世界スクリム開幕!初日マッチレポートのようなもの。 Apex机上の卓論

札幌CSまでの二カ月ちょっとがスタート。

ついに世界スクリムがやってきた。
日本開催だというのに160pingないつものやつ(いつもよりはマシ?)だし、散々Ping差で苦しんできた初動は今やない(Ping差は仕方がない勝てないのが悪いと今まで言ってきた海外チャッツに同じことを言いたかった!)し、時間は深夜0時スタート(他との兼ね合いでこれはもう仕方ない)だし、思う所はたくさんあるがついに世界スクリムがやってきた!
S23によって大きな変化が生まれたロビーに対しての、まずはスタートライン。幾度となく繰り返しているNotMoistが持ち込んだファイトパターンのような、驚きのアイディアが投入されるのか。
眠れない夜に備えろ!な毎日、その初日を書き殴っていく。

ちなみにスケジュールは、9時からがAPACNのESCL(BLGS)スクリム。
終了が大体11時過ぎ、そこから0時スタートが世界スクリムだ。
寝かせてくれないねえ!

スタートダッシュを切っているAPACN、様相分かれる強豪。

ESCLでもその様相は明らかだったように、現在の競技シーンロビーはマッチョの侵略が止まらない。
ジブラルタルニューキャッスルのペアは他レジェンドに比べ圧倒的なアドバンテージを有しており、特に衝突時のリソースはそれを備えていないチームに対して有利だ。
しかしにその欠点はドームファイト、シールドファイトを主にするためにどうしてもファイトリスクが高まること。マスティフやEVA-8が猛威を振るうロビーでそれを上位プレイヤーが用いているのだから、ノーダウンでファイトを終わらせることは現状幻想に近い。
ESCLによるBLGSスクリムを数日経験しているAPACNチーム(FNC、MTR、RIG)はその実感、感触を実際に持っているが……他チームに関してはその現状を始めて確かめる場におそらくはなったはず。

世界スクリムにおいても強力だが不安定さをもたらすパスファインダーを加えたYMCA構成(やっぱりマッチョキャラクターエーペックス)を選択するチームは当然に多かった。
現メタゲームにニューキャッスルを持ち込んだBLEEDの選択はマッドマギー。
開始前に「ロビーがニューキャッスルとジブラルタルばっかりだぜ……」「あとは……カタリスト……うわあ……」と苦笑いな会話をしていたが、そもそもにというか、まさにお前の始めた物語だろというチームであり、その選択に注目をしていたチームだ。
元よりNAリージョンでは前段階よりWEでマッドマギーを入れ込むチームが多かったそのままに、ジブラルタルという的が増えたのならば更に有効なのでは?といった狙いだろうか。

現状のマッドマギー構成、その超大まかなイメージ。
マッドマギーは追い越すアンカー、フラッガーでありアンカーなフレキシブル。ややここでいうのが懐かしい単語。
追い越さないアンカーと、追い越すアンカーの違いも見ていて面白い。それがチームの決まり事なのか、柔軟なその場対応なのかも。
フレキシブルなプレイヤーがファイトの中心なのか、それともそれによって中心を支えるのかというのも見どころ。

マッドマギー構成の内情はシンプルで、allianceやTSM等が得意としているそれだ。
バンガロールにノープレッシャーでフリーなアングルを持たせることをベースとし、そこに対して2人でカバーへ入るか別アングルを2人で保持するかの形で進めていく。
それのマッドマギーVerと言えるもので、バンガロールよりも生存能力そのものは低下したために自由度は下がった。カタリストなのか、パスファインダーなのかはチームにもよるが、多くの場面でその狙いを発揮しようとしたときに相乗効果を与えられたバンガロールから、マッドマギーへ切り替わった影響は確実に表れている。
特にそれはファイトを仕掛ける際のスイッチにあり、マッチョ構成が増えたことと合わさってぬるっと始まるファイトが増えている印象だ。
あのポジション、あのチームに仕掛けるという狙いから急激なスイッチオン……仕掛けが始まっていた今までと違い、近中距離からの散発的な削り合いの末にいつの間にか、といったなし崩し的勃発が増加、というか……。

これまでは早期の家屋同居等を拒否するために積極的にエリアを活用し、そこでの有利を元に入ってくるチームを押しつぶしたり、そこを攻略して壊滅を狙っていた時間やポジション。
家屋内や、キャッスルウォール等の完全遮蔽へ入る時間が明らかに増え、早い時間での同居も見られるようになった競技ロビー。
かつてはワットソンなどを備え中へ振り切ったチームならば見られたが、マッチョ構成(YMCA)なチームは中意識が強くはあれども振り切っているわけではない。

マッドマギーを備えた構成も、ベースが以前のニューキャッスルにありエリアを主張し有効に使うタイプではない。コンパクトなエリアから、カタリストやパスファインダーで攻勢を狙う。
結果としてエリア意識そのものが多くのチームで薄れていき(この構成では難しいのか)、カタリストから重点が置かれていたエリアの攻防意識。前で守るであったり、ここをどう攻略して攻め込むかであったり、そのような方法が薄れつつある。
エリアを攻略する必要はなくなり、必要があるとしてもその難易度は大きく減少した。

