段ボール家具で暮らしを繋ぐ
06月05日は #世界環境デー ということで、最近取り組んでて多方ヨシだなと強く思う「段ボール家具の導入」について書いておこうと思います。
SDGs 12「作る責任 使う責任 (Responsible Consumption and Production) 」中心に絡んだ話かなと思います。引越しや断捨離の多い方はぜひ「段ボール家具」で暮らしを繋いでみてください!
モノを手放すことは苦しい
高専を卒業して20歳で初めて実家を離れてから、6年ほどが経ちました。
その間、大学在学中に留学したり、就職・転職を経験するなどして、数カ月の滞在も含むと6回引越しをしています。そのたびに直面するのが「処分せざるを得ないもの」が多く生じてしまうことでした。
特に留学(電力システム設計のほか、環境科学と持続可能性について学びに行っていた)が終わって寮を退去するとき、持ち帰れる荷物が限られるため可能な限り友人に持ちものを譲渡したのですが、最終的に「寝具」「衣類」「小物入れ」「清掃用具」などを廃棄せざるを得ませんでした。
確実に Reuse できるものなのに、良くても Thermal Recycle ぐらいにしか行きつかない寮のゴミ捨て場に、まだまだ使えるモノを廃棄するのはとても苦い経験でした。
留学終わりに、手放さざるを得なかった寝具
この経験から、就職後は出来る限りの Reuse や Repair、Recycleをしようと意識するようになりました。
多方、モノを使い続けることも苦しい
就職した後は社宅での暮らしを2年(1回引越し含む)ほどしていました。学生時代に買いそろえたものは使い続けつつ、新しく買うものは Reduce, Refuse の観点を持ちつつ「長く使い続けられること」「リサイクルしやすい、またはリサイクル素材が使われたもの」を選ぶようになりました。
しかしながら、学生時代はとてもケチだったことも相まって、当時購入したモノを使い続けるという苦行に直面しました。羽毛が丸まった薄寝具、春のパン祭りで入手した(パンにしか合わない柄の)お皿、留学中にもらってしまったイケていないフリーTシャツ、、
いずれもお世話になったモノたちですが、使用者自身がその時イケてないと感じているものを、Reuseを意識して使い続けることもなかなか厳しいものがありました。
主役は親戚から届いたトウモロコシのはず……? チラッ |д゚)
そんなこともあって、
「家具」などの丈夫なモノは「一度入手してから手放すまでのライフサイクルが長く、気に入らなくなってしまうととても暮らしにくくなる」ので、特に慎重に選択するように意識しています。
段ボール椅子「Riki Stool」との出会い
今年は仕事の関係で東京へ引越すことになり、部屋も増えたので収納や机椅子が必要だなぁと感じていました。
暮らしの中ではメインで座らないけど、ここにあったら嬉しい、という椅子。
ただし長く気持ちよく使えるもので身を固めたい、予算に叶うものが手に入るのか?また引越しで手放すことになったりしないか…?
そんなことを考えて家具探し中に出会ったのが「Riki Stool」でした。
(画像: 公式通販サイト https://metrocs.jp/special/cfs/ より)
Riki Stool
リキスツールは、ジャパニーズデザインのパイオニア渡辺力さんが1965年にデザインした紙素材の組立て家具です。
段ボールというリサイクル可能な素材を、完璧な組立構造によって堅牢さを強化。発売当時「4つのスツールで象の体重を支えられる」と話題になりました。「リキスツール」という名称で親しまれ、渡辺力さんを代表するプロダクトのひとつとなっています。
スツールとしてお使いいただくほかに、積み木のように遊ぶこともでき、段ボールの表面に絵も書けるので、自由な発想を重視する保育園・幼稚園でも採用されています。
「段ボール」は 日本ではリサイクルチェーンが確立されていて、処分方法も明確、という Recycle の点で良し。予算や調査を半端にして買う椅子の Reduce, Refuse という点にも叶うものでした。さらに渡辺力さんの製品コンセプトにも惚れ込んで、2脚購入しました。
まず良かった体験は、消費者側で生じるゴミの少なさです。
1脚当たり、これだけでした…!通販で買う椅子とは思えない少なさ…!
説明書を読みながら組み立てていきます。
がっちり組んでいきます。お子さんやご家族と一緒に作業すると楽しそうです。
完成です!
Riki Stool「ハイホワイト」の完成です。白といっても優しい色味をしています。
段ボールに座ってみて
座り心地は「思ったより頑丈」で「ちょっと座るには良い」のですが「六角形の角に素肌が当たるとちょっと痛い」など長時間座るには不向きな面もあります。
「上にクッションを敷く」などすると、より快適に座れそうです!
私はまだ直に座っていますが…
1脚(右)は購入後すぐに使い、2脚目(左)は1カ月経ってから組み立てて比較してみました。
土台のない部分が少し凹んできています。これはこれで花びらっぽく気に入っています。
また使い続けると、徐々に遊び(緩み)がなくなってきます。
天面を拡大してみるとこんな感じ
段ボール家具で「暮らしを繋ぐ」
段ボール家具だと、無印良品の段ボール収納は使っていらっしゃる方多いのかな?と思います。私もとても助けられています。
https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/section/S00804
Nintendo Switchの Nintendo Lab は、工作ができる製品コンセプトもさることながら、製品ライフサイクルの観点でもこどもの成長とともにゴミになってしまう「おもちゃ」を段ボールというリサイクル可能な素材で提供する点で素敵だなぁと思います。
https://www.nintendo.co.jp/labo/
次世代へより良い未来の環境を提供することは、地域/世代間格差解消の観点でとても重要なことと私は考えています。
一方でそのためにただ耐え忍び、我慢することはあまり健全ではないとも思っていて、一時的に「暮らしを繋げる」ために段ボール家具を導入することはその点とても健全で良いなぁ、と思ったのでした。