【#12】退社した元社員のヨーロッパ1人旅<ローマ編①>
これは、拓匠開発に新卒で入社した社員(みほ)が会社を辞めて、2ヶ月間のヨーロッパ1人旅に出る壮大な(?)物語である。
みほは会社員時代に叩き込まれている(はず)の「拓匠力」を旅の中で活かし、人間として大きく成長することはできるのか?!
最初の記事はこちら↓
前回の記事はこちら↓
ローマでの約束
前回の記事で、ローマでは「ある人物」と会う約束をしている、と書きました。
きっとその人物が誰だか気になって眠れなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか(多分そんな人いない)。
可哀想なそんなあなたのために、その人物をもう言っちゃいますね。
その人物とは、、、
「工藤英之社長ご夫妻」です!!!
お2人は偶然私と同じタイミングでローマをご旅行なさっており、社長自らせっかくなら会おうよ!とお声がけくださり、超素敵なレストランをご予約してくださいました(涙)
お声がけくださったときは、もう言葉には言い表せないくらい、本当に嬉しかったです。
何がなんでもこの夕食(ローマ到着初日)に行きたい私は、友人に頼んでフライトを深夜到着から昼到着のものに変えていただき、準備万端でローマへ旅立ちました。
ドイツの頼りない電車をなんとか乗り継ぎ、無事に飛行機に搭乗。
機内ではイヤホンをつけて目を瞑り、極楽気分でフライトを楽しみました・・・・と言いたいところなのですが、それはもう機内がガッタガッタ揺れて、アトラクション状態でした。
グオ〜〜っと上に上がっていってはフワッと落ちてを繰り返し、タワー・オブ・テラーならぬプレーン・オブ・テラー状態です。
機内はざわめきと悲痛な叫び声が響き渡り、「この飛行機が墜落して私が死んだら何人の人が悲しんでくれるかナァ・・・」と考えずにはいられませんでした。
それからしばらくして、
「嵐のためローマには到着できません。ナポリに着きます。皆様のご理解をありがとうございます」と素っ気ないアナウンスがありました。
この放送を聞いた時は思わず、どこへでも嵐を呼ぶ男・工藤英之社長の顔が思い浮かんでしまいました(社長がいらっしゃるイベントではことごとく雨が降る。これ本当)。
ローマにも嵐を呼ぶなんて・・・(他責)と頭を抱えましたが、私にはどうすることもできません。ナポリには無事に着陸できることを祈るのみです。
しかしその後も飛行機はひたすら揺れ続け、ナポリにもスムーズには到着できず、何十分もの間上空をぐるぐると旋回を続けました。
みやは酔ってしまって辛そうだし、飛行機と蛇が何よりも怖いと言うマロンくんは怖さを通り越して悲しそうな顔で1点を見つめています。
私は逆に楽しくなってきてしまって、うおーーー怖いねぇ!!とか言いながら1人ジェットコースター気分を満喫しました。
なんとか無事にナポリに到着し、それから再びボロい飛行機でローマへ飛び立ち、ローマに到着したのは18:40(到着予定時刻の約4時間後)でした。
社長との約束時間は元々19:30でしたが、ご相談したところ全ての事情を寛大にご理解くださり、約束の予定を20時に変更してくださいました。
「旅は色々あって旅という。それも楽しめ!!」というメッセージまでいただき、焦ってトゲトゲする心に、優しさがしみました。
私は絶対に20時に間に合いたい焦りで、通りゆく全ての人間に対して苛立ちを感じながら、急いで市内行きの電車を探しました。
しかし、想像以上に電車のプラットフォームが遠い。
一回空港を出てエレベーターで地下に行って・・・と、なかなか辿りつきません。
結局乗りたかった電車に乗ることはできず、市内の中央駅(テルミニ駅)到着が20時10分になってしまいました。この時点でもう30分以上の遅刻が確定です。
はたまた社長は全ての事情をご理解くださり、「タクシー代を出すから、駅に到着したらタクシーに乗りな!」とおっしゃってくださいました。
私は有り難きそのお言葉に甘え、疲れ果てた友人らに別れを告げて、駅内をガンダッシュ。迷いながらもタクシー乗り場に辿りつきました。
しかし、タクシー乗り場を見て私は唖然としました。
混雑時のディズニーのスモーキーターキーレッグ売り場くらい、長い行列ができているのです(伝われ)。
・・・どうしよう。
社長ご夫妻のいらっしゃるレストランは車で10分、バスで30分、徒歩で40分の距離。
バスだと私の場合は迷って結局1時間かかる。走っていけば20分というところか。この列がスムーズに進むなら、タクシーで良いか?
