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2024年9月から デンマーク オールボー大学 エネルギー工学専攻(AAU Energy)の修士課程 に進学します

2024年9月から、現職の Nature株式会社 への業務の貢献量を減らし、
デンマークにある Aalborg University, MSc. in Engineering, Energy Engineering へ進学する運びとなりました。
本日8月9日が Nature 社でのフルタイムの最終出社日となります。

これまでの電力業界での社会人経験を糧に、電力システムと高電圧工学の学習・研究に励んでまいりたく考えています。
なぜこのタイミングで留学するのか、などをこの記事へ記録に残しておこうと思います。


takuroumi のこれまでの略歴


私はざっくり、以下のような人生を歩んできました。

  1. (〜2011)すくすく育つ

  2. (2011〜2016)高専で情報工学を学ぶ

  3. (2016〜2019)大学で電気電子工学を学ぶ
     ・エネルギー問題に興味を持つ
     ・トビタテ!留学JAPANを利用して半年留学(香港・アメリカ)する

  4. (2019〜2021)学部卒で電機メーカーに就職(エンジニア)

  5. (2021〜)コロナ禍を機にNature株式会社へ転職(事業開発)

7年越しの大学院留学計画

この留学計画は、大学生だった2017年ごろから志向していたものでした。

高専から大学へ編入した時は、生体医工学系の研究で博士課程への進学も見据えていました。

ただ、大学での勉強を通じてエネルギー問題への興味が爆上がりしてしまい、研究室を選び直し、一から電力の勉強をすることにしました。

しかしながら、学部4年時点では電力業界知識が浅すぎて、納得感のある研究テーマを定めることに苦戦していました。

そこで「一定電力業界で社会人経験を積んでから、より解像度が高まった状態で研究しに大学院へ進学する」という計画を考えるにいたりました。
大学では留学生が多く住む学生寮に入寮していて、留学生の多くが社会人経験を積んでいたことも、当時の選択の後押しになりました。

その後は先生に研究テーマをいただき研究に勤しみつつ、あえて卒論を提出せずに学部5年生になり、トビタテ留学JAPANを利用して香港・アメリカに留学、その後就職しました。
大学院へ進学する時は海外へ留学する、という選択肢もこの経験を経て考えて始めました。

トビタテのおかげで当時の留学費用が工面できましたmm

5年半ほどの社会人経験を経て、
変動性再エネを折り込んだ電力システムの需給調整の技術創出、社会実装に注力したいと思うに至り、関連テーマでの大学院進学を決意しました。

どう留学先を選んだか(国編)


アジア・アメリカの留学を経て(アメリカは治安面で少し肌に合わないなと感じ)、大学院はヨーロッパも視野に考えるようになりました。

はじめは漠然とドイツ・アメリカ・イギリスの大学院を調べていましたが、エネルギー地政学の観点から、デンマークという国に興味を持ちました。

2023年は留学先検討の下見にも行きました🇩🇰

デンマークは洋上風力発電の導入が進む一方で、発電余剰への対応や、大需要地と発電所間の距離があり、他国への融通や貯蔵をどうするかなどの新しい課題に直面しています。

他方で日本も、計画の進む洋上風力発電の導入適地は九州・北海道・東北エリアといわれており、関西・関西といった大需要地から距離がある点では類似しています。

研究課題の先進地域であるデンマークでの学習・研究を通じて電力需給技術への造詣を深め、
2030年以降の日本の電力システムのエネルギー自給率向上・脱炭素化と、電力の安定供給の道を探ることが留学のテーマです。

どう留学先を選んだか(大学編)


デンマークは人口500万人、大学が8つしかない国です。
そこで、日本のように学術体系を整える総合大学を各地に建てる方式ではなく、大学ごとで注力領域を定めているように思います。

エネルギー工学専攻を持つ大学は「デンマーク工科大学(DTU Wind, DTU Energy)」と「オールボー大学(AAU Energy)」の2つです。
修士課程のプログラムを読む限りは、DTUは風力発電(機械)と化学プロセス(化学)に強みがあり、AAUはパワーエレクトロニクスや電力システム(電気)に強みがあると理解しました。

