社長と社員をつなぐ”ことば”という魔法【第1話】
こんにちは!たくやです。
経営者ののパフォーマンスを上げるパーソナルコーチ、組織のパフォーマンスを上げるコーポレートコーチとして活動しております。
今回は先日、都内所在のとある企業に提供したコーポレートコーチングプログラムで感じた組織内での「共通言語」の大切さについて、『社長と社員をつなぐ”ことば”という魔法』と題し、全3回にわたって連載していきます。
「社長(社員)が何を考えているかわからない」
「最近、仕事が楽しくない」
「社内のコミュニケーションがうまくいっていない」
こんなふうに感じている経営者(リーダー層)に向けて書きました。
「こうやったらうまくいくよ」というようなノウハウやハウツーではなく、実際にプログラムを通じて目の前で起こった出来事やクライアント様からの生の声を集めてまとめたものです。
組織における「人」に関する悩みを抱える経営者様にとって、なにか解決の糸口となれれば幸いです。
社員が自立できない
きっかけは私のパーソナルコーチングを受けているクライアント様がセッションで打ち明けてくださった「社員がなかなか自立できないんです」という悩みでした。
もともとは経営者としての軸や新たな目標(ゴール)を設定したいというクライアントのご要望から始まったコーチング。
セッションを通じ経営者として自身の使命について「人(女性)を育むこと」であることに気づいた矢先に、クライアントから
「このセッションをうちの会社でもやっていただけませんか?」
というリクエストをいただいたことがきっかけで、コーポレートコーチングを提供させていただくことになりました。
クライアント企業は法人設立3年以内で社員数は2名のスタートアップ企業ですが、年商が億に迫っている急成長中の会社でした。
クライアントが当初抱えていた悩みは以下のとおり。
ヒアリングを通じて課題の本質が
・社内コミュニケーションがうまくいっていないこと
・その結果、社長と社員それぞれ想いが伝わらず、同じ方向を向いて仕事ができていないこと
にあるのではないかと仮説を立て、組織の共通言語となる
・パーパス(組織の存在理由)
・ミッション(組織が目指すゴール、目的地)
・コア・バリュー(組織の価値観や行動指針)
について、社長ひとりで考えるのではなく、社員と一緒になって作り上げるプログラムを提供することにしました。
「本音がわからない」は社員も同じ気持ち
実際にコーポレートコーチングプログラムを提供してわかったのですが、社長にとって「社員の本音がわからない」というのは、社員にとっても同じことだということ。
特に創業期の企業において、友人・知人同士での起業ではない場合、社長がどこを目指し、どんな価値観を大切にして経営をしているのかをきちんと伝えられないまま事業を行なっているパターンが多いのではないかと感じました。
もちろん創業期はスピード感を持って事業を進めていくことがもっとも大切であることに異論はないのですが、「会社」という同じ船に乗ってる社員としては「どの目的地に向かって何のために進む船なのか?」はとても大切なことです。
そこを明確にしないまま「とりあえず同じ船に乗って欲しい」はある意味でものすごく無責任なことかもしれません。
さらには目的地が明確ではない船の上で、自分の強み・才能・役割を発揮するというのは社員にとってもすごく難しいこと。どんな動作行動が会社の役に立つことなのかが明確でなければ、自発的なアクションは生まれません。
これらを考えたときに、社長が「社員の本音がわからない」という以前に、社員にとっても「社長が何を考えているのかわからない」わけで、その本質を理解できていなければ、互いに疑心暗鬼になるのも無理はないのかなと感じました。
社員はみんな「力になりたい」と思っている
セッションの始めるにあたって、私から社長と社員の皆様に対して一番最初に問いかけたのは以下の2つ。
・社長の創業に至るストーリーやこれまでの苦悩、社員を採用したときの気持ちや今現在抱えている悩み
・社員の会社にジョインすることとなったきっかけや当時の気持ち、実際に働いてみて嬉しかったこと、幸せに感じたこと、うまくいかないと感じたこと、現在抱えている悩み
この問いに対して特に印象的だったのは、みんな「社長の、会社の力になりたい」と心から思っているということです。
創業間もないスタートアップ企業という環境に自ら飛び込んだ人たちなので、根底には「力になりたい」という情熱がありました。
ただそれをどうアウトプットすればいいのか。エネルギーだけが行き場を失い、彷徨っているだけなのだと感じました。
こちらは全セッション終了後に社員の方々にご協力いただいたアンケート内容の一部です。
会社の目的、行き先、行動指針が明確になっていないことで社員のエネルギーの行き場がなくなっている現状。そして、社長が社員に対して「わからない」と感じる気持ちは、社員も同じなのだという事実。
普段なかなかオープンにできない、あるいはオープンにする機会をつくれていない組織において、こういったボタンの掛け違いから起こる互いへの疑いの気持ちは、知らず知らずの間に埋められない溝へと発展してしまうおそれがあります。
今回、手遅れになる前にこうして第三者(外部コンサルタントなど)を交えて「本音」をぶつけ合ったことは、クライアント企業にとって今後の飛躍に欠かせないイベントだったのではないかと感じました。
想いや考えは”ことば”にしてはじめて伝わる。
セッションの導入部分でこの本質を身をもって全員が体感できたことで、その後のプログラムが非常にスムーズに進みました。
次はいよいよ『人と人、人と組織をつなぐ”ことば”』となるパーパス、ミッション、コア・バリューの設計に入っていきます。
ここで大切なのは
「なぜこの会社は世の中に存在するのか?」
「会社が存在しなければ、世の中はどんな価値を失うのか?」
「私たちの存在意義はなんなのだろうか?」
という問いの解となるパーパス(Purpose)の言語化。
〜第2話につづく〜
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