【ライブレポ】BUMP OF CHICKEN be there 大阪城ホール day1
3/1(土)
前日から急に気温が上がり東京は20℃で春の陽気であったが大阪は少し下がり18℃、しかも天気は雨模様。ずっと天気が良かったのに公演の二日間のみ、狙いすましたかのように雨予報となっていた。誰ですか雨男女は。
いつもより少し遅い時間の17時半開場、席に着くと前回参戦した有明と比べて大阪城ホールの“近さ”にまず興奮した。そして前回同様出っ張りについて気づいたことが一つ。出っ張りが低い…?おそらくスタッフチームの機材メンテナンスやドラムセットの撤収の都合によるものと思われるが、出っ張りのステージが昇降するようになっていた。
縦方向に動かせるなら、横方向にも動かせるでしょ!ぜひファイナルまでにベルトコンベア秀夫の導入をご検討くだされ!
18時半、開演。
分かっていても、アカシア前奏のキラキラした音楽の入場SEは心躍る。
素晴らしい。大発明。最高。大好き。
メンバーが順に入場してきて最後に藤くんが入場。メインステージで腕を広げたポーズでバックライトで照らされると、シルエットが浮かび上がるのだが、藤くんの身体が細いのに対してシャツがビッグシルエットのため、フクロモモンガのようになっていた。
藤くんったら、スケスケのアミアミの上着着てるのか…?今日は随分攻めたファッションだな…とか思ってごめん。黄色いオープンカラーシャツを着てるのを確認するまでは大困惑してしまった。
そして出っ張りまで出てきたところで例の上体を大きく反らすポーズ。
やっぱそれJOJOですよね?
有明ではたっぷり時間をとってギターを掲げていたが本日はあっさりと持ち上げたため「あぁ、やはり今日はDay1だから、明日に備えてあっさりと流すタイプのやつやな…」などと思ったのだが、この予想は大きく裏切られることになる。
本日の公演は最初から最後まで、全編通してメンバーのテンションが高く、終始オラついており、覚えていないが歌詞変えや(覚えている方教えて下さい!)アレンジ(どんな感じだったか覚えている方教えて下さい!)が激しかった。
序盤何曲か音の聞こえ方が酷いように感じ「今日のPA仕事雑か!下手くそか!」などと心の中で悪態をついていたのだが、気づいた頃には音の状態は一切気にならなくなっていた。アンコールのときに再び「音〜!!」と思ったので、PAさんの仕事が雑なのではなく、メンバーのテンション爆上がりによってリハと音の状態が変わってしまった故の音割れなのかなと思い至った。
その場の変化にしっかり対応して瞬時に修正する
プロのお仕事、流石です!
そんな状態で、若干音の聴こえ方に不満を感じる一曲目「アカシア」の間奏中
「ようやく声が出せるようになったんだ、だから聞きに来たぜ大阪!でけえ声聞かせてくれよな!」と、オラ藤炸裂。
具体的にどんな感じだったかは記憶にないものの、一曲目からアレンジをかましてきて、今日やばい!今日やばい!と大変興奮したことだけは覚えている。
伝説の幕開けを感じさせる一曲目であった。
「グングニル」と「天体観測」が終わり、出っ張りからメインステージへ戻るメンバー。
ちなみに、有明Day1で披露した、エフェクターチェンジからのステップは披露されなかった。あれかっこよすぎたからぜひまた見たいと思っている。
そしてメインステージに藤くんが着くや否や、本日最初のMCパート。
「え、何?今その辺からすごい声で“ヤヴァイ”って聞こえだけど、何がヤヴァイの?体調?体調やばくなってない?大丈夫?もし体調がやばくなったら無理せず座って休憩したり、隣の人に助けを求めてくれ。そんで助けを求められた人は嫌がらずに助けてください。よろしくな!こんばんはBUMP OF CHICKENです!!」