仕掛ける側が有利であるのは、仕掛ける準備(プランなど)が万全にこなせることもある。
しかしにそれがやや薄れているのが現状。

ファイトにいくぞ!ではなく、ファイトするのか?!ファイトするよ!といった……何だろう、言葉にし辛いな!
とりあえずぬるっとしているのだ。ぬるっと。実にAPACN的というか。
安置収縮に迫られた結果、リソースを切ったタイミングがファイト開始……そんな光景が多く見られたのが、初日のスクリム。
ストームポイントではBLEEDもYMCA構成を用いる等、切り札というか、ジョーカーのようなスペシャルワンな戦術を持ち込んだチームは残念ながら存在しなかった。
マッドマギーが有効かどうか、これを軸とした構成はこの先もトライが続くのか。それは経過を見ないことにはわからないだろう。
しかしに後出しじゃんけんが強烈なマッチョ、そこを上回るにマッドマギーのそれがどこまで有効なのか。やや不安にはなる立ち上がり。
後出しじゃんけんが強烈な分、先にリソースを吐きたくない対面するチームのジリジリとした相対。それもまた、このなし崩しな関係を後押ししている。
キャッスルウォールによる押し出しも、ドームも空爆も、後出しが有利だ。
特に初戦WEでの最終円。キャッスルウォール相撲からの押し出しが決まり手だったそれは象徴的なシーン。

マッチョ+クリプト、初日100P台に乗せた1位はFNATIC。

ロビーの様相はSP2プレイオフから大きく変わった世界スクリムで、確実にファイトで勝利を重ねポイントを積み上げたのはAPACNのチーム。

こんな出力ができるサイトまであるのすごいね。
追記:YukaFとメルトステラが逆です。

特筆すべきは構成で、お馴染みマッチョペアは使用せずニューキャッスルにパスファインダー、そこへクリプトを合わせる構成。
調査ビーコンかリングコンソールかの二択を考えるというマッチョペアの悩みからは解放されている、競技シーンベースにのっとったある種ベターな構成だ。
SP2時とは違いIGLであるLykqがクリプトを操作することでダイレクトに情報が入手できるようになっている。
クリプトを加入させることにより手にできるのは、攻守に万能なリソース。しかしにジブラルタルやバンガロールを外していることで、プラスマイナスはゼロに。
情報アドバンテージとの兼ね合い、そして直接的な貢献力(ジブラルタルの空爆はタイミングやポジションを選ぶ)においてクリプトを選択したということだろうか。
仮にこの構成が強力であるとしてベースに……とはいかなさそうな、これまた一癖あり要求される能力も、これを選ぶにあたってのチームが求めるものも少し尖った、新生FNATICらしい構成となっている。
SP1やSP2時においては世界のメタゲーム、その中心で戦う姿勢を見せていた彼らだけに少し驚きだ。
特にパスファインダーをカバーしてフラッガーたらしめる……言うは易く行うは難しを地で行く負担を背負うことになったメルトステラ。Lykqのガンサポートが積極的でチームポジションもそれに適した判断ができるとはいえ、タフなタスク。
ファイト時にYukaFとメルトステラがどのように出るか、どちらが先に出るか、という部分でよくコールを行っていた印象(先に出て!みたいな)がある。

追記:YukaFとメルトステラの使用レジェンドが逆です。

この構成を継続して利用するかどうか、という部分においては想像するしかない。
勝手な考えだが、あくまで現状での様子見……何かしら修正途中な要素を一旦横に置いたが故な構成のようにも感じる。
しかしにパスファインダーを入れ込んだFNATICといえば、EWCでそれが上手くいっていたとは決して言えない。この構成を上手く用い、スクリムで1位を獲得している彼らの内情が大きく変わったことを表している。強力な成長というよりは、その方向性が変わったという意味で。
160pingというドームシールドファイトで明らかに不利な状況においても、それを覆し勝利を積み重ねていった。
そのクリプトも、ダメージが表しているようにSP2から続く戦うクリプトな面がある。TSMのファイトを紹介した記事があるが、あのような前面に出て銃を使うスタイルだ。CR等のチームはクリプトと前面の距離を開いて用いているケースもあり、その差は注目だろう。
どちらが有効かどうかはわからないが、現状にコンパクトなファイトが続いている今、そこへ参加できるショットガンの本数が大いに越したことはないかもしれない。モバイルリスポーンビーコンを取得できるのも、サポートであるニューキャッスルだけ。最終的な状態でニューキャッスルがデスボックスになっていてば、リスポーンも叶わない。

マッチョな二人を自分色に染め上げるか、マッチョに相対するか。

昨日1位を獲得したFNATICは、マッチョペアを用いなかった。
しかしに採用率上位はマッチョペア採用であり、優位性に疑問はない。

30%がマッチョペア+パスのYMCA。ニューキャッスルは85%の採用率で、ジブラルタルは56%。
パスファインダーは67%。移動スキル持ちの、調査リング選択肢を持つパスファインダーが1番だめかもしれない。

マッチョペアの課題点、その不安定さは俄然として残ったまま。この部分に何かをもたらしたり、アイディアを提示したチームは初日では見えなかったように思う。
ベースをある程度固めた(フラッガーレジェンドは不在だが、それはYMCAも同じ)FNATICが100pを獲得したのがその証左だろうか。クリプトでややバランスを取り、相手のコイントスを眺める。裏が出れば出るだけ、FNATICは有利になっていく。
時に裏が出るようにコインに細工もする。

GG等不参加のチームも多く、20チームではなかった開催。
そして初日であり、他にも様々なチームが何も見せていない中でこれから先どのような進展を見せていくのか。
今晩のスクリムも、ESCL含め目が離せないものとなりそうだ。

個人的に付け加えというか、どうしても書き残しておきたいのは。
RIG、Ftyanがウィングマンを持っていたこと。
相対するヒットボックスが大きくなった今、確かにその価値は上がっていても不思議ではない。すげーや。

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