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LOG ENTRY: SOL 8

ところでこのSOL XX、就職XX日目ってことです。記事の番号ではありません。4〜6日目は、特に書くこともなかったので書いてません。今後段々慣れてきて目新しいことが起きなくなってくると、当然ペースは落ちると思いますので悪しからず。誰も期待してねーか。

 今日のロサンゼルスは珍しく雨。同僚が4ヶ月ぶりだとか言ってた。以前にも何度も滞在したことのあるロサンゼルスだが、一度も雨に降られたことはなかった。近々車を買ったら、ワイパーを取り外してネットオークションで売ろうかと思っていたのに。雨、降るのね。

 午前中は、相変わらず火星ローバーの勉強と諸々の事務処理。そして昼前に小野と同僚A.N.とミーティング。小野が書いたプログラムの説明を聞くなど。それにしてもMIT時代には、同じ航空宇宙といえど小野とは畑が違うので、一緒に仕事をすることなど6年間一度もなかったのが、今こうして仕事で会っているという不思議。小野自身も、A.N.が連れてくる人間が僕だと知って驚いたようだ。ごまんといる職員、ごまんとあるプロジェクトの中で、何という巡り合わせだろう。

 そのまま流れで3人でランチに行くことに。そこで、紛らわしい名前の話になった。A.N.はアメリカのある大都市と同じ名前なので、絶対その街に住みたくない、と言っていた。誰かが街の話をするたびに振り向かなくてはいけなくなる。また、僕のMIT時代の同僚で来月からJPLに来るS.D.は、彼の生まれ育った街と同じ名前なのだ。親は何を考えてそう名付けたのだろう。自己紹介のときにいつも軽い笑いが起きてたっけ。つかみのネタにはなるか。

 あと、日本人の名前で英語圏に来て苦労するのは、AiとかYuとか。「I am Yu.」と言うと、アメリカ人は混乱するだろう。ちょっと賢い人なら「これは何か哲学的なことを言おうとしてる??」と思うかもしれない。それから、同僚にShiという名前の女性がいるらしい。男じゃなかったのがせめてもの救い。「Shi is a man.」と言うと、ここはジェンダーに敏感なアメリカ、一瞬緊張が走るだろう。

 午後は、ちょっくら学会をのぞきに、ロングビーチまで車を走らせること約1時間。MIT時代の研究室の後輩たちが来るというので会いに行った。今は別の大学で先生をやっている後輩の一人K.H.が、自分の学生を連れてきて、プレゼンさせて、質疑応答でめっちゃフォローして(むしろお前がプレゼンターかよって勢いで)立派に先生やってた。内容は、僕やK.H.がやった研究をさらに発展させるもの。いいね。K.H.は超優秀なので、きっとうまくやるでしょう。

その後、K.H.と研究室の現役学生と3人でカフェに入り、僕らが書いたプログラムについてあれこれ教えるなど。僕とK.H.が学生時代、ずーっとボスからやれと言われてたのに、ついぞやらずに去ってしまった仕事を、彼が今やってくれているのだ。そういう意味で、今日はそのツケを払わされた格好。何の因果かその学生、ボスと同じファーストネームっていうね。紛らわしいなオイ。

 帰りは、時間を少し遅らせたことで、渋滞に合わずに帰ってこれた。約40分。さて、カレーでも作って食うか。レトルトの。

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