「整備されたトレイル」を意識した話
2022年4月30日 「いい!いいづなトレイルランニングレース」に参加しました。
この大会では、長野県の上水内(かみみのち)郡飯綱町と、長野市の堺に位置する髻山(もとどりやま)と三登山(みとやま)のトレイルをめぐる20kmのコースを走りました。
雨模様が心配された中、運良く当日は晴れに恵まれ、トレイルランニング日和な1日でした。
今回のコースは3月末に1度試走していたので、そのときと大会時のトレイルの違いから、大会運営のみなさんの準備の丁寧さを感じるという体験がありました。
大会1ヶ月前のトレイル
髻山〜三登山のトレイルは「三登山トレッキングコース」と呼ばれ、地域の愛護会のみなさんにより整備されている地元のトレイルです。
残雪の残る3月末(およそ大会1ヶ月前)に実施した試走では、(おそらく雪の影響で)トレイルの案内板が倒れていたり、薮が生い茂っていたりしてトレイルの境界線が曖昧な箇所があり、道中トレイルを見失うことがありました。
この時はYAMAPのおかげで進む方角の目安がわかっていたので冷静に対応できました。テクノロジーの進歩はありがたい。
大会時の整備されたトレイル
(トレイルの写真は撮れていないのですが)
試走から1ヶ月が経った今回の大会では、薮枝などが綺麗に整備されていた他、分岐点での案内標識も丁寧に設置されていました。おかげさまでトレイルをほぼ踏み外すことなく、ゴールまで走れました。
トレイルが整備されることで、ランナーやハイカーがトレイルを踏み外すことが少なくなります。山の草土への環境負荷が最小限に保たれれば、植生が保たれ、土砂の流出も少なくなり、永くトレイルを利用し続けることができます。
試走で一度トレイルに入ったことで「私がトレイルランニングを楽しめる裏では、大会運営の皆さんや地域の愛護会のみなさんの準備や保全活動がある」ことを実感しました。
準備の恩恵を受けて気持ちよく走れた大会でした。
ちなみに「いい!いいづなトレイルランニングレース」のロード区間は畑や池の脇を通過する箇所が多く、春の里山の風景を満喫できました。夏も秋もそれぞれの風景が楽しめそうです。
「奥信濃100」でも整備されたトレイルを走れる
次は6月の奥信濃100の50kmに参加する予定です。自身の最長距離に挑戦することも楽しみですが、本レースでも「整備されたトレイル」を走れることに楽しみを覚えています。
奥信濃100の運営にはいいづなトレイルの運営と同じALP SKI TEAMの方々が携わっていて、以前よりコースの「本沢川トレイルの整備」を果たすべくクラウドファンディングに挑戦していました。微力ながら私も支援しました。
本沢川トレイルは、車道の登場とともに人の往来が少なくなり荒れていた古道とのことで、ランナーやハイカーの方々が安全に本沢川トレイルを通れるよう整備くださっています。
本沢川トレイルは「奥信濃100」においては50kmコースでも100kmコースでも走る区間です。本沢川からカヤの平の日本一と称されるブナの原生林へ向かいます。
高低差をよく見ると、なんと1000m UPの上り区間なので大変そうですが…当日がとても楽しみです。
整備されたトレイルを選び、トレイルを整備する道を選ぶ
山を歩く/走るという行為は山環境への負荷を少なからず与えます(これはある程度は仕方のないことです)。この前提において「整備されたトレイル」は、山と人との共存関係を保つために設計された道です。
いちトレイルランナーの私にできることは「整備されたトレイル」を選んで走り、トレイルを整備する道(手段)を選ぶことなのだな、と走ったり寄付したりして気づいた、という話でした。
いいづなトレイルの開催ありがとうございました。奥信濃も楽しみにしています。