母校の先生方からも、AAU Energy にご存知の先生や研究室があると伺って興味を増し、2023年4月に実際にAAUを下見してきました。

大規模な研究設備があるだけではなく、研究者の方々がエネルギー技術の研究に前向きに取り組んでいる様子や、アジア系の留学生も沢山在籍している状況を確認し、安心して申し込むことができました。

エネルギー工学専攻の博士課程だけで100名超、
さらに300名以上のスタッフが在籍する巨大な大学組織「AAU Energy」
私はAAUのことを「エネルギー・オタク大学」と呼んでいます⚡️

インバータ系の発電機を電力系統へ接続する技術研究などで著名な Frede Blaabjerg 教授や、大規模なマイクログリッド研究室を主幹する Josep M. Guerrero 教授などから可能な限り学び、
留学のテーマ「2030年以降の日本の電力システムのエネルギー自給率向上・脱炭素化と、電力の安定供給の道を探る」を果たせるように張り切ろうと思っています。

留学準備にご協力いただいた方々へ


社会人からの留学準備は簡単な道のりではなく、やはり多くの方のサポートなくしてはやり切れませんでした。あらためて御礼申し上げます。
(受験記は別の記事に書こうと思います)

進学にあたっては、所属している Nature株式会社 への業務貢献量が少なくなってしまう中、同僚の皆さんに暖かく背中を押していただきました。
(特に代表の塩出さんには推薦書まで書いていただき、感謝に尽きません)

研究・教育指導をしてくださった母校の先生方、社会人経験豊富な母校や前職の先輩、トビタテの同窓生など、多くのみなさんに相談に乗ってもらいました。

30歳手前で大学院へ留学をしたいという私に、家族親族は好きなようにやってこいと言ってくれました。

私も皆さんと同じように、若者の背中を押せる人になりたいです。
経済面では昨今の円安はとても逆風ですが 😞 投資に見合う貢献ができるように頑張ります。

Nature株式会社、とても良いフェーズでオススメの職場です


このタイミングで留学を始めてしまうのが無念に感じるほど、Nature社の事業は良いフェーズを迎えていると思います。

私が入社した2021年5月時点、Nature Remo 販売台数は 30万台 でした。いまでは倍以上の 70万台 を突破して、100万台も見えてきました。
スマートホーム技術に詳しいお客さまだけでなく、ペットオーナーや子育て世帯のお客さまにも Nature Remo をお手にとっていただけるようになり、益々皆さんの便利快適な暮らしを支えるプロダクトになっています。

今年の2月からはシリーズDの資金調達を実施し、電力会社さまや家電メーカーといったあらたなパートナーの方々との協業検討が進んでいます。

2026年には需給調整市場への低圧リソースの参入が解禁されます。
ご家庭のエネルギーマネジメントにより、太陽光の出力制御量を低減したり、需給の逼迫を解消できることの価値がさらにあがります。
電力需給に応じたエネルギー利用量の調整をIoT技術で実現することで、ご家庭の快適性を保ちつつ電気料金を削減し、よりクリーンな電気を使えるという、Natureが創業時から構想する世の中が近づいてきています。

世の中のお役立ちが益々できるようになってきているフェーズなので、ぜひスケールのためにお力添えしてほしいです…!
特に私と同年代(20代)のビジネス職の方にとっては、良い成長機会になると思います。

私も限定的な貢献となりますが、メンバーを支援する形で留学開始後もしばらくチームに在籍しています。
ぜひ成長中のNatureで一緒に働きましょう!ぜひお気軽にご連絡ください :)

終わりに

留学計画の実行においては本当に多くの方のご支援ご協力をいただき、おかげさまでようやくスタートラインに立つことができました。
御礼申し上げるとともに、日本のエネルギー利用の未来が明るくなるよう努めてまいります。

(私の現時点のキャリアの裏目標は、今日の日本の多くの図書館の『電力・エネルギー』コーナーの悲観的な本の並びを、明るく並び替えることです📚)


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takuroumi
いただきましたサポートは、のちの投稿内容となる、デンマークや欧州でのエネルギー工学の学びや体験に活用させていただきます。