FNATICが盤面に与える影響力 ALGS Y4 SP2プロリーグDay1 A:B簡易レポートな机上の卓論#6
FNCのBグループは幸か不幸か
プロリーグ初日、APACNはLykq satuki YukaFのFNATICが圧倒的な成績を残すスタート。最低順位5位という明らかにレベルの違う(スクリムからわかっていたことではあった)強豪へ食いついたのは、sakuの見事な安置予測からくるエリア確保を見せ積極的にキルポイントを拾ったRIDDLE、時代錯誤と思われていた家長クリプト(限界物資仕様)を擁するNewJの2チームだけであり王者RCWですらおいて行かれる印象を受けた衝撃のDay1。
他リージョンも初日が終わり、これを書いている今はNAの初日を軽く見た後APACNDay2のGAME1マッチ6を見届けたタイミング。抱く感想は明らかにFNATICだけが異質であるということ。FNCが参加しないA:CはNAと似通っている。FNCの戦術が所以だろう。
MAP画像を用いてその影響力を簡単に解説したい。
本来ならFNC VS RR VS RCWというGame1WEにて行われた過疎集落でのファイトを書きなぐるつもりだったのだが、それはまた後日……できるかな。スペシャルな判断力が光るスーパーファイトだった、いつか書きたい。
noteでも紹介した(ここ大事)、相手のエリアをすり潰していくことで勝つ形。スクリムよりFNCが得意としているこれは、スクリムより順位ポイントを稼ぐための生存が頭によぎるプロリーグ本番で更に効いてくる重い戦術だった。
エリアがFNCによって狭められる。それは後から安置へ入るチームが本来手にできるはずのエリアが消滅することをも意味する。スクリムならば無理なり切りファイト(ドカチン突撃)だろうとすぐ選べたが、プロリーグ本番はそうもいかない。狭いスペースで何とか耐えるか、FNC以外のチームが持っているエリアにお邪魔して生き残りを図る。お邪魔されたチームも同じく、取り返すためのファイトをする判断が簡単には下せない。他チームとの距離が近く即介入が考えられる状況なのだ。不毛な潰し合い。後から入ってきたチームにヘイトを向けても、それはFNCの思う壺。追い込んだ親玉はFNCであり、それを排除しなければ状況は好転しない。
FNCの他に結果を残したのが中入り判断に優れるRIDDLEとNewJだったことも、ここから説明がつくかもしれない。
後から入ってくるチームに奪い取られない好ポジションを早期に確保できるIGLを擁したワットソン構成であり、それを可能にしたRID。狭く限界に近いポジションであろうとも、クリプトを巧みに使い次を見つけ出せるNewJ、といったところだろうか。FNCと共存を図った、FNCを利用して有利に運んだRIDとNewJはFNC帝国の共犯者ともいえる。
FNC支配へ抗うものたち
ではFNCが全試合全てを上手く運んだのか、というと実はそうでもない。
FNCをヒヤッとさせたり、狙い通りのチャンピオンゲームを許さなかったチームとして「style」「SBI」「REJECT」の3チームを紹介したい。彼らは
ALGSを支配しきらんとする巨大帝国FNCへ立ち向かうべく、使命を背負った勇者となって立ち向かった。
問1.このマッチにFNATICはいますか?から考えることになるとは
対FNCが確定しているグループB、幸か不幸かというのはFNCがいる以上常にこのマッチが続くということ。style、SBI、RCWのようにFNCへ牙を向くのか、RIDやNewJがしたように利用した戦術を取るのか。方向性は早期に定める必要があるだろう。しっかりとハマったならば、プロリーグを有利に進める特急券を手にしたに等しい。FNCがいないマッチを行うAとCに関しては、全く別の環境へ適応する必要がある。どちらが有利なのだろう。少なくとも現状FNCのような戦術を用いて支配するチームはNAにもいない。FalconEsportsですらそこまでの影響力を持ってはいない。一番厳しいリージョンとすら言えるのではないかと思う。
この絶対支配を崩すチームが現れるのか……楽しみなプロリーグとなることに間違いはない。