「ようやく声が出せるようになりました。これまでルールを守ってきてくれてありがとう。みんなの声を聴くために、東京から大阪まで来ました!だから、でけぇ声聞かせてもらってもいいですか!?」と藤くんが呼びかけると会場中が「いえーーい」と応えるのだが「そんなもんじゃねぇだろ大阪!!」と藤くんから檄が飛んだため「いぇーーーーーい!!!!」と、先程よりも大きな声で応える大阪会場。
「ちょっと待って、なんで一回出し惜しみしたの?やればできんじゃん、なら一回でちゃんとやってくれよ(笑)」と、既にテンションの高いメンバーとリスナーとの温度差に納得がいかず、文句を垂れる藤原基央(笑)
文句を言いつつMCは続く。
「声出したり歌ったりして良くなったけど、一般的なルールはちゃんと存在しているから。周りの人に迷惑かけないようにマナーを守って声出したり歌ったりしてね。隣の人がタイプだったからって、なんか変な番号書いた紙とか渡しちゃだめだからな!…いや、そういうのが良いっていう人もいるかもしれないけど。まぁ…その辺は様子見て、うまいことやってくれや。迷惑にならないようにね。
それと、声出し解禁したからって無理に声出さなきゃいけないってわけじゃないから。仏頂面で聴いてくれてもいいし…仏頂面というか、無言の真顔でね。自分は腕組んで聴くスタイルだっていうなら、隣のやつが腕挙げてても、気にせず腕組んだまま聴いてくれていて良いし、静かに聞きたい人は目を閉じて自分の世界で聴いてくれても良い。みんな思い思いの、自分なりのスタイルで聴いて、楽しんでくれたら嬉しい。よろしくね」と冗談交じりに諸注意を告げた。
4曲目「なないろ」
チャマがステップを踏みながら行進するような歩き方をして弾いていて、歌唱終わりに後ろを振り返り、その様子を観た藤くんがチャマの背後に周って、前に倣って同じようにステップを踏む、電車ごっこのようにして演奏を行っていた。
おじさんかわいい。
5曲目「才脳人応援歌」
こちらは「なないろ」とは打って変わって、有明Day1同様、喉から歌う声の出し方で、感情を込めた歌唱。チャマも怒るような顔をして演奏をしており、パフォーマンスであると分かっていながらも、藤くんの声を聴きながらチャマの顔を見ると、こちらも気持ちが熱くなる。
ビッグバンドとして、多くのアーティストに影響を与えると共に、数々のタイアップによって今なお幅広い層に新たなファンを獲得し続け、確実に日本のトップを走るバンドの一角を担うBUMP OF CHICKEN。
そんな彼らの、辛酸を舐めた時期というものを想像することは今更難しい。しかし、私もご多分に漏れずかつて抱えた夢に破れた、その他多くの才悩人の一人。
藤くんの声の掠れ具合がピークとなるところで心が痛くなるほど刺さるのは、かつての才悩人が残したメッセージ故か。
得意なことがあったでしょう
大切な夢があったでしょう
隣人は立派 将来有望才能人
そんな奴がさぁ 頑張れってさぁ
怠けて見えたかい そう聞いたら頷くかい
死にたくなるよ 生きていたいよ
藤くんのこの感情をたっぷり込めての歌唱、個人的に大好物で、メンタルに響くものの、全曲これでやって欲しいくらいなのだが、強大な力に代償は付きもので、2曲後のFlareまで、喉の調子に影響が出てしまった。
当然練習や、リハなどで歌唱への影響があることを理解しているだろう。その後の歌唱に影響出るくらいならやるなと批判をする人が一定数存在することも予想できる。それを加味した上で、なお演出として組み込んでいるところに、多少の犠牲を払ってでも、この歌い方でリスナーに気持ちを届けたいというBUMPの意思が感じられた。
