見出し画像

PSQへ挑むチームの現在地はどこに。プロリーグ進出、ALGSOPENを目指すSOTENとCSSという二つのチーム。


ドアは全ての人に開かれている。

土曜日より開幕するYear5、Apex競技シーンのスタートはPreSeasonQualifier(プレシーズンクオリファイア)。
今年よりややに開催方式の変わったALGSにおいて、全4週で行われるPSQでどこかの週で1stを獲得するか、トータルのポイントで4位以内へと入ることができれば……playoffの出場権に直結する。

SP1playoffが消え、新設されたALGSOPEN。
世界中のプロリーグ参加チーム160が揃う、大規模なplayoffとなった。
当然に出場登録者は旅費と宿泊費が出るはずなので、結構にとんでもない。

プロリーグ出場権がイコールでALGSOPENへ繋がる、大きなチャンスだ。
出場権利は万人に開かれており、年齢制限等最低限の条項はあるがそれを満たしているならば参加可能。
実力さえあればそれまでの実績を一切に問わず、一挙に世界のトップシーンの中心へと殴り込める。
力のあるプレイヤーに対し、eSportsは残酷なまでに甘いものだが……それを考えても、今回のPSQからプロリーグ、playoffであるALGSOPENの流れは大盤振る舞い。
OPENがどのようなシステムで進むのかその詳細は分からないが、札幌チャンピオンシップで雌雄を決した世界トッププレイヤーも集まるその場所へ立ってしまえば、勝ってしまえば、プレイヤー、コーチ、そのキャリアは大きくにジャンプアップするだろう。
そうでなくとも「playoffへ出場した」という実績は、今後の人生を何か変えるに十分かもしれない。

だからこそに、彼らはこのチャンスを逃しはしないだろう。
現在地は、実績は、日常は様々だ。
それが一挙に交わるこの機会に、ふたつのチームを覗いていく。

その割にイマイチ注目度が伸びていない気もする。
このPSQ凄いからもっと盛り上がってほしい。

「CCの強豪」、飛躍間違いなしと思われたBLGSを越えて。

ALGS Year4 CC Sprit2 #4 で首位を獲得。LCQへ歩を進めた。
最速プレデター、維持、上位獲得の現役ハイランクメンバーが揃う。
3Controllerチームであるため、今回のUPDは追い風か。
よく用いていたパスファインダーに近いTPを持つアッシュが入ったことで、Y4で長く経験のあるムーブを再現できるようになった。

SOTEN(読み方はそうてん!)
縁ありこのnoteにも何度か名前を登場させて頂いている、Y4で個人的に追いかけていた貴重なチームはそのままにメンバー継続でPSQへ。

CCSP2で首位を獲得し、LCQ進出。
札幌チャンピオンシップへの挑戦権を見事手にする。
そんなLCQでは最後にGHSと火力での初動を繰り広げたりと、思うように試合を作ることができず敗退。
既に強豪という名を確実にしながら、次に行われたBLGSでもRF進出を逃す悔しい結果。
札幌チャンピオンシップへ出場したとして一切に驚くつもりもなく、BLGSでは当然にその名をRFで、上位で見ることになると考えていた私にとっても、大きくショックを受けた出来事だ。

しかしに彼らは……日々スクリムにランクと、積み重ねを続けた。
悔しさに押しつぶされることなく、それを糧として。

当時はパスファインダーオンリーの調査リンコン二択を選ぶチームは非常に少なかった。
NA等で流行した結果に当然の選択(マッチョパスの基礎)となったが、それより前に使っていたチームだ。

他に先駆け、パスファインダーで調査ビーコンだけを用いゲームを作る動きを行っていたSOTEN。
S24のUPDを経て、様々な構成をトライしているような日々(大体初動構成)もあったが、基本的にはクリプトで固定感。
元より使用していた時期もあったIGL/Gqzelnがクリプトへ舞い戻り、チームのメインフラッガーとして前を動きファイトを引っ張るkakigoori7がアッシュ。
ミクロにマクロにと、力強くチームを支える大黒柱のgavomkがWEではカタリスト、SPではバンガロールを投入中。
元よりメタゲームの中心へ合わせるという意識より、自分たちで作っていった結果にメタゲームと合致するかしないかであり、合わなくてもあまりに気にしない所がある気はする。

ストームポイント(基本ZEUS)では、調査ビーコンムーブもお手の物。
三円端あたりへ位置取り、アクションを厭わず中へ向かっていく。
アッシュのTPをパスファインダーの通電のように使う形で、動きはパスファインダー採用時に戻っている雰囲気だ。
Gqzelnとgavomkで全体プランを整え、kakigoori7がファイトを引っ張っていく。

