Liquidが見せた芸術的な中入り。サイレントUPDが起こした奇跡のBLGS#3America。
物語はリアルタイムで進行する……24か?
朝6時ごろには終了したEMEAの#3。1stは9impulse/ojrein/kazakhのAurora。
SP1のライフライン構成によるムーブメント。しかしその後は苦しみチームのアイコニックプレイヤーであるHardeckiが離脱。
EMEAの上位、そこをAllianceに支配され……本来ならば、真っ先に噛みつくはずの彼らではあった。
しかしに成績は思うようには伸びず、プロリーグでは12位。
彼らもまた長く苦しんだチームで、この復活劇は待っていましたの一言。
マッチョまみれのロビー。受け幅の広さを好みつつ……リージョントップチームたるallianceの影響か、サシでカタつけようや!な「うちとやろうやマインド」が加速しているEMEAで勝利を掴んだ。
私は少しして帰宅、ESCLのスクリム配信アーカイブを眺めていた。
Americaリージョンと合わせ起きてからまた見ようと……目に入ったのは、どうやら金ノックが消えたらしいというtweet。
更に安置外でのサポートレジェンドによる復帰回復の消去。これはバグであったとして、取り除かれたらしい。
金ノック消えたのいつだろう
— あうどーる (@Aud0r) November 27, 2024
3時にアプデ入ってそのあとのEMEA決勝では普通に金ノックあったんだよな
射撃訓練場に無いだけ?マッチからも消されてる? pic.twitter.com/RGkbeDD0XA
穏やかではなくなってきた。
この後にAmericaのFinalが始まるというのにだ。
今この瞬間だけは、全チーム全プレイヤー全ウォッチャーが同じ思いだっただろう。
??「F〇ckin' stupid!」
EMEAがプレイをしていた段階では金ノックはあった。
安置外復帰回復は?わからない。どうだっただろうか……。
もしかすると、カスタムロビーでは以前のVerのままに進行していくのか?
確認もできないままに始まったAmericaリージョンのFinal。
そこには、金ノックも……安置外回復も、存在しなかった。
衝撃のサイレントアップデート。バカじゃねえの。
マクロの根底すら覆しかねない変更をしれっと無告知無予告、しかもBLGSという競技イベントのリージョン隙間時間に行う素晴らしいゲーム。それがApexというゲームなんです。ちょっと何考えてんのかわかんない。飽きさせない素晴らしいゲームだ。最早ストレステストに等しいよな人体実験味のあるロビーへ一切の練習無しで叩き込まれる競技ってなんだそもそもそれまでのラウンド結果すらかわりかねんだろこんなの。札幌プレイオフはこの仕様でやる気なんかないよって言っているようなもんじゃん。これから起こることは全て予測不可能。どんなことが起きるのか……。
今からHalのツイートが待ち切れない。
いやもう、眠ってはいないが……こんなもの、見るしかないぞ。
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薄氷の上を渡り歩き、最後に踊り狂って叩き割るLiquid。
1st。勝者はLiquid Alienware。
jaguaresl/NeazuI/Kurevの三人。そしてコーチ兼アナリストのstressado氏。
彼らはこの#3に、一つの芸術品を作り上げる。
行ったのは細かく移動、限界ポジションを移り歩く中入り。
現状の最適解。究極に研ぎ澄まされたものだった。
マッチョ+パスファインダー。金ノックが消え、安置外回復が消えた。
中へポジションを持つ。Lv3以上にする。
安置収縮に際して、完全に受けることが優位となったロビー。
外れた際のアクションに、TSMやFalconといった強豪チーム中の強豪チームですら苦しみ壊滅していく中、残したリザルトは圧巻だ。
全試合で最終円へタッチするプレイをしたのは、このチームだけなのだから。
E地区:2nd / 1st
ブロークンムーン:5th
ワールズエッジ:1st
ストームポイント:4th / 6th
当然の最多プレースメントポイント。
それだけではなく、キル数も最多の37。
Falconとチャンピオン数2も並び、最多プレースメント、最多キル、最多チャンピオンのハットトリック。
まさに完璧なリザルトで、1stという順位を勝ち取ったのだ。
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jaguareslはファーストペンギン。唯一ダウンが許容される存在。
Neazulも素晴らしく、幾度となくチームを救った。
彼らが行ったそれは、限界ポジションを移り歩き安置内へポジションを作るというもの。
ポジションへアクションを仕掛けるのではなく、「そこ通ります!wすみません!w」と内部へ突っ込んでいくスタイルだ。基本的に超初期でもやり切るファイトを選択することは、あまりしていない。
時に狭いポジションで耐え、時にドームで移動し、時にトライデントドームで移動し、時にトライデントを遮蔽に耐え……通電ジップで、最終安置へタッチダウン。
APACN視聴者であれば身に覚えがあるような、ぬるぬる移動?