6曲目「クロノスタシス」ではスモッグにレーザーを水平に照射して、雲の中にいるような、霧がかったような演出がなされていた。
まだ“がなり”の影響が残る7曲目「Flare」
「一人にしないように 並んで歩く」が
「一人にしないように 並んできたね」に、
「どこに居るんだよ ここに居たんだよ」が
「どこに居るんだよ ここに居たんだね」に、
それぞれ歌詞変えがなされた。
ちなみに、チャマの指パッチンは有明Day1で行っていたような、ロイ・マスタングのようなやり方ではなく、普通に普通の指パッチンでした。チャマの中でブーム終わったんかな。
一列に並んで行進のように出っ張りに移動し、9曲目「ベル」演奏後に再びMCパート。
「思ったより早くこっちに戻ってきたでしょ。それは何でかっていうと、ヒロがね、昨日何食べたか喋りたいっていうから。ヒロ何食べたの」との藤くんの問いかけに対してヒロが「うん」と返事をしただけで会場から笑いが起きる。
「お前、まだ『うん』しか言ってないのに笑いが取れるって相当だよ」と藤くんが突っ込んでる最中も「ガンバレー」と、ヒロに対する声援が飛ぶ。
「ほら、喋り出す前から頑張れとか言われてんじゃん(笑)」
「いろんな味の…様々な美味しいものに出会いました。新鮮な味覚と出会いました」
「何を食べたのか聞いてるんだよ(笑)」
「鶏の、いろんな部位を…心臓とか」
「ハツな!ほら、お前、心臓とか言うからちょっとざわついちゃってんじゃん」
「それを、お店の人が焼いてくれて。美味しかったです」
「他には?」
「その他にもいろんな調理方法で食べて、ナベとか」
「そうね、鍋に入ってたね。鍋に入ってたけど、そうじゃなくて、調理法的なさ、料理名があるだろ、器じゃなくて」
「あ…すき焼き!」
「そう!すき焼き!ようやく出てきた。お前昨日鶏のすき焼きなんて初めて食べるって、すき焼きって普通って、えらく感動して、明日これ話すって言ってたじゃんかよ。だから俺が聞いてたのに、お前、ナベって…。みんな普通の鶏のナベを想像しちゃうだろ(笑)お前今日終わったらここ、反省会だからな!!」と、しっかり注意されるヒロくん。相変わらず今日も絶好調ですね。
「それと、ツアー周るとイベンターさんがその土地の美味しいお店連れて行ってくれて、こいつそれを毎回グーグルマップに登録してるんだけど。お前それ使うことないだろ、どうすんだそれ、いつ使うんだよ(笑)」と、ヒロくんの趣味(?)についても暴露。
その“ぐるヒロ”の情報、公開してくれないかな…。
ヒロヒロパートが終わりチャマへ。
長々と話した挙げ句なかなか本題にたどり着けなかったヒロパートを受けて「ヒロくんの話を総括します。僕たち生のものは食べないから、鶏の刺身は食べられなかったのでそれを焼いてもらって。あとは、炭火、すき焼き…ヒロの言ってたやつね。トマト!あと丼!以上!それだけ。これだけの時間で済むの。尺!しゃくぅ〜!」と、最後は変顔をしながらヒロのことをいじるチャマ。
そのままaaの頃に戻ったような、軽快なMCを続ける。
「せっかく声が出せるようになったので、久しぶりにみんなの声を聞きたいな。聞かせてもらってもいいですか?じゃあ大阪の美味しいもの教えて下さい!」
食い倒れの街大阪のプライドにかけて、会場中が思い思いの美味いもんをアピールする。
「たこ焼き、串カツ、お好み焼き…あぁ、かすうどんね。あとは?うんうん…え、マクド!?…じゃあ食べ物じゃなくても良いや、大阪といえば?…通天閣ね…うんうん…。ちがう、ぜんっぶ違う。正解は、VERDY。今回のグッズとか、CDのジャケットとかデザインしてくれている、我々の盟友VERDYの出身地がここ大阪なの!だから大阪といえば、VERDY!そしてそのVERDYのピザ、VERDYがプロデュースして、作ったピザ。めっちゃ美味しかった!また食べたい!明日も食べます!みんなにも食べてほしい、それくらい美味しかった!」と、しっかりたっぷり盟友のお店を宣伝する物販宣伝部長。
