10年前の記憶をたどる
小学生だった頃を振り返って
小3のとき、初めてテレビで「もののけ姫」を見て、すごく感化されたのを覚えている。10年以上も前のことだから、何に感化されたのかは詳細に思い出せない。でも、社会性を帯びたテーマといい、映像や音楽の壮大さといい、不思議さといい、とにかく「もののけ姫」の圧倒的世界観にグッと引き込まれた瞬間があった。
それから、金曜ロードショーやTSUTAYAで借りたDVDで、「千と千尋の神隠し」や「ハウルの動く城」「となりのトトロ」など、ジブリの代表作を立て続けに見た。2009年から2010年くらいの出来事だったと思う。
気が付けば僕は「ジブリ作品」にのめり込んでいた。
10年以上経った今でも、当時覚えたセリフを口ずさめるほど。
そなたの中には夜叉がいる。この娘の中にもだ。
皆見ろ!これが身の内に巣食う憎しみと恨みの姿だ。
肉を腐らせ、死を呼び寄せる呪いだ!
これ以上、憎しみに身を委ねるな!
ー アシタカ『もののけ姫』より
モロ「辛いか?そこから飛び降りれば簡単にケリがつくぞ。
体力が戻ればアザも暴れだす。」
アシタカ「私は何日も眠っていたようだが、夢現にあの子の世話になったのを覚えている。」
モロ「お前が一声でもうめき声を上げれば、噛み殺してやったものを。惜しいことをした。」・・・(続く)
ー モロとアシタカ『もののけ姫』より
今これを書いていても、不思議なくらいスラスラ出てきた(笑)
次第に、ジブリ作品そのものだけではなく、宮﨑駿監督の特集や映画制作の密着など、「制作側」にも興味を示すようになった。自分もこんな作品を作ってみたいと思うようになった。
小4くらいから自分で小説を書くようになった。小説を書いては、クラスメイトや親や児童館の先生に読んでもらう。それがすごく楽しかった。まるで、映像と音だけが欠けた映画の監督にでもなったかのような、勝手にイイ気分になっていた(笑)。そしてまた、その小説のストーリーも、ジブリ作品に感化されたものが多かった。「人間と自然」や「過去と現在」をよくテーマにしていた。
小6になった僕は、サンタさんから任天堂3DSをもらった。そこに内蔵?されていた「動くメモ帳」というソフトを使って、自分なりにパラパラ漫画を作って音を入れて遊んでいた。弟や友達に見せたりもした。自分の頭の中にあった映像が、目の前の人に共有されていること自体が嬉しかったんだと思う。
小6の時、「将来の夢」のポスターに、「僕の夢は、子どもたちをワクワクさせるアニメの映画監督になることです」と力強く書いたのを覚えている。
10年前の僕へ
10年前の僕へ
よっ!10年後のたくとです。
ジブリ作品に感化され、あれだけ映画監督を夢見ていた少年時代から、
いつのまにか10年が経過しました。
大学2年生になった僕は、もはやアニメの映画監督は目指してません。
ヒイヒイ言いながらプログラミングや統計学を勉強し、
宇多田ヒカルに熱中し、シンガーソングライターに憧れ、
それなりに辛いときには頼れる仲間に囲まれながら、今を過ごしています。
将来の夢はまだ考えている途中です。
だけど、今の君のように、誰かをワクワクさせたり笑顔にさせるような、
何かを「制作」する仕事がしたいなぁなんて、漠然と考えています。
しんどい時もあるし、どうしようもなく自分が嫌いになる時もあるけれど、すごくすごく恵まれています。生きていて良かったです。
夢見ることを忘れないでね。
自分が好きだと思うモノや人は、必ず大切にしてあげてね。
周りの人たちを大切にしながら、自分の信じた道をまっすぐ強く歩むんだよ。
10年後の僕より
ここまで書いて、自分が書いた文章があまりにエモくて泣けてきた...笑
バイト先の塾で教えてる小学生たち!今を精一杯楽しむんだぞ!笑
それから、よく父が「人生、これから楽しいこといっぱいあるぞ!」って言ってくるけど、父は自分の少年時代と今の僕を重ねているのかな、、なんて思ったり。
10年後の僕が、今の僕に書く手紙には何と書いてあるんだろう。
そんなことを考えていると、「今この瞬間」を精一杯生きようと思えてくる。まだ死ねない。