頑なにマッチョカタリストやランパートを使用せず(マッチョメタゲーム参入絶対嫌派、ドームファイトを嫌った?)、Gqzelnはニューキャッスルを通しながらgavomkヴァルキリーやkakigoori7ホライゾンですっ飛んでいっていたBLGS。
しかしに札幌チャンピオンシップ開催前ほどから突然マッチョカタリストでスクリムを通すようになり、その経験値が現在のWEで用いているカタリストに生きている。
ふと見たスクリムでマッチョカタリストを使い始めていた時は、どんな心変わりだと驚いたものだが……それがしっかりと今に繋がっていそうなのは、素晴らしき先見の明だろうか。
その間も基本的なチームのロールは変わっておらず、その部分に関しても積み上げがありそうだ。
しかしにカタリストとなったgavomkは、まさしくにカタリストの苦悩ど真ん中のそれで……自由に動けない。
バンガロール時であれば(元々バンガロールはkakigoori7がやっていた)現れないズレが、ややにカタリスト時に発生するシーンもある。
この問題点はプロリーグへ挑むAPACNの強豪チームにあってすら抱えているもので、これをどう解決していくのかという部分には注目だ。

パスファインダーやヴァルキリー、広くピック幅を持つgavomk。
チーム全員が合わさった時のファイトでは無類の強さを誇り、長くこのロールで経験を積んでいるSOTENといえど……それが簡単にいかないのもカタリスト。
更にクリプトが入ることで、ファイトの形を作る難易度は急上昇。
やはりにカタリストはめんどくさいし、クリプト入りファイトは大変だという部分。
個人パワーで何とでもしてしまうシーン(このファイトもパワーで勝利)はあるが、ファイトが完成するか否かがカタリスト構成時にはややに試されそう。
BLGSでもファイトズレへ苦しみ、本来のバリューを発揮できなかったことを覚えている。
BLGSにてFNATICとラウンドトップスコアを争うポテンシャルをもっているのが、SOTENだ。

もう、CCの強豪という言葉は彼らも聞き飽きただろう。
APACNの強豪となり、世界へ羽ばたくあと一歩を、今度こそステージの中心で、見事に踊り切れるか。
多くの参加チームの中で、ひときわ注目を集めるチームのひとつであることは、間違いない。

18日のPSQ組で2位(PL組と希望者で分かれた)、連日に好成績は残している。
しかしに現状に満足はしていない空気感が漂うあたり、彼らの中にはまだ不満点が残っているようだ。
UPDから期間も短く、メタゲームが固まり切っていない中、難しい挑戦である。
確実なことは、あまりに少ない。

SOTENのメモ。

「PSQがあるのは知っているけれど、どこを応援すればいいのか」
「応援するなら過去の試合や、スクリムの様子だって確認してからじゃねえと……」

そんな貴方も大丈夫、そう……SOTENならね。
基本的にスクリムや試合は全配信、アーカイブも確認可能だ。
競技やプレイの参考にするもよし、急いで確認して古参顔で腕組をするもよし、なんでもござれ。

「どうせならランク配信とかもみたい……」

そんなしっかりと個人を追いたい貴方にも安心、ゴリッゴリのプレデターランク(世界上位)を配信している。
ファン向けトータルパッケージの整ったありがたいチームなのだ。

まだ間に合います。

3カ国の共演。グローバルなチームで挑むベテランのサムライ。

Apex競技シーン初年度より参戦している大ベテランのコントローラープレイヤーNad3kawa。
ariaもコントローラープレイヤーで、HanByulはMnKだ。
英語、日本語が可能なコーチを募集中とのことだ。

CRAZY SHINING SUN。
このチームの注目ポイントはなんといっても、まずにプレイヤーの多国籍っぷりだ。

APACNといえば日本と韓国の二カ国ではあるが、ALGSの区別はNA地域にオーストラリアのZer0やGenが移籍したりPhonyがNAからAPACSへ移動したりと、居住地での区別であることは既にご存知のことかもしれない。
つまりに日本からAPACNへ、どこの国出身だろうと出場することができるのだ。
ビザやらの問題はあるにしろ、スポーツには国の壁がない。
eSportsはスポーツなんだと、これも感じさせてくれる要素である。
日本と韓国、そういったチームは多く記憶にあるが、ここまでのものは存じ上げない。

韓国、日本、マレーシア。
三か国のグローバルチームの内情は、どうなっているのか……というと大げさだが。
とりあえずにやはり、言語の問題に直面した立ち上がりだ。
まずに共通して三人は、日本語ができる。
日本のNad3kawaと、マレーシア(ハイブリッド)のariaは英語が可能。
しかしに韓国のHanByulは英語がややに不得意である。
手話の方が話は早そうだが、マウスとキーボード、コントローラーを握っていてはそれもできない。

まずにマレーシアのariaが英語でのIGLを試みたが断念。
全員が統一して行える、日本語でのIGLをNad3kawaが行う事になった。
しかしに日本語ができるといっても、日本人の思う「日本語ができる」というネイティブな……それこそにVCで使うような細かな用語を即座に発せられる程ではない。
喋ることができる、わかるといのはイコールで……eSportsに要求されるVCへ対応ができるということではないのだ。