「そうだ、みんなにお願いがあって、aaの時によくやったよね、俺が叫んだ後にみんなその後に続けて叫ぶやつ。あれ久しぶりにやろうよ!(品川庄司の)”ミキティー!”の感じでね!俺がVERDYって叫んだらみんなその後に続けて“ミキティー!”のテンションで叫ぶ。OK?俺それを動画で撮るから、みんなでVERDYの名前呼んだ動画送ろう。VERDYすぐそこにいるけど。あ、ちなみに先生はこれ、一発で決めたいと思っています。だからさっきみたいな出し惜しみなしね。最初から全力でお願いします」とチャマ先生が注意をすると藤くんも「そう、コイツらさっきは出し惜しみしてたからな」と同調する。
「準備はいい?ちゃんとやってね、いくよ?べるでぃーー!!」
「「べるでぃーーーーーー!!!」」
会場の絶叫に満足したチャマはうんうんと頷きながら「VERDYに届いたと思う」と言い、「ベースのチャマです」と藤くんから紹介されるとそのまま秀ちゃんの後ろに周り、花道の途中に胡座をかいて座った。
「じゃあつぎ秀ちゃんね、普段こっちに出て来れないから、みんなの近くに来れて嬉しがっています。みんなの近くに来れた気持ちを聞くと99%いや、100%、ほぼ100%って言ってもいいと思う。それくらい、さいこーとか、うれしーとか、テンプレしか言いません。みんなこうやってすげー喋ってんのに彼一人だけすごく省エネです。たまには違うこと言ってみてよ」との藤くんからの振りに秀ちゃんは「え?」と困惑の表情を浮かべる。
「え?じゃなくて、なんか別のこと言って」と無茶振りを続ける藤くんに対してマイクを通さずに何か言って、必死に抗議をする秀ちゃん。声は聞こえるんだけど、何言ってるかまでは把握できず、席近かった人のツイートを拝見していると、「キャラじゃない」とか、「意外性のあること言ったほうがいいと思って」とか言っていたみたい。何を喋ってたのか、聞こえた方教えて下さい!
「じゃぁ、昨日食べたものの中で一番美味しかったものは?」
「ピザー!」
そうか、ピザか。美味しかったんだね。良かったね。おじさんになってもピザは変わらず好きなもんなんだね。あんだけヒロが一生懸命時間使って説明した鶏すき焼きより美味しかったのか。鶏すき焼きのお店の場所、北新地ですよね、すっげーお高いですよね、何故ピザなんだ。
「VERDYのピザ美味しかったよね。じゃああとは、今日の気持ちをどうぞ」との言葉に秀ちゃん再び困惑。
「お前そこはいつものテンプレートで良いだろ(笑)」と、つい先ほど禁止ワード指定を受けたところで、まさかテンプレ使用が解禁されているとは思わない秀ちゃん。藤くんからレギュレーション変更を知らされると「たのしー」と、無事にテンプレを叫んだ。
「ドラムの升くんです。そして僕ボーカル・ギターの藤原です」
藤くんの自己紹介に対してすかさず立ち上がりマイクまで走ってきたチャマがさっきの「べるでぃー!」の要領で「ふじくーん!」と叫び、リスナーも倣って「「ふじくーん」」と叫ぶ。ハニカム藤原基央43歳。
「せっかく出てきたんで、ここでもう一曲やっていっていいですか?」と、呼びかけ後の演奏にピッタリな曲「新世界」へ。
有明Day1では全編通して活躍していたハンドマイク藤原が、この日はこの新世界でようやくお目見え。そして本日もかわらず絶好調。ばきゅーんも、けけけ喧嘩のゴールも、宇宙ごと抱きしめるも、大阪アイラブユーだぜもしっかり披露。
誰か一緒に新世界の好きなシーンランキングを発表し合いませんか?
演奏が終了するとすぐに「新世界」延長戦がスタート!
