ひとり貿易のリスクについて話してみた件
こんにちは!元公務員・貿易家の谷本です。
今回は「ひとり貿易(物販)のリスク」について書いていこうと思います。
私は今年の4月に警察官から貿易家に本格転身し、縁あって今日までに3つの商品に恵まれました。
現在はそのうち、1個の商品を本格的に全国の店舗や卸会社に卸しています。
これらプロジェクトを進める中で、私がリスクだなと感じたことが以下の3つです。
①利益計算
②サポーターへの対応
③キャッシュフロー
「①利益計算」については、輸入する上で事前にきちんと計算しておくべき国際送料や国内送料、関税に加えてクラウドファンディング終了後に発生しうるコスト計算等について触れています。
「②サポーターへの対応」はクラウドファンディングを行う上で特に大切なことなので、今回取り上げさせていただきました。
通常の購入とは違い、クラウドファンディングのサポーターはいわば販売者である私たちに「先行投資」をしてくれていますので、実行者である私たちの対応次第で商品のブランド価値が決まるといっても過言ではありません。
また、真摯に対応することで、予想外の得をした経験もあるので、そのあたりをお話できればなと思います。
「③キャッシュフロー」は今、まさに自分が直面している問題で、ここは一番声を大にして言いたいことです。
商品が売れ、反響が大きくなればなるほど、企業や小売店から多くのオファーが舞い込んできます。
その時に問題になるのがキャッシュフローですね。
今、まさに私は、商品は売れ、注文もたくさん入ってるのに手元に全然現金がないみたいな状態です。www
そのあたりの経験談をご紹介できればなと思っています。
この3つに関しては、これから貿易家として歩み始める方は必ず直面するであろう問題だと思うので、私の経験が少しでも参考になれば幸いです。
①利益計算
1つ目は利益計算。
私は昔から本当に数字が苦手で、この手の細かい利益計算は、エクセルとにらめっこするだけで何時間も過ぎる時もあります。
でもこの緻密な計算は本当に大切で、いざ商品を輸入してみたら「思ったより利益が出ない」「送料、関税の計算方法が間違っていた」となると、後々苦労するのは自分なので、ここはしっかりと計算しておきましょう。
特にドル、ユーロは最近、変動が激しいのであらかじめ+5〜8円くらい多く見積もっていた方が安心です。
また国際・国内送料に関しても、事前にフォワーダーや配送会社に見積もりを依頼して、出してもらった金額よりも少し高めで利益計算しておいたほうが無難です。
また、忘れがちなのがMakuake終了後の返品・交換対応にかかる費用の計算です。
事前にメーカー側には不良品率などを聞いておくことはもちろんですが、実際にはそれを超えてくる可能性があります。(実際に私が初めて扱った商品は不良品が予想よりも多かったです)
特に商品に不具合があった場合、その程度にもよるので一概には言えませんが多くの場合、販売元である私たちが返品にかかる返送料や新しい商品を送るための再送料を負担しなければいけません。
そのあたりのリスクも事前に考慮しておいた上で、利益計算を行ったほうがいいなと感じました。(返品がなかったらお得な気持ちになります)
冒頭でも書いたとおり、私は数字管理が死ぬほど嫌いだし、苦手です。
ただ、ひとり貿易塾に入っていただいた利益計算表がとにかく優秀すぎて、たぶんこれがなかったら死んでました。www
数字管理は本当に大切です。
②サポーターへの対応
2つ目はサポーター対応です。
プロジェクトの反響があればあるほど、それだけサポーターからの質問や苦情も多くなります。
特に配送遅延などが予想される場合は、早め早めの活動レポート更新をオススメします。
中には活動レポートをまったく見ていない人もいるので、そういうサポーターからの問い合わせに対しても真摯に対応しましょう。
特にリターン配送後最初の1週間が一番問い合わせが多く、商品の故障や箱潰れなどによるご報告もいただきます。
その際も商品や箱の損傷状況について可能な限り「メーカーと再発防止のための検討資料にします」と言って、写真を送ってもらうようにしましょう。
また、リターンの受け取り拒否や長期不在、住所間違いなどで商品がサポーターの皆様に届かない場合もけっこうありますので、リターン配送前に必ず活動レポート等で配送先住所の確認をするようにしましょう。
実は私がやったとあるプロジェクトで、外箱の損傷がひどかった上に、誤った色の商品を送ってしまった案件がありました。
もちろんそのサポーターからはお怒りのメールと写真が送られてきたので、すぐに謝罪をし、新しい商品と一緒に直筆の手紙を添えてその日のうちに発送しました。
するとそのサポーターから「迅速な対応に、直筆のお手紙までいただき感動しました。これからも応援してます」とメールをいただきました。
さらにその方がInstagramで私の商品を紹介してくれたおかげで、Instagram経由で数件、購入希望のDMまでいただくことができました。
アフターサポートって大変なこともありますが、真摯に対応することで、こうした思わぬ「得」を生むこともあるので、あなどるべからず。
③キャッシュフロー
3つ目はキャッシュフローについてです。これは私が一番伝えたいことであり、現在、私自身が現在進行形で苦しんでいることです。
このクラウドファンディングを使った無在庫輸入ビジネスは、特に資金面で限りなくリスクが低く、物販初心者でも安心して始めることができます。
ただしそれは、クラウドファンディング終了時までで、その後の一般販売では在庫を抱えての販売、あるいは卸となるので、それなりにリスクは伴ってきます。
私の経験をもとにお話させていただくと、私が扱わせていただいた台湾メーカーの除湿石は、貿易家人生初の1000万円を超えるプロジェクトとなりました。
その後、東京ギフトショーでも多くのバイヤー様からお話をいただき、ギフトショーに備えて仕入れていた在庫500個あまりが、一瞬にしてなくなりました。私自身、この事実にすごく喜び、メーカーのほうに急いで再発注をかけることになったのです。
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ところが、本商品のMOQ(最低発注数)が1000個からで、1回の発注で数百万円のお金が手元からなくなってしまいました。Makuakeでの利益分はほぼほぼ仕入れに充てるしかなかったのです。
それでも小売店や卸会社から予約注文が相次いでいたので、仕入れればある程度資金が回収できるとはいえ、多くの会社が月末締めの翌月末払いのため、代金を回収できるのは当分先。
そうこうしている間(忘れた頃)にMakuakeリターン品の国際送料、関税、国内送料の請求書が届き、もうパニック(笑)。
なんとか自己資金を充ててやりくりしたものの、毎日冷や汗の連続です。商品が売れれば売れるほど、大量発注をしなければならないので、キャッシュフローは特に考えながらビジネスを進めていくことをオススメします。
私はというと慌てて銀行に融資を申請しましたが、仮に審査が通ったとしても入金はまだまだ先なので、引き続きキャッシュフローには手を焼きそうです。
さいごに
以上、長々と物販ビジネスのリスクについて書きましたが、こう書いてみると当たり前ですがリスクって全部、事前準備をしっかりすれば防げるものばかりですよね。
ネット上では稼げる物販ビジネスの話ばかりがクローズアップされがちですが、こうした実際にリスクと向き合った人の「生の声」は自分で書いておきながら大切だなと思いました。
そういった意味で「ひとり貿易塾」に入って、仲間たちから失敗談を聞かせてもらえることは本当に貴重ですし、聞けば誰かがアドバイスをくれる環境は大切だなと思いました。
何事もリスクはつきものですが、そのリスクを恐れて何もしないのもまたリスクです。起こりうるリスクをしっかりと認識し、準備をしていれば何も恐れることはないので、ぜひ「ひとり貿易」にチャレンジしてみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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