彼らの場合、ぬるぬるではなく「ボコボコ移動」が相応しいだろう。
基本的に周囲全てからの射線がある状態、ほぼに全チームから撃たれまくる中を移動していく。凄いぞ。見ていて背筋が凍る。どうやって動くんだよそこから!?というポジションから、気が付けば別のところにいる。
時々誰か倒れる。Kurevは倒れない。ダウンする気がしない。なんで?
たどり着いたポジションも、基本的にドームが消えれば……あとは大抵情けない遮蔽とニューキャッスルのウォール頼り。
隙間風がビュービューの、またもや全チームから撃たれるポジション。
恐らくにこのBLGS#3、撃たれたチーム数なんていうスタッツがあればLiquidは19チームから撃たれていることは間違いない。
基本的に中盤以降はWiggがどの視点へ変えても、撃っているのはliquidだった。ちょっと盛った。
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ほぼ全員がちょろちょろと視界に入る「隙間で震える迷い込んだ子羊」のようなliquid。
だがこれは、全て終盤を迎えるために無駄なリソースを吐かず……リスクを負わない工夫だ。
しかしに、彼らは崩れない。
全チームから撃たれようが、一生にFalconから撃たれ続けようが……。
最終円に向けた収縮。最終収縮のその時までは決して崩れない。
ポジション選定が素晴らしいのか、介入が超有利な現状を考え仕掛けにくいのか。
他チームはliquidをこの段階で潰しにいくことができなかった。
そうして訪れるのは、最終円が見える最終盤。
ここからが面白い。一転攻勢タイムだからだ。
散々っぱら撃ってくれた安置外のチームを待ち構え、一気呵成にボッコボコにしてやるのである。
今まで散々耐えてきたチームが、いきなりに暴れまわるファイティングゴリラと化す。
周囲のチームへ襲い掛かる。FURIAのような強豪を、次々に薙ぎ払っていく。
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かつてliquidがいた近くではTSMやFalconといったチームがアクションを仕掛け、失敗や介入にあって壊滅していく中……彼らは細かく移動を続け、最終安置へタッチダウン。
キャッスルウォールを合わせ1部隊を壊滅。全てはこの瞬間のために。
まあ滅茶苦茶に例えるならば「クッソ弱い立ち上がりから最後確定演出がでてひっくり返るパチンコ」みたいなケツ浮き展開が毎試合。
本当に飽きない。
見ていて常にハラハラするし、最後は盛り上がりが待っている。
突然のUPD。対応ができなかったチーム事情。
様々な要素が重なった上で発生した、チームの全てがかみ合った最適解。
恐らくに、今後各チームの研究が進む中……再びこのような試合展開を作ることは難しいだろう。
BLGSのFinalという舞台。全てが重なった上で発生した奇跡。
この一日限定の、理論値。最適解。これ以上のものはないゲームを見せてくれたliquid。
個人的にはNotMoistの世界スクリム初日で見せたクリプトファイトよりも上(この活動を始めた期間中ということもあり思い入れで現状1位)にランクインさせたいが、これは持続して進化していくものなのかどうか。
恐らくに本日限り、そんな刹那の伝説を生んでくれたことに感謝……してもいいのか……?
是非に見てほしい。Wiggでも、個人視点でもいい。
なんたって基本Wiggもliquidを見ていたから。
やっぱりオラ中入りが好きだべ……という後入り。
なんというか、NewJRCのプロリーグしかり。VKGのプレイオフしかり。
liquidのBLGSしかり、滅茶苦茶にテンションが上がるのは中入りのチームが見せるゲームなことが多い。
これは遺伝子が恐らくに、そういうもので出来上がっているからだとは思う。
確かにファイトの連発!連戦連勝!というものも面白い。
腐ることはない技術、非常に重要なのは間違いない。
だが中入りには、オンリーワンな……独自の研究と、努力。まさしく研鑽の結晶な違う魅力が詰まっているように思う。
こんなApexの競技シーン。全人類が見ないと本当に勿体ない。
できることから、この活動を続けることで……後方腕組ができるような日がくればいいと思っている……というところで……。
いや最後に。
やっぱりサイレントアップデートでこれは、ちょっとやべえよやっぱり。