【考古学】水に焼け石
ヒトは火を使うことで調理をする技術を獲得したと考えられています。
旧石器時代に石を使った調理法は3通りで、焼き(グリル)・蒸し・茹で(ボイル)があまりました。
グリル:加熱した石に肉などをのせて焼く調理です。
蒸し:加熱した石に葉で包んだ肉をのせ、土や大量の葉っぱをかけて蒸し焼きにする調理です。
ボイル:水のなかに加熱した石を入れて沸騰させ食材をゆでる調理です。
このようにヒトは石を加熱して調理に利用しました。
この焼け石は旧石器時代の遺跡からたくさん発見され、旧石器人が火を使って調理を行った証拠と考えられています。
一方で遺跡から出土した焼け石がどのような調理に利用された焼け石なのか、これは意外とわかっていません。
話を少し変えてみましょう。
危ないからやってはいけないと言われたバーベキューでの「焼け石に水」ですが、なぜ小石に水をかけると弾けてしまうのでしょうか?
焼け石に水をかけると、急激な温度変化によって熱衝撃と呼ばれる強い力が生まれます。
この力が石を破壊し、破片がはじけ飛んでしまいます。
注目ポイントは急激な温度変化で、グリルや蒸し調理では急激な温度変化が生まれません。
一方、水に焼け石を投入するボイル調理では急激な温度変化が生まれ、石が複雑に破壊されると考えられます。
この割れ目の複雑さを評価することで、焼け石の用途がボイルなのか、ボイル以外(グリル or 蒸し)なのかを判定できるかもしれません。
当然、石の種類によって割れ方が変わってくると思いますので、水に焼け石でいろんな石を割ってみる実験が必要です。
今回はここまでです。
次回は焼け石実験と割れ面の評価方法についてお話したいと思います。
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