有明day2で秀ちゃんいじりがあったとの記憶があったため、先に花道を歩くメンバーに注目。秀ちゃん、のんびりしている!これは、来るか!?と少し期待していたものの、秀ちゃんは無事にドラムへ到着。チッ。
そしてこの日の延長戦は有明day1とは様子が異なり、藤原おふざけタイムとなった。
この延長戦では、藤くんの「ベイビー・アイラブユーだぜ」に続けてリスナーが「ベイビー・アイラブユーだぜ」を繰り返すのだが、それを藤くんが面白がって、オペラ歌手のような声や、べい!びー!あい!らぶ!ゆー!だーぜー!と区切ったり、小声や、消え入りそうなウィスパーボイスなど、いろんな歌い方で「ベイビー・アイラブユーだぜ」を歌唱(福岡公演で披露したという、おじさんボイス藤原はお預け)。
ヒロみたいになっちゃうけど、様々な「ベイビー・アイラブユーだぜ」に出会えました(笑)
さらに、藤くんがメインステージに戻ったところでメンバーの演奏が加わり、最後にもう一盛り上がりして締めていた流れにも変化。藤くんがメインステージに戻ると、コールアンドレスポンスを続けたまま機材へ向かい、スタッフも藤くんの元へ駆け寄ってくる。
そしてリズムそのまま「次の曲の用意してるぜ〜」とノリノリで自己申告をする。
我々の愛の告白大会がシャットアウトされてしまった。なんという告白大会の終わらせ方なんだ、俺達の愛を弄びやがって!ひどい!新世界の無駄遣い!(笑)
リスナーが盛大に藤原基央に振られたところで次の12曲目「SOUVENIR」へ。
こちらもハンドマイク藤原全開のパフォーマンス!有明Day1では間奏中のハンドクラップ以外の箇所でも、手を叩くサインでリスナーにハンドクラップを要求していた藤くんだが、本日はそんな要求を行う間も無いほどよく動く。
特に「土砂降りいったい何回くぐって笑ってくれたの」のところではチャマ側で、頭を抱えてトンネルを潜るようなポーズを、「歩いて歩いて転んで平気なふりして」のところではヒロ側で、実際にコケて立ち上がるようなパフォーマンスを披露。
公演を重ねるごとにハンドマイクの扱いに長けていく藤原基央流石です!
ちなみに、有明Day1の反省を活かしてか、この日は有明Day1ほどハンドマイクを使って動き回る曲が少なかったため、ポケットにマイク突っ込むことはありませんでした(笑)
13曲目「Gravity」について、楽曲発表から今回のbe thereまで演奏されることがなかった曲で、ツアー初日である有明Day1にて初めてライブで演奏を披露されたのだが、どうやら俺の心の中の藤原基央が勝手に存在しないライブバージョンで歌唱していたようで、ライブアレンジに全然気づかなかった…。
「裸足の メロディー歌うから」の“裸足の”などをファルセットで歌うアレンジをしていたのだけれど、そういうものだと思って聴いていて、後でCD音源聴いたら普通に歌っていたので衝撃を受けた。
ごめん藤くん素敵なアレンジをさも当然のように受け取っていたよ…。
なお、有明Day1のレポでGravityに関する憶測(噂)について言及したが、その後のチャマツイにて、Gravityのグッズがかなり前に制作されていたことが判明。有明Day2や福岡の公演に参戦したリスナーからはGravityの歌唱に関する不満もあるため、チャマの心の事情ではなく、藤くんの技術的な事情で披露が遅れていたのかもしれない。
ごめんチャマ、ひたひたの濡れ衣を着せてしまったよ…。
15曲目「GO」
本日も前奏での、他曲フレーズ歌唱は無しであったが、歌詞に入る直前の前奏をラララで歌うという演出を披露。
加えて、「聴きたい声を聞きに来た」という歌詞変えに「お前らの声聞かせてくれよ!」との煽りもあった。
良いですね。熟成されていっています。次の公演も楽しみ。
16曲目「ray」
出っ張りに出て演奏していたチャマヒロ。曲の終盤で出っ張り脇の階段に降りると、そこで身を屈めて低姿勢となり、ベースを弾くチャマ。自分のパートが終わるとそのままベースを抱えるようにして。階段に身を隠すように寝転んで待機。ヒロくんも逆サイドの階段に座り込んで待機。なぜか出っ張りを開ける二人。メインステージでの藤くんの歌唱が終了すると、起き上がって花道を戻る。
出っ張り正面のリスナーへの配慮でしょうか?正直階段脇のリスナーへのサービスとしか思えません。羨ましいのでスタンド席にもお願いします。僕の席の横、階段広くて寝やすそうでした!
