NO.1 半月板に対するリハビリ
最初の記事は半月板です。リハビリの中では変形性膝関節症など身近に扱う事が部位かと思います。すり減っているなど、そういう視点で注目する事があるかと思いますが、今回は少し違った視点で捉えてみたいと思います。
こんな方におすすめ ~患者さんの主訴~
・膝が最後まで曲がらない、伸びない
・動いている時に膝がズレる感じがする
・寝返りの時に膝がズレる感じがして痛む
・体重がちゃんと乗らない感じがする 特に朝方や動き出しが不安
半月板の機能とリハビリ視点
一般的には…
大腿骨と脛骨の接合部の安定性
荷重分散
衝撃吸収
関節の保護
上記のような機能が取り上げられている事が多いかと思います。今回はこの中の「接合部の安定性」と「荷重分散」の二つの機能に対するリハビリテーションについてご紹介したいと思います。
HOOP機能を有する半月板
半月板には荷重ストレスに対して分散させるために放射状に拡がる特性を有しております。上記のような「hoop stress」に対して、柔軟に対応している組織が半月板の役割の一つとなっております。
HOOP機能低下による症状とその解釈
しかしながら、繰り返しの衝撃ストレスなどによって、この「HOOP機能」が低下してしまう事により、今回取り上げた患者さんの主訴が生じると考えております。
膝が最後まで曲がらない、伸びない
最終域での荷重ストレスに対して適切に放射状の分散が出来なくなることで跳ね返ってくるような終末抵抗感が生じる。
動いている時に膝がズレる感じがする
動いている時にHOOP機能が上手く生じない部位が存在する事で、その破綻側への動きが生じる時にズレる感覚がする(※ACLなどの損傷ない場合)。
寝返りの時に膝がズレる感じがして痛む
慢性的に放射状に拡がらなくなることにより、大腿骨と脛骨の間に距離が生じてしまい、それにより脛骨大腿関節の不安定が生じる事により、ズレを感じる。
体重がちゃんと乗らない感じがする 特に朝方や動き出しが不安
HOOP機能を有する半月板の粘稠度が高くなることによって、朝方や動き出しの際に脛骨上に大腿骨が適切に乗らな句なり、不安感を生じる。活動時間と共に粘稠度が改善される事で、安定がもたらされる。よくある患者さんの訴えとしては動き出しの数歩が安定しないなどが挙げられるかと思います。
HOOP機能の改善のためのリハビリ ~動画解説~
半月板のHOOP機能改善のための「HOOP STRETCH」をぜひ試してみてください。以下の動画を参考にしてもらえればと思います。
1)初期評価について
2)HOOP機能低下による膝最終屈曲の抵抗感
3)「HOOP STRETCH」の実際とその解説
4)最終評価
おわりに
あくまで個人の解釈を述べるnoteとなっておりますので、ご注意ください。また、もう先人の方が挙げている概念であることも多いかと思いますので、その点もご理解ください。個人としてこの観点で上記の主訴に対して著効を示すと感じてはおります。ぜひ、ご興味ある方はご連絡ください。また批判的な意見も大歓迎ですが、優しめにお願い致します。