Auroraライフライン構成の謎 2024年競技シーン未解決事件簿なApex机上の卓論
目を背けていた部分に向き合う時だ!
当noteを始めたSP1プレイオフ後。
中心として取り上げていたのは、DZやFNATICのバンガロールブラッドハウンドコースティック。
エリアコントロールを上手く用い、中終盤にかけて相手チームを押し込んでいくその運用方法を中心に、できる限りの書きなぐりを行っていた。
それはZer0を多くに見ていたことが原因として一つにあり、彼が使用していない構成についてはあまり見識を深めることができていなかった。
その後も軸となったワットソンorヒューズ、コースティックを外す形で運用が続いたそれを取り上げたことは正解にも思えたが、ブラッドハウンドのナーフにより一変していく。
今では、過ぎ去った過去の一片に。
そんなSP1で軽くに取り上げたものの、詳細に触れることをしなかった構成が存在している。
Aurora、ライフライン構成だ。
ブラッドハウンドバンガロールライフライン。
当時の競技シーンメタゲームではほぼに採用が無かったレジェンドを持ち込んだ彼らは、SP1 Plaioffにて強烈な印象を残していった。
FinalRoundにて0killゲームを作らなかったのは優勝をしたRC、そしてAuroraだけ(教えてもらったぞ!)だ。
APACNでも少なくないチームがSP2プロリーグスクリムにて投入し、EMEAはライフライン一色に染まった時期も。
「君たちはAuroraじゃない」という名言も飛び出したその構成。
SP2競技シーンでそれが効果的だったとは言えず、一見に忘れ去っていいように……。
その後パスファインダーを投入し、EWCで優勝を果たしたAlliance。
そして、現在に続く過程でエリアコントロールという方法はややに薄れていき、現在ではコンパクトに構えるマッチョ構成が主流だ。
AmericasBLGS RFを眺め、理解に詰まった時。
思い出したのは、Auroraのライフライン構成だった。
度々に思っていた、エリアコントロールは幻想だったのかという問い。
やりなおしましょう。(赤文字)
蓄積によって進化を続ける競技シーン、変化のきっかけとなった部分を見落とすことは大きく理解を遠ざける。
実際のところ、その理解が正しいものかは定かではないけれども……個人的に、腑に落ちるかどうかで満足度は大きくに違うのだ。
Auroraのライフライン、その本質に迫る。
まずに申し上げておかなければならないこととして、私はAuroraのチームVCを一切に理解することができないということ。
多分に何語を使っているのか……Ojrein、Hardecki、9impulse(Twitterは日本語でもしてくれるぞ!)の三人からしておそらくロシア語……だとは思うのだが、英語のような気もするといったレベルの語学力な私をしては無理もない。
ただ試合の傾向を眺めるに、アンカーとしてバンガロール(9impulse)が構え、フラッガーにojrein。そして比較的前目で自由を持ったロールにHardeckiがついている気はする。
SP1当時の傾向として、2フラッガーを前目に押し出す形が流行していたこともあり、終盤ポジションを維持する際にはバンガロールを後ろに置き、ライフラインを前で運用することでそれへ対抗しようとしている。
SP1FinalAuroraのFaceit視聴(配信に付き合ってくれた方、ありがとうございます)を経て、その後も何度か見返した末の結論。
恐らくこの構成は、2フラッガーを押し出すものではないのだ。
1-2、ブラッドハウンドフラッガーの、2アンカー型。
ただしにフレキシブル枠(苦労人枠、所謂Genポジション)はバンガロールで、フリーロールなアンカー(Zer0枠)がライフラインなのか?