「最後の曲です」との言葉で本編最終曲「fire sign」を演奏した。
冒頭に記載したとおり、この日のメンバーのテンションは異常で、何があったのかと思うほどノリノリでオラオラだったのだが、それに負けないのが大阪会場。
曲間のヤジが激しい。それはもう酷い(良い意味で)。隙きあらば叫んでる。うるさい(良い意味で)。メンバーに反応してもらうんだという気概を感じる。バカみたいに叫ぶ(褒め言葉)。リスナーの主張が強い。うるさい(良い意味で)。さすが大阪。好き。
出っ張りまで出てきてた藤くんがメインステージに戻るときに、リスナーから「カッコよすぎるー」と呼びかけがあり、それに対して藤くんが「お前らもなー!」と返してくれる場面や、二回目のMCの後のどこかの曲間に叫ばれた「俺も鶏すき食べたよー(?)」との声に藤くんが反応して「俺も鶏すき焼き食べたよーって?そっか、美味しいよな!…ごめん、もにょもにょ〜って、何言ってるか聞き取れなかったんだけど。多分ポジティブなこと言ってんなって解釈して適当に返事しちゃった」なんてやり取りもあった
この流れで、差し込む箇所に迷ったメンバーの様子についても少し触れておきたい。
ヒロくんが珍しく身を屈めた前傾姿勢で、ギターを低い位置で構えての演奏していたのがとてもかっこよかった。それと、多分普段からやっているのだろうが、ギターのネック部分の弦を、ピンと引っ張るような奏法をしている際に会場を見渡している姿もなんだか今日は心に留まった。
基本真顔でドラムを叩いてる秀ちゃんが、何度か演奏中に笑ってしまっていて、一生懸命真顔をキープしようとしたけど無理だったんだなって思うとかわいかった。
藤くんのテンションの高ぶりは異常だったので、枚挙に暇がないが、ミュージカルのように天井を見上げ、両手を広げてくるりと回転する藤原基央を見たときは「あ、とうとうテンションが天井突き抜けた」と思った。演奏技術、歌唱力に加えて魅せ方も上がっていって、本当にどこまで進化を続けるのかこの男は。
チャマに関しては、今回のMCで完全に帰ってきたなという印象を受けた。公演中の振る舞いにも、aaを思い出すようなシーンがいくつかあったり、髪をアップにしてバンダナを巻いたり、今までの大人しい、借りてきたねこのようなチャマとは異なる。
長かったね、おかえり、我らがお調子者。
本編が終了し、メンバーが退場したところでアンコールの呼びかけが始まる。
今日こそsupernova!と、ワクワクしながらラララを歌っていたのだが、全体としては、なんか声出してる人が一部居るなーっていうのが伝わる程度で、何言ってるのかは聞き取れず、手拍子も鳴り止まず、どっちつかずのぐたぐたな状態のうちにメンバーが再入場。
大阪そんなもんじゃねえだろ!さっきまで一生懸命叫んでたあれは何だったんだ!?supernovaを歌え!!と、少し残念な気持ちでアンコールを迎えた。
再入場と同時に、有明Day1同様、いい笑顔で犬のようにステージ左右に走る秀ちゃん。かわいい。
この日はアンコール戻り時のメンバーの写真撮影は無く、すぐに「アンコールどうもありがとう!」の声でアンコール1曲目「ファイター」の演奏が始まった。
ここにいるためだけに 命の全部が叫んでる
涙でできた思いが この呼吸を繋ぐ力になる
その声は流れ星のように
次々に耳に飛び込んでは光って
魚のように集まりだして
冷たかった胸に陽だまりが出来た
涙超えた言葉が
その鼓動から届き勇気になる
君がいるそれだけで あぁ まだ温かい
「最後にもう一度でかい声聞かせてくれよ!」という煽りから入るアンコール2曲目「虹を待つ人」
有明ではDay2のアンコールで演奏されており、ここを入れ替えてくるのかと驚いた。Day1とDay2の曲を入れ替えるって、これまであまりして来なかったのではなかろうか。
頼むから俺が聴くまでは本編の曲は固定化してくれと祈りを捧げつつ「生きるのは最高だ」と叫ぶ。
aaで披露していたチャマの、花道ダッシュからの出っ張りジャンプ。本公演でも披露されているのだが、やはりドームと比べて距離が短いため、悠々と出っ張りへ移動し、しっかりタイミングを待ってジャンプするという余裕なスタイル。
ギリギリ間に合うか焦りながら全力疾走してジャンプするチャマがみたいので、be thereは花道往復するシャトルラン方式はいかがでしょうか?
