見出し画像

デンマークには2つの同期電力系統エリアがある

オールボー大学エネルギー工学院での学びがスタートしました。
英語でのコミュニケーションに悪戦苦闘しつつも、新しい学びを楽しんでいます。今後は授業や研究の話も少しずつ記載できればと思います。

本日は閑話休題で、面白かった現地の世間話(?)を紹介します。

大学院同期のデンマーク人の学生とデンマークの電力系統の話をしていた際に、「デンマークには2つの同期電力系統エリアがあり、2系統の間はHVDCで繋げている」という話を聞きました。

それぞれの系統は同じ周波数50Hzで統一されているのですが、ヨーロッパの電力系統にも若干の独立性があるのですね。

デンマークは Regional Group (RG) Continental Europe と RG Nordic が隔たる場所になっている
https://en.wikipedia.org/wiki/Synchronous_grid_of_Continental_Europe

それゆえに、デンマークでは2つの同期電力系統エリアを「DK1」「DK2」と呼んで、電力マーケットも別々に管理しているとのこと。

RG Continental Europe に位置する DK1 と RG Nordic に位置する DK2
オールボーは DK1、コペンハーゲンは DK2 にあります
https://energinet.dk/el/systemydelser/introduktion-til-systemydelser/oversigt-over-systemydelser/
2022年の DK1, DK2 の Day ahead market (日本でいう卸電力取引市場)の日別平均約定価格推移
https://forsyningstilsynet.dk/Media/638279475363382061/English%20Resume%20Markedsrapport%20for%20El.pdf 

さすがに RG Continental Europe と RG Nordic の間はデンマーク国外からも何本も HVDC が連結されているので、日本の電力システムと同じとまではいきませんが、デンマークの系統は少し日本のそれと類似性があって面白い!

2023年の RG Nordic の系統図。図中の紫線がHVDCライン。
デンマーク国内では dk1 と dk2 の間に1本のHVDCラインが存在。
そのほか RG Continental Europe と RG Nordic は多く HVDCラインで接続されている
https://www.entsoe.eu/data/map/downloads/ 

上図を見ると、デンマーク国内は dk1, dk2 ともに 132-150 kVラインの系統が張り巡らされていますね。周辺国にあまりない電圧でユニーク…

引き続き現地の興味深い世間話(?)も紹介していければと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

takuroumi
いただきましたサポートは、のちの投稿内容となる、デンマークや欧州でのエネルギー工学の学びや体験に活用させていただきます。