスタンドマイクでの歌唱だったが、SRでは「アカシア」すらスタンドから解放されハンドマイク藤原となって飛び出す!
「新世界」で、ハンドマイクで歌うの恥ずかしいとか言ってた人どこいった?(笑)
言葉や音楽だけでは飽き足らず、全身を使って表現する、藤くんの心境(?)の変化もさることながら、ヒロというギタリストの技量に対する信頼もあっての変化なのかなと思うなどした。

一転ローテンポな「Gravity」で緩急を付けたあとで演奏される「木漏れ日と一緒に」では、レーザーを使った演出が素敵。

「ray」
このレポの冒頭でも述べたが、スタンド席に居る私の頭上にも銀テが舞いに来て、取れるかもしれないと胸を高鳴らせながら上空を見つめていたのだが、もう少しというところで急に流れを変えて目の前二列先ほどに落ちていった(涙)

メインステージでのんびりしすぎて、出っ張りでのソロに間に合わなくなりそうになり、花道をダッシュするヒロ。
今回花道短くてよかったね(笑)

「居るんだろ?そこに居るんだろ?ここに居るって、君の声で聞かせてくれ!」
「「生きるのは最高だ」」

メインステージの上方の天井に「生きるのは最高だ」とレーザーで文字が映し出されていることを今回はしっかりと確認してきました!
前回のレポでも書いたが、本当にrayは見どころが多いくせに、メンバーがステージいっぱいにバラけてしまうので忙しい。

「次で最後の曲です。今日は本当にどうもありがとう」という残酷な宣告に抗議する間も無く、無情に弾き鳴らされる「窓の中から」
途中で「終わりたくないって俺も思ってる」という発言はあったが、今日はこれまでの公演にあったような、セトリの進行に関する発言がなかった。
MCの中身がないのも、全体的に巻きで進行して、何かのために時間を確保しようとしてるのでは?と邪推を働かせる。

曲の終盤の歌詞で、
いつの日か止まる鼓動を 涙になれなかった感情を
と歌うところを
いつの日か止まる鼓動を いつの日か止まる鼓動を
と、繰り返して歌っていた。

もう、もっちゃんったらそんなところ間違えちゃって~などと思って聞いていたが、おそらくラストMCのきっかけとなる出来事を意識しての歌詞変えだったのではないかと、振り返ってみると感じる。

本編終了
退場する際に藤くんが、捌け際で振り返り、ぴょんぴょん飛び跳ねながら両手を頭の上まで伸ばして大きく手を振っていた。

この日はラララで迎えることはなく、拍手がずっと鳴り響いていた。
名古屋公演後に、ラララのアンコール待ちについてお気持ち表明する輩が出てきて炎上していたことの影響もあるかなと少し思った。
自分が気に食わないことに対してすぐに価値観を押し付けようとする輩が多くなり、この界隈常に炎上してるなーと感じるのは、18祭やタイアップ、TVでの露出などによって新しいファン層の取り込みに成功していることの裏返しかと、極めて肯定的に捉えようとは思う。が、「郷に入っては郷に従え」と思う以上に、お祭りには全力で乗っかっておいた方が良いよと、届きはしないどこかの誰かへの助言をこの場に残す形で、私もお気持ちを表明しておきたい

メンバー再入場
藤くんとチャマが、先に入場したチャマを後から入場してきた藤くんが追い立てるような感じで、かけっこのようにして、ヒロ側へ挨拶にくる。
端っこに並んでタオルをアピールする際、藤くんが広げたタオルが裏表逆で、直したら今度は上下が逆になっていて、珍しくワタワタしていた。

お決まりの「パァ」をすると、二人して手を伸ばすような変なジェスチャー。
その後で、チャマが藤くんを指差して、マイクで歌うようなジェスチャーで「ボーカルです」と紹介。続けてチャマ自身も、ベースを弾くような真似をして「ベースです」と自己紹介。
逆サイドでも、なんかドラム叩く動きっぽいことをやっていたのを視界の端に捉えた。