ぐるぐるぐるぐる思考を巡らせ、タクシーかマラソンするかの2択に絞りましたが、社長が「知らない街だから、タクシーがいいよ」と仰ってくださったので、大人しくタクシーの列で順番が来るのを待ちました。
並びながら、私のウズウズとイライラは頂点に達していました。
私の心にはもう、1ミリの余裕も残っていません。
「全て自分に起こることは最善であり必然である」。
よく社長がおっしゃるこの言葉を呪文のように唱えつつも、タクシー列ではしゃぐ日本人を見て「だまれェェェこのクソォォォオオ」と叫びたくなったし、別に何も関係ないノロノロしている人を見るだけでド突きたくなりました。
しかも、あちらこちらからイタリア人の怒鳴り声や車のクラクションの音、パトカーの警音が聞こえてきて、私のイライラを逆立ててきます。
有名な遺跡がたくさんあるからって調子に乗って。もうローマなんて大っ嫌いです。
結局40分並んでようやく、タクシーに乗ることができ、レストランに無事に到着したのは21時40分でした。約束の時間より1時間40分遅れの大遅刻です。本来なら、私は首を吊って死ぬべきです。
しかし、罪深き私に対し社長と奥様は大変だったねと言って優しく迎えてくださり、出会えた瞬間は本当に救われた気持ちになりました。あれだけ爆発していたイライラはどこかへ行って、安心と喜びで心が満たされ、もう私は幸せの絶頂です。
お2人は「いいから食べな食べな〜!」と美味しそうすぎる料理をたっくさん、これでもかと差し出してくださりました。
絶品のイタリア料理と心休まるひととき
大きなモッツァレラチーズの乗った新鮮なサラダに、肉厚のローストビーフ。カゴに入っている、中はもちもちで外はバリバリのパン。濃厚で香り豊かなトリュフのパスタ。貧乏舌の私にもわかる、めちゃめちゃ美味しいワイン。
朝から素朴なパンしか食べていなかった私は、この豪華すぎる食事を口いっぱいに頬張りました。口にするもの全てが本当に美味しくて、心も体もギンギンに満たされていきます。
食事中、私たちはいろんなお話をしました。
その中で最も記憶に残ったのは、社長がある昔話中、奥様に対し「あん時は悪かったなあと思ってるよ」と謝罪を口にしたところ、奥様が「そんなの全然平気よ〜。もっと他に深い恨みがあるから」と笑顔で仰っていたことです。
社長に対してどんな恨みをお持ちなのか、気になって気になって仕方ありませんでしたが、口にするのはやめておきました。
食後にはローマといえばのスイーツ・ティラミスとエスプレッソまでご馳走になりました。もはやイタリアに思い残すことは何もありません。
お2人は明日の朝ローマを発つご予定で早起きせねばならないのに、私が食べ終える23時過ぎまで一緒にいてくださいました。
しかも帰りはタクシーに乗せてくださり、いつかは私もこんな余裕のあるカッコいい大人になれたらなあと心底思いました。
別れ際、社長の自撮りで3人の記念写真を撮りました。社長は自撮りのタイミングがいつも唐突なので、3人とも(シャッターを押した社長さえも)絶妙な顔をしていました。
社長、奥様、素敵すぎる幸せな時間を、本当に本当にありがとうございました!!!!!
〜旅の順路〜ブダペスト(ハンガリー)→ウィーン(オーストリア)→プラハ(チェコ)→ベルリン(ドイツ)→ハンブルク(ドイツ)→ローマ(イタリア)今ここ!→スペルロンガ(イタリア)→ハンブルク(ドイツ)→コペンハーゲン(デンマーク)→パリ(フランス)→コペンハーゲン(デンマーク)→ボーンホルム島(デンマーク)→ストックホルム(スウェーデン)→トゥールーズ(フランス)→リスボン(ポルトガル)
出発日:8/27(火)〜帰国予定日:10/14(月)
次の記事はこちら↓