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【読書感想】一緒に暮らして教えてもらったこと。:石黒由紀子『猫は、うれしかったことしか覚えていない』

この本との出会い ミロコマチコ氏が描いたカラフルな猫たちが画面いっぱいを埋め尽くす装画が特徴的で、これが平置きになっていると目に留まるのですが、まさしくどこかの書店員が仕掛けたこの罠に嵌って手に取ったのがきっかけです。 ただ、タイトル自体もなんとなく聞いたことのあるものでしたので、購入に至りました。 こんな本!あらすじ(内容) さて本の内容ですが、ショートエッセー集になりますので「あらすじ」というものは存在しません。 冒頭で著者である石黒氏の飼う先輩犬「センパイ」と後か

    • 【読書感想】”愛すべき”バカな店長が再び戻ってきた!:早見和真「新! 店長がバカすぎて」

      ⭐︎本レビューが「谷原効果」を産まないことを祈る。待望の続編2020年本屋大賞にノミネートをされた同作(シリーズ?)の1冊目、「店長がバカすぎて」。私が当時読んでから2年半ほど経ちます。書店で購入するときにあらすじをざっくり見て「大賞取れるんじゃないか?」と思って購入して、まぁその時は惜しくも大賞は別の著者の作品だったわけですが、面白かったので何度か読み返し、文庫化されたときにもそれを購入しました。「谷原効果」という言葉は、すっかり自分の中に定着して、仲間内でもたまに使います

      • 【読書感想】在プラハ・ソヴィエト学校で出会った3人の少女とのやり取りを回想したノンフィクション・エッセイ:米原万里「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」

        最初に言明しておきますが読み手側にどのように捉えられるのか非常に心配なので、あらかじめ2点示しておきます。 まず最初に ・SPY-FAMILYのアーニャは関係ない ということ。そして、 ・作品を読んでも、共産主義的(あるいは社会主義的)思想に傾倒することはない ・私自身、共産主義者でも社会主義者でも、それらを礼讃する立場ではない つまり、 ・小記事はいかなるイデオロギーとも無縁である ということを言明しておきます。 今年、出会うべくして出会った今年2022年春に発表された本

        • 【読書感想】戦国時代の石垣に命を懸けた職人を描いたアツいお仕事モノ:今村翔吾『塞王の楯』

          この本との出会い 毎年2回発表される大衆向けの長編小説(または短篇集)を対象にした直木賞(直樹三十五賞)の、2021年下期の受賞作品である今村翔吾『塞王の楯』-集英社 が出版されてほぼ丸1年経ってようやく、積読の山から切り崩して読了に漕ぎ着ける(というと、それがまるで苦行であるかのようにも聞こえますがそんなこともなく)ことができました。 書店のいわゆる「特設ブース」に積んであった著者サイン本を手にとったことがきっかけで、そのままかなり長いこと放置したままだったのですが、読み

        • 【読書感想】一緒に暮らして教えてもらったこと。:石黒由紀子『猫は、うれしかったことしか覚えていない』

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