VOL.4「15分でわかる社会起業の第一歩!地域大学院開校レシピ」
2-3 第2回目
参加者は大幅に増えて14人です。1日目にも来てくれた方は4名でしたので、新規10名の参加です。前回の確信もあり、自信をもって人に勧めることができた成果かと思います。
コロナ禍で区の施設の利用人数制限があり、会議室の満員人数は20名程度でしたので、スタッフの人数3名を加えるとほぼ満員でした。
参加者の属性もさまざまとなり、なんと20歳の一橋大学現役学生も参加してくださいました。彼は社会循環の事業として、元々は廃品でもある和歌山県の梅を生産する際にでる梅酢を有効にビジネスとして再活用できる方法を模索しているそうです。
学生さんは知人の息子さんの繋がりで会に参加していただきましたが、参加した商店街の中華料理店のオーナーからも無農薬で、地球にも優しい素材として、強い興味を持っていただきました。こんな出会いがあるなんて私も目頭が熱くなるとても良い経験となりました。やって良かったと苦労が報われる瞬間です。こんなことが地域活動の醍醐味かも知れません。
講義は、「お金の秘密パート2」と「自分の強みを見つけよう(ビックファイブテスト)」にしました。できるだけ参加型(参加者の発言量が多くなる)になるように、知識発信だけでなく、参加型のワークショップの要素と、他の参加者の方々とのつながりをもてるように知恵を絞りました。
ビックファイブテスト(検索するとすぐに説明などがでてきます)を実際にQRコードを介して参加者自身のスマホで実施してもらい、自分の潜在的な特性などを把握してもらいました。日本では昔から血液型診断、運命占いなど潜在的な自分のことを知る診断などはとても人気があるので、やはり狙い通り好評でした。
ちなみに性格の50%は遺伝で決まっているそうです。
それぞれどんな特性にもメリットとディメリットがあり、そのことを知ることで、例えばマイナスな影響を未然に防ぐことができ、メリットも行き過ぎればディメリットになるという非常に含蓄に富んだクラスでした。
なぜこの講義を2回目に選んだかというと、今回は“生徒役”のみなさまを、次回以降には“講師役”の方へと誘うヒントのためのクラスでした。
クラスの中では最終的に、「ネタだしマトリクス」というツール(ネットで検索してみてください)を使い、自分の持っているスキルや技術、資産をどのように市場のニーズ化をしていくのかなどのワークを行いました。
例えば、自転車屋さんは、マニア向けのモノ販売だと、「ビンテージ自転車の販売」、スキル販売だと、「在庫をもたない修理専門の自転車屋さん」など発想を広げるフレームワークとしては非常に良いツールです。今は政府をあげての「副業」などの推進もあり、みなさまの関心もさらに惹ける内容だと思います。
開催後のアンケートでの「どんなテーマが今後聞きたいのか」の質問は、
1位:お金、健康 2位:IT、ヨガ、介護などがございました。
予測はできましたが、やはり上記は強いコンテンツなのだと感じ、参考にさせていただきました。
2-4 第3回目
(生徒から講師初デビュー)
参加者はさらに増えて16名となりました。今回の大きな変化は2つございます。
1つは、全く私の知人の繋がりではなく、新宿区の社会福祉協議会のご紹介で地元に住む新しいママさんが3歳児を連れてご参加いただきました。
この方も地域に引っ越しをしてきて、地元にもともと地縁があるわけではないのですが、子育てに悩むママさんたちの憩いの場を設けたいと活動をなさっている方でございました。
もう1つは、元々の創設メンバー以外からの初めての講師役になります。つまり地元に住み、はじめは生徒としてご参加していただいた方から、講義をしていただきました。
我々の大学院の根っこにあるコンセプトは、「誰でも講師、誰でも生徒」ということで、どなたでも人に伝えられる何かがあるということでスタートしました。
とはいえ、やはり急に講師を任されたとしても、当然すぐに誰でもできるものではございませんので、まずは会を設立したメンバーで(背中を見せる意味でも)、2回実施、会の様子を確認していただいた上で、はじめて講師デビューしてもらうことにしております。
新しい講師の方とは事前の打ち合わせをさせていただきましたが、基本的には、「聞きたいもの」というよりは、「自分で講師の方が今話したいこと」を優先して話していただきました。またPCでパワーポイントを使ったことがないということなので、使い慣れたLINEでテキスト化していただき、私が発表用に少しイラストを入れながら、パワーポイントを加工しました。
また少し本人には恥ずかしいかも知れませんが、“自分の今までのヒストリー”を少し思い出していただき、皆さんの前で簡単にその紹介をしていただくことをお願いいたしました。
私がそのようにお願いしたのには重要な理由がございます。
(Know WHO)
ノウハウではなく、“ノウフウ”にこだわります。
「何を話すのか」ではなく、「誰が話すのか」が重要ではないかと感じていたからです。
私が元々社会人として、仕事を上司からしつけられていたときには、よく上司から「誰が言っているのかではなく、何を言っているのかを大切にしなさい」と教わってきました。それは、忖度や日本的なある種の縦社会への警告でした。(自分が正しいと思いことを誰が言っているかではなく、自分自身で見極めなさいという意味でした)。
ただ歳を重ねるにつれて、またITを通じて情報へのアプローチが著しく安易になり、誰にも同質の情報が溢れている環境においては、わたくしは、「何を言っているのか」ではなく、「誰が言っているのか」が重要なのではないかと強く感じております。
検索窓に“コトバ”を入れれば、誰でも無料で同じ品質の情報を手に入れられる状況です。もはやノウハウではなく、「Know WHO」の方がより差別化された価値をもたらすのではないでしょうか。
また、非常に嬉しかったことに、この講師役を受け、過去の自分のヒストリーを改めて振り返ることによって、自分の人生、今の必然に気づくことができたとの感想を受けました。
転職をコロコロとしている方は別ですが、自分の人生を小学校時代などから振り返る機会は意外に少ないかも知れません。引き受けて下さった講師の方にも“気づき”を得る機会になったことは本当にかけがえのない体験でございます。
次回の配信は、1/31(月)を予定しております!