本の紹介36冊目 『マーケティング・ジャーニー』
今回私が紹介するのは、神田昌典さんの著書『マーケティング・ジャーニー』です。
これからの時代は、専門知識だけの人間は陳腐化し、マーケティング力を持った人材は、 商品・人・サービス等をプロデュースすることで永遠に社会に必要とされます。
本書は、力強く成長するビジネスモデルを構築するために必要な知識を学ぶことができます。
以下で著者についてと、本書で特に勉強になったポイントを紹介します。
【著者の神田昌典さんについて】
著者は大学3年次に外交官試験合格し、大学4年次より外務省経済局に勤務しました。
そこから、ニューヨーク大学経済学修士(MA)、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士(MBA)を取得します。
その後、米国家電メーカー日本代表を経て、経営コンサルタントになり、多数の成功企業やベストセラー作家を育成し、総合ビジネス誌では「日本一のマーケッター」に選出されています。
現在は、
・ビジネス書
・小説
・翻訳書などの執筆
・ミュージカル
・テレビ番組の企画など
多岐にわたる創作活動を行いながら、株式会社ALMACREATIONSの社主を務めています。
【第2章 : 圧倒的に勝利する、隙間を探す決意】
ここでは、ベッドのないビジネスホテルとして、「地方都市にありながら92%の稼働率」を誇る、埼玉県幸手市にある「ホテルグリーンコア」を紹介しています。
このホテルには「ベッドがない」ので、フローリングの床の真ん中に、掘りごたつ式の机があるだけ。
眠くなれば机を片付けて、掘りごたつの床を埋め、布団を敷くというスタイルです。
そうすることで、
・複数人で出張するビジネスパーソン(宿泊、部屋で飲み会など)
・地域住民がお昼に利用する(昼間に地域のママ会など)
これにより、昼と夜の二部作ができるので、高稼働率を達成できるようになりました。
この事業は、
「全国チェーンと勝負するにはどうしたらよいか」という発想から「ベッドをなくす」という一つの挑戦であり、
「常に覆すべき業界常識はないか?」
を考える大切さを学びました。
【第3章 : 顧客の痛みを感じなければ、道は閉ざされる】
本書では、
「顧客の要請に応えることを意識するあまり、戦略的ではなく無意識に商品ラインナップを増やしてしまい収益性が下がっている。」
と語られています。
そこで、
「お客が持つ痛みとは何か?」
を徹底的に顧客に向き合って考え、絞り出すことが大切だといいます。
ここでは、乳製プレマ株式会社の中川さんの「乳製品を一切使わないミルクのジェラード」を紹介しています。
これは、牛乳などのアレルギーを持つお子さんが
「美味しいデザートを食べたくても食べられない」
というのを、顧客から何度も聞いていたことがきっかけでした。
そこで、
・牛乳や生クリームなどの動物性素材
・合成フレーバー
・食品添加物を一切使わない
などを心がけて、開発を続けました。
この努力が実り、2018年にはイタリアで開催された世界最大、最難関の国際ジェラードコンテスト2部問で受賞を果たしました。
中川さんのように、すべてを捨てたとしても、「顧客のために残したい一つの商品は何か?」
を考えることが大切だと学びました。
【最後に】
本書ではここで紹介した以外にも、
・尊敬できる人の視点を使い、未来から逆算する
・辛い「労働」が、「娯楽」になる時代
・1本の電話がビジネスの成否を決める
・スターを作り出すために、会社と顧客が協力関係を結ぶ
・成約率よりも「Kファクター(既存客が紹介してくれた客がどれだけ成約に結びついたか)」
など、令和時代で活躍するマーケターになるために必要な知識を学ぶことができます。
ぜひ読んでみてはいかがでしょうか!