構成の基本的な運用イメージはこのような形だ。
彼らの特徴としてまず特筆すべきことは、エリアコントロール全盛のSP1においてエリアを広げていく動きをほぼに行わない事。
それを行おうとしたシーンでは失敗に繋がることも多く(ライフラインじゃキツいよ!)、そもそもにLv3までポイントを稼ぐことを第一命題としている彼らは、内部へ先んじてポジションを獲得することができない。
時に安置外に留まり、時にトライデントを二台用いる。
ストームポイントでFNATICとGTAを行っていたのは記憶に新しいが、彼らの決まり事としてLv3に進化させ、ライフライン当時のUltであるケアパッケージからの金装備を安全に入手するまでは絶対にリスクを避けるというものがあった。
かつてのNORTHEPTIONばりな安置外移動も行う外ムーブとなり、内部で優れたポジションを前提とした当時のエリアコントロールが行えない。
そのために用いられていたコースティックが必要なく、2フラッガーを前に押し出す形である必要もないのだ。
だからこそ、かつてのシアカタリストバンガロールから続く1-2の配置イメージを用いることができているのかもしれない。
そしてもう一つは、コンパクトな配置。
エリアを広げていかないだけではなく、常にコンパクトな形でファイトに挑み、ポジションを確保している。
広いスペースを用いたファイトが目立ったSP1において珍しく、恐らくにこの構成を成功へ導いた一番の要因だ。
苦戦したTSMとの差はここで、君たちはAuroraではなかったのもここにある気はする。
実際のファイトでは、7割8割の勝利がノーダウンで行われているために(Final)ライフラインの蘇生能力が生きた!とはちょっと言い難い所がある。
ライフラインが触らなければいけないという意識が、チームのファイトをコンパクトに向けるへ役立っているのではとは思う。
このコンパクトな形の衝突が、中端でエリアを広く構えるチームに対して刺さったのだ。
SP1で広くエリアを抑えていたチームに対し、どうやって?!という形でも外から入って成功を収めたのがAurora。
特に判断をやや間違えてしまったチームには、効果抜群であった。
基本的に、後から向かうAuroraが安置内に入るためにはファイトが必要だ。
早くにLV3へたどり着いた際には、ライフラインの復帰を生かした内側へのボコボコ移動(金ノックで起こしながら)を行うが、それは非常に稀。
広くエリアを抑えているチームに対し、コンパクトにぶつかる。
数的優位を局所的に用い、優れたフォーカス技術と素早い回転のファイトで安置内へポジションを作っていく。
時にそれはエリアコントロールを見誤ったチームに対して、圧倒的なファイトとなる。
ライフラインの復帰性能が、必要ではないほどに。
ライフラインじゃなくていい、が作った未来。
ここまで書きなぐり、見直して思った解決編だ。
Auroraの成功を形作ったのはライフラインだが、ライフラインである必要はない。
ライフラインの確定金ノックpark取得、それに伴いLv3まで安置外をも厭わないムーブ。
ライフラインの性能、それを目的としたコンパクトなチーム距離。
この、Lv3にしてコンパクトなファイトを振りかざすムーブこそが非常に強力だったのだ。
そこがライフラインである必要はなく、何ならライフラインでないことが更にアドバンテージへ繋がっただろう。
彼らがファイトでライフラインを必要としたシーンは数少なく、回復や復帰時に多少楽であったくらい。
グループステージでは違ったかもしれないが、そんなにあった記憶もない。
それよりも、やはりに移動へ苦労するというか、ちょっとメンドクサイシーンが多くにある。
トライデントを用いれないWEにおいて、ボコボコ移動を強いられたり(好きなのかもしれないけれど)、ややに移動タイミングを逃したり……。
何にせ、彼らはリングコンソールを使用していないのだ。
ライフラインはサポートレジェンドで、ムーブマクロに寄与しない。
調査ビーコンの仕様変更前ということもあり、全体スキャンは実質にリングコンソールの代替品であった事情もある。
しかしあるならば、それが使えるに越したことはないだろう。
どうせLv3まで焦らず外を回れるのなら、パスファインダーだって……。
「AllianceのEWCは、Auroraのライフライン構成がもたらしていたんだ!」
というより、全体的な今のメタゲームの流れ。
コンパクトなファイトが主流となっていったのは、恐らくにこのSP1のライフライン構成Auroraが源流にあるのかもしれない。
EWCのAllianceが持ち込んだパスファインダー、そしてそのコンパクトなファイトへ対抗するためのクリプトワットソン……?
妙だな、話が繋がっていく気がする。
中終盤にかけてのエリアコントロールによる制圧、SP1にて芽生えたそれを終わらせるキッカケともなったのは……本当にブラッドハウンドのナーフなのだろうか?
SP1当時においてもパスファインダーを持ち込み……そのコンパクトなファイトに相対した時、エリアコントロールで制圧していたチームはそれに対抗ができたのか?
もしかすれば、当時よりその構成が強力だと投入されていたならば……今の(サポート強化前のBLEED)ニューキャッスルに繋がるまでの流れが、早くなっていたのではないか?
今となっては謎でしかない。
謎でしかないが、だ。
SP1Playoffで優勝したのは、広くエリアを抑えながらもコンパクトなファイトを行っていた韓国のREJECT WINNITYだ。
競技シーンで珍しくに、ニューキャッスルを使用していたのが日本のチームNORTHEPTIONだ。
APACNは、未来を掴んでいた……?
未来は僕らの手の中……?
そんな形で、2024年の未解決事件簿。
「Auroraライフライン構成の謎」を締めくくることとする。
一旦に、机上の卓論シリーズは今年これが最後となります。
虚空へ語り掛けていたこのシリーズ、今では多くの方に見て頂けるようになり非常に感謝感激。
来年度も、どうぞよろしくお願い致します。