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SP1にて効果を発揮した選手ロール配置 Apex競技机上の空論#1

3on3を優位に運んだ2-1システム

ALGS Year4 SP1は、アンカーの重要性が目立った大会だった。
ALGSを戦うにおいて、いかに”独りで何でもできるエース選手”を3枚目におけるかというロール配置が流行しつつある。

ファイトの修正に苦しみ残念な結果に終わったTSM。
ファイトで抜群の安定感を見せたFNC。
satukiのロングレンジ能力が光った。
ライフラインでメタゲームをかき回したAurora。
相手はアンカーに控えるエースHardeckiを倒さなければならない。

1-2(1フラッガー2アンカー)の形に対し、2on1の形を初手から作れていることが見てわかる。実際には全部が全部こうなるわけではないっていうのは重々承知の上で。この形というのは旧FNC(Umichan、メルトステラ時代)からも若干見えていた。意識としてゴールはこのスタイルにあったのであろうか。

重要性を増すアンカー

このシステムを生かすためには、アンカーにとりあえずと選手は配置できない。
二人で行っていたエリア確保を一人で行わなければならないということはもちろん、ファイトの状況を読み前方へ飛び出す動きも求められる。ライフライン採用ならなおさらである。触れなければ蘇生はできない。「君たちはAuroraじゃない」という王者が発した最近の名言にあるように、Aurora……というより、ライフラインを使っているプレイヤーはHardeckiじゃない、という手厳しい指摘か。トッププレイヤーが行っているタスクだ。
助けがいない位置ということで、決してファーストダウンはできない。した瞬間にそれは純粋な2on3となりファイトの勝率は絶望的。そのために最小露出でダメージトレードを行う技術、ロングレンジ武器のスキルが必要となる。今大会でこのタスクをこなしきりトッププレイヤーとして評価を大きく上げた4rufaのトリプルテイクが記憶に新しい。確実に現在採用率が上がっている。
更に前の一人がファーストダウンを喫してしまった場合、状況を確保できる位置にいるアンカーの選手がどう動くかを決定できなければならない。その位置を維持するのか、自らが確保し続けているエリアまで戻すのか、自らが前に出てファイトを選択するのか……。
最終的に生き残りやすいポジションであることから、味方が与えたダメージを無駄にせずファイトを勝利に導ける能力も当然求められる。時には1on3のクラッチすら。
IGLスキルがあり、高いAIM能力があり、ポジショニングで間違えず、クラッチを決める輝きを持つ。まさにエースプレイヤーを配置するのが2-1システムのアンカーだろう。

カタリスト、ヒューズ採用のために

現状のブラッドハウンド、バンガロールという2ペアが固定軸であるメタゲームバランスがそのままであり、新システムのフラットな3on3ファイトが求められる現状と新しい降下……初動ファイトがほぼ消えた競技においては、しばらくこの2-1システムは主軸の一つとなりそうだ。
コースティックの弱体化もあり、カタリスト、ヒューズの採用が増えチーム内でどのようなロール変更が行われるのかが注目である。現状と予想から考えるに、ヒューズ採用にはとても向いているのが2-1システムだ。当たり判定の大きいヒューズを奥にしまい込める。
早くもFNCにおいては、ヒューズピックのためにYukaFがアンカーへと変更する動きを見せた。
RRもwayachangがヒューズによるアンカータスクに(スクリムを見る限り彼はとてもうまくこなしているようにみえるが)苦戦しているようであり、レスポンスの早いコーチを抱えているチームのチャレンジが続いている。
アンカーというポジションと、その選手に注目してスクリムを視聴すると面白いものが見えてくるかもしれない。

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