記憶が定かではないが、あれ、ここもリスナーに歌わせるんだ?と思った記憶がある。覚えている方がいれば補足情報を頂きたい…。
演奏が終わると、出っ張りに居た藤くんがピックを結構強めに客席に投げつけ、ポッケから何かゴソゴソ取り出すとそれも投げつけていた。ポッケから何を出してたんだろう。S席羨ましい…。
チャマは「今日はありがとう。また遊ぼうね」と言って退場し、メンバー全員が退場するとひとり残った藤くんが深々とお辞儀をしてから話し始める。
「僕たちは25周年を迎えて、26、27年目になって…27年目でいいんだよね?25周年では延期になったけど去年はライブハウスツアーを回りました。大阪にも来ました。そのときは、今日君たちに歌ってもらったところは埋めずに、空白のままにしておいたんだ。その空白を、俺たちは愛しいと感じていた。ようやく声出しができるようになって、みんなが歌って、その空白が満たされて、曲に命が吹き込まれた。自分で作った曲なんだけど、こんなに良い曲だったのかって、みんなの声を聴いて気付かされた。君たちは知らないだろうけどね。そんな風に、君たちの存在は、君たちが思ってる以上に、ステージの上のアーティストに力をくれるんだ。心強く思えるんだ。たしかに僕らは他のバンドよりも声が出せない、我慢した期間が長かったかもしれない。けど、配信とかで活動続けたりとか、もっと大変な思いをしたバンドもいたかもしれない。だから、気になるアーティストが居たら、もしライブに行こうか迷ってるアーティストが居たら、行ってあげて欲しい。君たちがその音楽を聴きに行くことで曲に命が宿るんです。そのアーティストの力になるんです。今日僕たちの音楽は君たちに聴いてもらうことで命が宿りました。ありがとう」
2022年のロッキンのMCを思い出す内容に目頭が熱くなる。他のアーティストが出演するフェスでさえ、その他のバンドを気遣う内容に、BUMPリスナーのみならずあの場に居た全観客が感動していた。それを、ワンマンで再び他のバンドへの配慮を行うなんて。改めてBUMP OF CHICKENというバンドの懐の深さ、他者へのリスペクトの姿勢に惚れ直す。
「大阪は今日が初日で、明日もあるんだけど。もう会えない人もいるかも知れない。作ってる最中の曲もあります…あ、うそうそ、無い。作ってる最中の曲は、無い。作り終わって、まだ聴かせていない曲は、ある。やらない、やらないよ?今日はやらないけど、そういう曲はある。(会場中から聴かせろと拍手が巻き起こる)やらない!やらないから!やっちゃうと会いたい会いたく無いとかじゃなくて、俺の意志とは関係なく、みんなにもう会えなくなっちゃうから!
だから!や ら な い ん だ !!(力強い大声)」
藤原基央必死の静止にも関わらず、一度巻き怒った拍手はもう止まらない。藤くんが一瞬見せた隙きを逃してなるものかと、会場中が一致団結して鳴り止むことのない拍手を響かせる。
「もう…じゃあ別の曲歌えばいいか。(ギター手にとって構える)あ、これアコギか。俺持ってんのアコギだわ。アコギで何歌うんだろうね俺(笑)」とうとう根気負けした藤くんがギターを手にとり、我々大阪会場が勝利を手にした。Wアンコールを手に入れた。
手にしたのがアコギと気づかないほど追い込んでしまってごめんね藤くん。だけどこんな最高なライブをした上で、さらに我々リスナーに付け入る隙きを見せた君が悪いんだよ。
何歌おうかと悩む藤くんに、会場中から曲名が飛び交う。少し逡巡すると藤くんはマイクをスタンドから外して、アカペラで歌いだした。
「簡単な〜ことな〜のに〜…手拍子もらっていい?ど〜して〜言えないんだろ〜…良いね」
要求した手拍子に満足すると、そのままアカペラで歌唱を続ける。メンバーも舞台袖から出てきて演奏に加わる。ヒロもバッチリ、すぐに演奏を始めた。
藤くんはマイクをスタンドから外してハンドマイクスタイル。しかし、スタンドマイクを外しているため、ケーブルがぴーんとなってしまう。スタッフが駆け寄りスタンドに巻き付いたケーブルを整理しても、新世界やSOUVENIRのようには動き回れない。それでも花道の入り口付近で、右側に、左側に歩き、少しでも近い距離で、客席に歌詞を届けるように歌う。
