実際に中国に渡航してみたこと(呟き)
前回のnoteに引き続き、自分が大学生訪中団として、初めて中国に行ったこと、そして感じたことについて考えたことを書きます。もちろん、中国に抱いた感想も書きますが、この国交のあり方などについても。
①まず4日間では、中国を感じることはできないという絶望感
今回の旅程では、4泊5日で中国にいったのですが、万里の長城や紫禁城など、「ザ・中国」と思われる中国の代表的な建築物を回ったり、大学で文化体験をしたりと、「とても楽しいもの」でした。
実際、この大学生訪中団には、大学生一人当たり50万円がかかっているとも言われており、ほぼVIPな対応を受けました。どこへ行くにも中国の観光バスと、日本語が話せるガイドさん。毎食提供される、豪華な中華料理、そしてきらびやかなホテルなど。中国政府の太っ腹さには感動しながら中国訪問を終えたのでした。
もちろん、自分では日本と中国の国交正常化・日中友好のため、中国の良い部分、当たり障りのない中国を大学生に見せ、日中の青少年が交流したという事実を作りましょう、という両政府の思惑であるということはわかっているのですが、自分の感想として、もっと「生々しい」中国について触れたかったと思いました。
生々しい中国とは、ここ30年の経済発展を遂げた経済大国といての中国、社会主義国であり共産党による一党独裁による中国、また日本を初め東アジア全体の文化の発祥の地となった中国などいろいろな側面から見ることであり、決して中国の観光だけで終わるものではないと感じています。
逆に日本を4泊5日の観光でわかるのかと言われれば、決してそうではありません。日本にしても、北は北海道、南は沖縄まで、生活習慣は別の国かと思われるほど変わっており、それをすべて「わかる」ことはできないでしょう。例え日本人であっても。
そのため、この訪中団で中国を全く知ることができなかった、と絶望している反面、これから学んでやろうという心持ちです。
②起業家風土の中国に驚嘆
この大学生訪中団に参加して、一番驚いたことがあります。それは、中国政府など公的機関のベンチャーに対する投資額です。
この訪中団では、北京市内のベンチャー向けのシェアオフィスを提供する会社に企業見学に行きました。その会社は、スタートアップにオフィスを提供する傍ら、将来有望な会社には、投資家として資金提供するというものです。
さて、その会社は創業7年目らしいのですが、創業初年度に5億元(80億円)を調達したそうです。また、驚くべきことに、その大半が中国政府と、北京市政府からであったということです。
私がいる東北大学にも、スタートアップガレージという、起業家支援を行っているところがあるのですが、そこは初年度に1000万円調達しただけでも「よくやった」となる感じで、自分もそれくらいがすごいのレベルなんだと勝手に思っていました。
そこに、中国の財政力の大きさを感じるとともに、日本の経済発展をになっていく若者に対して政府が財政的支援があまりできていないということに、強い危機感を感じました。
そのシェアオフィス提供を行う会社の創業者のお話を伺ったところ、なぜ起業したのか対して、「自分の能力を生かせるだけの企業がなかったから」だそうです。中国は、大学を卒業したとしても、大企業に就職できるかどうかはわからない厳しい就職世界です。そんな中で、企業という選択肢を選ぶ若者が増えているということは、さらにこれから中国のスタートアップ、ユニコーンが増えていくのではないでしょうか。
③国と国とのおつきあいについて
今回の大学生訪中団は日本を代表して行ったわけですが、国が隣国との関係をどれほど大事にするのかということについていやほど感じさせられました。
どこに行っても、大学の理事長や、北京市の友好協会の会長、国会議員など様々な人がこの訪中団で挨拶をしていました。また、大規模な友好を表すための集会であったり、それに多額の支出を行っているのを考えると、そこまでするのかというくらい、隣国を大事にしているなあと感じました。
友好協定が日本と中国の間で結ばれてから40年あまり。今年まで、そのような両国友好の努力がなされていることに、国交の重要性を改めて感じることとなりました。
日本と中国がそこまで友好関係を重要視するのは、歴史的にみてもその両国に軋轢が発生しやすい経済的・地理的な関係、そしてアメリカとの関係など様々な要因が絡まっており、私1大学生には謀りかねるものだとは思います。
悔しいです。
これら大きく3つのことを考えました。
来年から中国に留学します。今回の訪中団で学んだことを、現地で深めていくような留学にしたいと思いました。
読んでいただきありがとうございました。
夕陽に輝く紫禁城