「アンコールありがとう!まだ歌っていってもいいんですか。帰る前にもう一曲歌って行ってもいいんですか」
宝石になった日
曲の終盤でスタンドからマイクを外してハンドマイクで歌唱。
気持ちが込められていることを感じる。

ひとりじゃないとか 思えない日もある
やっぱり大きな 寂しさがあるから

あの温もりが 何度も聴いた声が 君がいたことが 宝石になった日
忘れないから 笑っていける 涙越えても ずっと君といる

「まだ帰りたくねえんだけど、もう一曲付き合ってもらえる?」と言って会場から同意の拍手を浴びる藤くん。ふと我に返ったのか「マイク持ってたらギター弾けないじゃんね(笑)」と笑いながらマイクをスタンドへ戻し、メンバーと向かい合い、スタンバイする。

ガラスのブルース
お約束のリスナーに歌唱を委ねるところで「歌える?」と問いかけ、リスナーの歌唱を聴いて「いい声だ」と称賛する藤くん。
最後のリスナー歌唱部分でも「もっと歌えるだろ」と煽り「いい声じゃねえか」と褒める。

生まれてきたことが意味になるのさ
一秒も無駄にしちゃいけないよ
嵐が来ようが 雨が降ろうが
いつでも全力で 空を見上げて 笑い飛ばしてやれ

演奏終了し、メインステージに戻り、花道入り口あたりでシャツを脱ぎ客席へ放るチャマ。
マイクの前に立って声を張る
「俺からみんなにー、言いたいことがあるー!!」
「「なーにー?」」
「トランスフォーマーとかワンピースとかの話ばっかりして、ごめんねー!」
会場の笑いを誘い、すぐに続ける
「けど、すっげー楽しかったー!」

チャマの挨拶が終わると続けてヒロ
「みんなのおかげで楽しかったです。ありがとう。えっと…いや、やっぱいいや!またね!ばいばい!」
何か言い足りないような、もっと何か伝えないといけないような、そんなヒロの気持ちが垣間見えた僅かな“間”
大丈夫、ちゃんと伝わったよ。

全員が退場して最後に残った藤くんがマイクの前に立ち、ラストMCが始まる。
「夜、寝る前に歯を磨くときや、朝、起きて顔を洗うときに、鏡の中の自分を見つめていると、本当の自分が見つからない、そういう気持ち、わかる…?
今、急にこいつ何を言い出したんだって、なんか変なこと言い出したなと思った?(笑)
何訳の分からねえこと言ってんだこいつって思ったかもしれないけど、大体そういうことばっかり歌ってきたぜ。知ってるでしょ?君たちが選んだバンドのボーカルだぜ?(笑)

起きて、飯食って、風呂入って、寝て、また起きてって、それだけの人生じゃないとどこかで願ってて、でもそれだけじゃない「何か」って、日常の中では中々見つけられなくて、鏡の中に映った自分を見て、本当の自分をその映った鏡の中に探すみたいな…。

俺たちの音楽聴いてる人には同じような人多いと思うんだけど。あるでしょ?君たちだって、こういうこと考えて…いや、やめよう。強制するつもりは、ない。俺のこの、考えを押し付けるつもりはない(笑)
無責任なことは言えないから、君だってそうだと言うことはできないけど、俺にはそういう時がある。
ただ、同じように思う人はそうそうって心の中で頷いて聴いてくれたらいいし、そうじゃない人はこいつそんなこと考えてんのかって思って聴いてくれ。

朝起きて顔洗ったり歯磨きしたりするときに鏡の前に立つと、その中に映る自分を見て動けなくなる時が、俺にはある。
鏡を見て、自分が何のためにいるのか分からなくなる。鏡の中穴が開くほど見て、鏡の中の自分を嫌いになるくらい見つめたり、角度を変えて見たりして、どうにか嫌いな自分の顔を好きになろうとしてみるけど、やっぱりどうしても好きなれなくて。
何者かにかなりたくて、自分が生まれた意味みたいなのを、その鏡の中に答えがないかと思って覗き込んで探してみるけどそこには答えはやっぱりなくて。
見飽きた自分の顔を見て、(語気を荒げて)無駄、無駄、無駄。こんな人生何の意味もない。自分は何者にもなれない。自分に価値なんて何にもないんじゃないかと、そう思ってしまう」