曲の中盤くらいで「ありがとう、手拍子嬉しいぜ」と感謝の言葉もくれた。
「花の名」は歌詞変え曲の代表選手の一つであり、この日も、もはや別曲か?と思うほどアレンジされた歌唱であったが「歌う力を借りたから 残さないように返さなきゃ」と、これまで聞いたことのない歌詞変えがなされていた。
「あなたにだけ伝える唄がある あなたとだけ作れる唄がある」は前もあったと思うがどうだろうか。
情緒たっぷりに、リスナーの手拍子付きという特別な「花の名」を歌い上げると再びメンバーは退場。マイクをスタンドに戻した藤くんが、少し言い澱みながら、話し始める。
「これまでずっと思ってきたんだけど、言えずにいたことを言うね。27年やってきて、俺は、君たちの手拍子が嫌だなんて思ったことは一度もない。確かに手拍子を止めさせたことはある。リアルに七回くらい!だけど、嫌だなんて思ったことは本当に一度もなくて、君たちが手拍子してくれたり、いぇーいとか応えてくれたり、つい歌っちゃったりとか、そういうのを嫌だと思ったことは本当に一度もないんだ。他の人に迷惑かけたりとかそういうのは一旦置いといてね。ただ昔の俺はうまく言えなくて、自分の気持ちをちゃんと言語化することができなくて、怒ってるって思われたかもしれない。実際にそういう風に言っちゃったのかも。だけど、ライブハウスでやっていた頃から、この場を君たちと一緒に作り上げてるって感覚が嬉しかったし、大切にしていて。だから、本当に嫌だとか思ったことはないんだ。ただ、ずっとこれは思ってた…。うまく言語化できなかったけど、27年やってきて、今なら言える。
裏拍で頼む。
できれば裏表拍だともっと良い。気持ちよく歌いたいんだ。表拍は歌いにくい…。小さく震える手にはマッチ〜(手拍子パンパン)…な?これじゃ気持ち良く歌えないんだよ。昔の俺はそれがうまく言語化できなくて、間違った風に伝えてしまっていた。けど、今ならちゃんと伝えられる。裏拍が欲しい。小さく震える手にはマッチ〜(パンパン)これは違う…。歌おうと思っても(パンパン)これじゃ変な感じになるだろ?気持ち良く歌うために、裏拍で頼む。できれば全拍で頼む」
あの有名な、ランプの「学芸会じゃねぇんだよ」発言に関する、27年目の真実。
若い頃の発言をずっと気にしてきたんだね。おじさんになって、丸くなって、言える様になったんだね。若かりしあの日の藤くんの気持ちを代弁出来てよかったね。偉いね。
正直裏拍がなんなのかはさっぱり分からないけど、藤くんが気持ちよく歌えるように頑張って勉強するよ。できればそのままランプも歌ってくれると嬉しかったな…(笑)
「君たちの声が聴けて嬉しかった。ルールを守ってくれてありがとう。けどマスク苦しかっただろ。蒸れて痒かったりもしただろ。この後帰って、ホテルの部屋とか着いて、マスク外しても良い所になったら外して、思いっきり深呼吸してくれよな。そんで風呂入ったりシャワー浴びたりして暖かくして寝てくれよ。体調崩さないようにな。俺もそうするから。じゃあな、またね、おやすみ。」
ちょうど21時頃に終演。
毎公演必ず思うことだが、特に今回はメンバーのテンションが高く、お行儀の良い公演だった有明Day1と違いオラついていたこともあって、体感速度が一瞬すぎた。
だけれど、その分彼らも気持ちを力強くぶつけてきたので、公演が終わるととても満たされた気分になった。
むしろBUMP OF CHICKENの過剰摂取でなんだか胸が苦しく、痛いほどだった。
ツアー途中でWアンコールに遭遇し、藤くんが長年胸に抱えたものを僕らに吐露してくれて、致死量の藤原基央に曝されてしまった。
次の公演までに俺の中のBUMP OF CHICKEN濃度は薄まるだろうか。次のアスティとくしまはとても小さいハコだと聞いている。もしかしたら次こそ中毒死するかもしれん。覚悟を持って会いに行こう。
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