喋ることができるのと、読むことができるのも別。
英語名称と日本名称がややに異なるランドマーク(謎に和訳するよくあるやつ)もあることから、英語宣言が通用しない……そして、どこが空いているのかもわからない。
長らく競技シーンに親しんでいる海外プロ視聴勢であれば分かろうものだが、スクリムの参加者全員が全員そうであるわけもなく、郷に入れば郷に従うのも重要なこと。
スクリム出場をするにあたって、まずに日本語名称入りのランドマーク画像を作り、メンバーにそれを教えていくところからのスタートだったらしい。

これが難点だけでもないのが、VCの面白い所だ。
Meteorのワード選択会議(寄るを使わない、一階を使わない……グラコロは採用されなかった)も記憶に新しいが、基本的にVCで使う言語として日本語は……まあその、問題が多い。
コンテンツの成熟が基本的に英語で進んでいくFPSにあって、英語はその点で洗練されている。
現在では日本語と、時折英語のVC用語をWで用いて進めるCSS。
これに慣れていくことができれば、英語の直接的な伝わりやすさと、日本語の表現力を生かし……最高のチームVCが行えるかもしれない。

やはり局所的なシーンでは、意図が伝わらなかったり、どのような言葉が適切なのかという部分に詰まった結果か対応が1テンポ遅れることも。
自然と意図がかみ合った際の初動ファイトは見事なものなのだが、どうしてもそれが十二分に発揮できないもどかしさがある。
言語という問題へ直面した際、どうなるのかというイメージはあっても、実際に競技で経験したことも(そもそもに競技経験すらない)ない私。
どう進めていくのか、興味は尽きない。

構成はクリプトワットソンアッシュ。
アナリスト経験もあり、大きな舞台で補助をしたこともあるという経験の持ち主。
SP2のクリプトワットソンをベースに、バンガロールをアッシュへ入れ替えるシュアな選択肢も、ベテランらしい部分だろうか。

マッチョメタゲーム時代にはマッチョカタリストを採用。
しかしにチームを組んだ時期が直近であり、誰が何を担当するか?という部分のチェック程度で終了してしまった。

現在のスクリムロビーはややにファイト目に振れており、その中でワットソンは重く映る。
こればかりは、やってみないとわからない……各チームが想像し、予想し、くみ上げていく過程の部分で見えている色の違いも、非常に面白い。
アッシュのカウンターとしてワットソンが成り立つのかどうか、それもまだ見えてはいない部分だ。
マッチョ構成よりグレネードがファイトアドバンテージを作る軸となり、グレネードの対策としてパイロンが有効だというのは常にささやかれてきながらも、最終的に札幌チャンピオンシップで選ばれたのはランパートであった。
S24のメタゲームは、ワットソンの復権ともなるのだろうか。

SP2では徐々に数を減らしながらも、最終的に50%のピック率を維持したワットソン。
そこからに大きく数を減らし、札幌チャンピオンシップでは数チームが使うに留まった。

豊富な経験を持つ、グローバルなチーム。
スクリム成績絶好調とはいえないかもしれないし、実績と言えるようなものはないと謙遜する彼らであって、この舞台は殴り込みの大きなチャンスだ。
本番環境という状況を上手く用い、更に言語の壁を越え、大きな活躍をしてほしい。
これもまた一つの、大きな可能性である。
この様な海外プレイヤーとのチームが多くみられるようになれば、日本のApex競技シーンも違う発展を見せていくかもしれない。

CSSメモ。

そんなグローバルチーム、Nad3kawaのTwitchはこちら。
スクリムアーカイブは視聴可能、日付を辿れば言語の推移もわかる。

ariaだけは配信サービスが確認できなかったので、Twitterを。
オーバーウォッチgrandmasterの文字が滅茶苦茶に眩しい。

あとがき。

Apex競技シーン全人類、誰かの役に立つコンテンツは亡霊となり手放した。
全ての競技へ挑むプレイヤーのファンでありたいという所までは手放していない。
かつて同じ思いを抱き、踏み出せず何もできなかった身。
そこへ挑戦しようとするプレイヤー全てを、私は応援したい。

PSQ、競技というものはどうしてもに勝ち負けがある。
全てのプレイヤーが、全て報われるなんていうことは、まあにあり得ないことだ。
それでもに、その挑戦に幸があることを祈っている。
ALGSOPENで、まあその、多分に俺は公式配信を見るくらいだと思うんだけれど、スクリムもそりゃ見るけれど。
そこの画面に、貴方達がいることを祈っている。

PreSeasonQualifierは、土曜日にスタートだ。
さあ!ついにYear5が始まるぞ!
皆このチャンスを掴め!そして俺はPSQからしっかり楽しもう!

いいなと思ったら応援しよう!