モニターにアップで映し出される藤くんの顔、今日はやけに髪に隠れた目がよく見える。
その目が潤んで見えて、涙を溜めて喋っているのだと気づく。
この「無駄、無駄」と言った時の藤くんの、鋭く怯えるような目と、小さく顔を横に振りながら、腹の底から絶望したような、それでいて低く力強い声で、淡々と吐き捨てるような言い方が今も頭から離れない。

「そうやって生きる理由みたいなのが見つからないまま、仕方ないから曲を作る。ライブをする。ここに立つ。そしたら俺が生きる意味が分かった。俺は鏡の前に立って、鏡の中を見るよりも、ここに立って、君達の顔を見る方が生きる意味を見つけることができる。

大阪って街は大好きで、もう何回も来ている。初めて来たのはライブのためで、バンに乗ってメンバーと一緒に来ました。音楽を続けてきたから来ることができた。
初めの方は来るたび数えていたよ。2回目だな、3回目だな、4回目だなって。でも今はもう数えるのをやめた。数えられないから。それくらい何回も来ている。大好きな街です。

この中には、初めて大阪に来たそのときから、変わらずに僕たちの音楽を聴き続けてくれている人もいれば、一度離れたけどまた戻ってきてくれた人もいるかもしれない。
あるいはもう聴くのをやめてしまった人、もうこの地球から居なくなってしまった人もいるかもしれない。
その代わり、そのときはこの世にまだ生まれていなかったって人、最近聞き始めて、初めて今日ライブに来たって人もいるかもしれない。

鏡の中を探すより、今日ここに立って、君たちの顔を見た方が、僕は自分を見つけられる。君がいなければ、今日の音は生まれなかった。
君が、俺たちの鳴らす音、ヒロの指から鳴る音を、チャマの指から鳴る音を、ヒデちゃんの、両腕と両足で鳴らす音を、俺の指と(手を喉元に持っていき少し溜めて)この、喉から鳴る音を、聴いて、受け止めてくれたから、僕たちは28年間迷わず続けてくることができました。

愛してるぜ大阪!!

初めて大阪に来たのはもう二十何年も前で、 これからもまた来きたいと思っている。
けど、分からない。
明日が来るなんて保証なんてどこにもないから、もしかしたら今日が最後になるかもしれない」

一度話を区切り、マイクから距離を置き、会場を見渡して、叫ぶ

「わかんねえだろ!
だって、明日地震が起きるかも知れねえし、ダンプが突っ込んでくるかも知れねえじゃん。
だから!また来られたら、それは奇跡みたいなもんだろ!?
その奇跡を信じて、また僕は新しい曲を作ります」

子供が言い訳をするような、感情が全面に出た、理不尽に抗議するような話し方に、感情を揺さぶられる。視界が滲んで歪む。

「今日見たろ、たくさん見たろ、俺が歌ってる姿を。
君のおかげで、ここでこうして、歌えている俺の姿を!
無責任なことは言えねえよ?
だけど、45のおっさんが、君の顔を見て、声が出たって、そう言ってるんだぜ?
君が生きてる意味ができたのを知れたろ。君が、この世に生まれた意味ができたろ。

だから生きててくれよ。次に会うときに元気じゃなくたっていいよ。生きてさえいれば。
生きてまた会おう。曲作るから。また来るから。
僕たちの音楽が聞こえたら、数分でいい、君の耳を貸してください。

今日は会えて嬉しかった、ありがとよ
(一呼吸置いてからもう一度大きく)ありがとよ!!
気をつけて帰ってね、バイバイ、おやすみ、またね」

藤くんがステージから去り、会場が全灯するも座ることができず、溢れる涙を拭いながらしばらく立ち尽くしたのは俺だけではないはず。

なんですかこれは。
今日一日中身の無いおちゃらけた話ばかりしてたくせに、最後の最後になんですかこれは。

分かるよ、一緒だよ、俺もおんなじように思うことあるよ、理解できるに決まってるでしょ、グサグサ刺さってたよ。
ただでさえ激重セトリにぐったりするDay2で、情緒掻き乱されて心にでっかい重石乗せられて、あなたのおかげで今、確実に元気じゃないんですけど?
なに普通に帰ってるんですか?
こんな感情の整理が付けられない状態で置いていかないでください。
責任とってダブルアンコールでもう一曲やってから帰れ!
戻って来い藤原基央!!

