「サブスクリプション・マーケティング」 - サービス設計のポイント -
「サブスクリプション・マーケティング」を読んだので、内容をまとめておく。
マーケティングの焦点は点から線へ
サブスクリプション型のサービスによって、マーケティングのやり方が変わりつつある。
簡単にいうと、単発だったCVが定期的に発生するものに変わった。
サブスクリプション型以外では、ものを売ることに焦点が当たっていた。
つまり、売れてしまえばその顧客が商品に満足していようとしなかろうと、その売り上げ自体には関係がない。(もちろん、顧客が商品に満足しなければ、その商品が再度購入されることはないが。)
一方サブスクリプション型では、定期的に発生するサブスクリプションの更新に焦点を当てる必要がある。
つまり、顧客が提供されたサービスに満足すれば、サブスクリプションの契約は更新される。
そのため、企業にはユーザから継続的な収入を見込める。
逆に、顧客が提供されたサービスに満足しなければ、契約の更新はされない。
そのため、企業にはユーザからの収入がなくなる。
サービスに必要な5つのポイント
サービスに満足してもらい契約を更新してもらうためには、顧客が得る「有形・無形の価値の合計」が、サービスの更新コストを上回る必要がある。
そのために必要なのは以下の5つ
1. 満足感を得るのを助ける
2. 価値の実証
3. 価値の創造
4. 顧客との関係を通した価値の創造
5. 価値観の共有
1. 満足感を得るのを助ける
顧客がサービスに求めている、期待通りの価値を届けること。
そのためには、サービスを使い始める際に発生しうる障害を取り除き、サービスを使う習慣づくりを助けると効果的である。
2. 価値の実証
顧客がサービスを使用することで、価値を実現していることをそれとなく知らせること。
それによって価値の経験を強化する。
そのためには、以下のようなやり方がある。
1. 顧客のストーリーを共有する。(他の顧客のストーリーを知ることで、サービスに対しての客観的な価値を伝える。)
2. 数値を出して、顧客の実績を伝える。
3. 顧客の成功を祝う。(初めてサービスで価値を実現したら、それを祝う。)
3. 価値の創造
サービスが提供するコアの部分以外で、価値を提供することで、サービス自体の価値を高めること。
あくまでも宣伝としてではなく、顧客の生活に役に立つものを提供する。
そのためには、以下のようなやり方がある。
1. 顧客の役に立つコンテンツを作成する。(オウンドメディア、ポッドキャストなどを通じて)
2. 収集したデータを加工して提供する。(Lyftは最もユーザが訪れた目的地を表彰している)
3. コミュニティを作る。(ユーザの生活の価値を高める目的で人を結びつける。)
4. 顧客との関係を通した価値の創造
顧客との関係を育てていくこと。
そのためには、以下のようなやり方がある。
1. サービスのファンを見つけ、ファンがサービスのために効果的に活動できるように支援する。
2. 顧客と一緒に創造する(顧客からアドバイスやインプットを求めることで、企業と顧客が一緒にストーリーを紡いでいく)
3. 解約には快く応じ、戻ってきたら歓迎する。
5. 価値観の共有
顧客と価値観を共有することで、長期的な絆を結ぶこと。
そのためには、以下のようなやり方がある。
1. 使命・ビジョンを共有する。(サービスのビジョンをストーリーで共有する。)
2. ビジネスモデルに価値観を組み込む。(例えばTOMSは世界中の恵まれない子供達に靴を提供するというビジョンから始まりました。TOMSは靴の1足靴が売れるたびに、靴を1足贈ると決めています。)