ライブの余韻だけじゃない何かを引き摺って、仕事が手につかない、気持ちが沈む、気づくと上の空になっている、とにかく元気じゃない。そんな一週間を過ごす羽目になったのも、俺だけでは無いはず。

レポを書くために記憶を振り返るたび、受け取った感情を言葉に直そうとするたび、どんどん心が重くなっていって筆が進まない。
とんでもないカルマを背負わされて日常生活に支障をきたす。
伝説のaaナゴドDay2とは別のベクトルの、伝説の夜に立ち会えたことは幸福か、それとも不幸だったのか…。

それでも何度も藤くんの言葉を自分の中で反芻するうちに、藤原基央ですら「何者にもなれない」だなんてことを考えるという事実に衝撃を受ける。
本当に心の奥底から謙虚であると同時に、どれだけ自分達に自信が無いのか。
俺が藤くんだったらおそらく天狗になっていただろう。いや、確実になってる。自信がある。
過去がどうであれ、キャラクター付けはさておき、アルバムは全曲タイアップ、何か発表すればサーバーダウン、何でもないようなことで即トレンド入り、チケット完売で争奪戦は苛烈を極め、同業者は皆決まって憧れを口にする。

成功者だと思っていた。誰もが羨む存在だと思っていた。
BUMPの人柄を、嘘だとは思っていないが、ブランディング、マーケティング、キャラクターマネジメントが優れていて、その賜物なのではないかと。
自分達とは違う世界の人たちなんだと、心のどこかで思っていた。

一緒だった。俺と同じ、等身大の人間が、33,000人の前に立って喋っていた。

藤原基央ほどの人物が「何者にもなれない」と考えているのだとしたら、俺如きが「何者にもなれない」なんて当たり前で、そんなことを悩むこと自体烏滸がましいと、少し肩の荷を下ろせた気がした。
それと同時に、常に周囲から評価され、少し調子が悪いと非難されるプレッシャーに晒され続けることに思いを馳せて胸が苦しくなる。吐き気がする。
毎公演同じことばかり話す藤原基央の言葉が急にリアルな実感を帯びて重くのしかかってくる。

ライブ会場で目の前に立っている俺たちの存在が、藤原基央が生み出した音符と言葉を、BUMP OF CHICKENが紡いで奏でた音楽を、受け入れて存在を認めた確かな証拠であることを改めて理解した。

俺たちリスナーの前に立つと勇気が出る。力をもらえる。
俺たちリスナーの存在が、BUMP OF CHICKENに歌を歌わせている。
使い古された、ありふれた言葉に、どれだけの気持ちを乗せて、伝えようとしてくれていたのか、頭では理解しているつもりになっていたが、全然理解できていなかった。考えが浅すぎて、一ミリたりとてその真意を受け止められていなかった。

けど、今回、理解した。
遅くなってしまったけど、時間が経ってしまったけど、何回同じ話させるんだって思っているかもしれないけど、どれだけ俺の存在がBUMP OF CHICKENの支えになるのか、藤くんが本当に伝えたい真意のほんの数パーセントぽっちかもしれないが、確実に理解した。

どれだけボロボロでも、ヘロヘロでも、けちょけちょになって、生きるのを投げ出したくなろうとも、堪えて耐えて生き延びて、這ってでも会いに行く。

余談
情緒掻き乱されたまま放置されたお陰でこっちは苦しんでるっていうのに、平常運転で美味しそうなもん食べてて、置いてけぼり感さらに強まってムカつく(笑)
大好きな街、大阪を楽しんでくれてなにより


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