適応か、刺し込みか。REIGNITEの世界リザルトと、BLGS#4で注目したい理由。

pointでいえば、下位に位置してはいるが。

今週末に行われる#4をもって、予選選出が終了するBLGSAPACN。
多くのチーム、強豪や新生が実力を発揮する中で苦しんでいるチームも存在する。
中でも一つをあげるとするならば、LCQにてチャンピオンシップ出場枠を勝ち取ったREIGNITEだろう。

すでたき、Ftyan、ShunMiの三人。
ベテラン……競技シーンに長く携わってきた彼らがチャンピオンシップを勝ち取ったこと、それがフラックではないことなど周知の事実。
このnoteか一時頑張ったずんだもんyoutubeかは忘れたか、その勝因は一貫性のあるチームコンセプト。
CCフォーマットと同じとはいえど、BLGSAPACNで彼らが苦戦することはやや驚きだ。
キャリアの大部分を重ねることのできる他チームに比べ、そのリザルトは大きく安定感を欠いてしまっている。

そんなRIGではあったが、先週の中頃よりECSLスクリムや世界スクリムにおいて、変化の兆しを見せ始めていた。
何かが変わったような感覚を抱きはしたが、その内情は(Lykq視聴全力週間だったこともあり)掴むことができておらず。

その感覚を裏付けるように、世界スクリムで結果を残したのが12月4日。
化け物の闊歩するこの場所において、4位のリザルトを残した。

しまったと思ったところで時すでに遅し。
的中宣言!と大口を叩けるチャンスを逃した私ではあったが、馬券は買わないと当たらないように書きなぐりも書かなければ当たらないのは当然。
この程度の「なんかきそうだな」発言でドヤるわけにもいかず。
気を逸した感はあるが、今週のBLGSには間に合った。

内容の正解不正解はともかくとして、RIGを書き殴ると同時に。
今週末。BLGSにてボーダーラインリストでいえば苦しんでいるものの、1stをかっさらっていく可能性を持った注目チームだという理由を、お伝えする回とする。

出るカバーUltか、戻る離脱Ultか。

RIGのロールイメージ配置。
なんか三角形になっているが、今までのマッチョと同じイメージだ。
試行錯誤中。

RIGが他チームと異なっているのは、ニューキャッスルであるFtyanがフラッガーとして前に出ていることだろう。

現状マッチョ+カタリストにおいて主流なのは、ジブラルタルプレイヤーがフラッガーを張ることである。
何故そうなっているかの流れでいえば、元よりバンガロールと互換性のあるジブラルタル……つまりにフラッガーレジェンドの性能(ドーム)を持ち合わせた部分を活かしていることだろうか。
自らのチームで一番相手チームに近い位置でドームを使えることは、エリアとスペースの攻略に際して有利に働く。
ドームへ入るためにフラッガーが戻るよりも、ドームを遮蔽に味方を前に押し出すことができる、といった感じだろうか。
そして、後方へ置くニューキャッスルにはキャッスルウォールという味方位置へ飛び込めるJump性能があるために、後方位置になっていたとして合流へ苦労することがなく、突然のカバーにも比較的対応しやすいことがあげられる。
その分、自己位置からカーテンを発動できるカタリストプレイヤーは、このマッチョ構成において自由を得やすい。
立ち位置に決まりが無く、その場その場において適切な位置へと移動できる。重要なタイミングでその場所を間違わなければ。
情報を最大限に取れること、ドームでチームのスイッチをオンオフできるジブラルタルをIGLが好むチームが多いことも付け加えておく。

FalconでニューキャッスルWxltzyの立ち位置が徐々に後方へ下がり、Zer0がジブラルタルをプレイし、Halが自由を増していっているのもここに同じだと考えている。
これはTSM等といった、他強豪チームにも当てはまるのではないか。

RIGの場合、IGLのすでたきがジブラルタルをプレイしていることはその潮流に乗っていると言えるが、位置はアンカーポジションだ。
これはキャッスルウォールの味方位置飛び込みを、後方へ発動する離脱用Ultとして用いている……いうならば、逆の転換にある。

確保済みポジションからピークするすでたきとShunMiに、前へ出るFtyan。

この配置の利点は、比較的自チームがノープレッシャーであり、相手チームへプレッシャーをかける必要がある場面でフラッガーのニューキャッスルがカバーを持って前へプレッシャーを与えに行けることだ。
どこまでなら前に行けるのか、次のポジションを探しに偵察へ動くファーストペンギンユニットとしての運用が叶うのである。
ニューキャッスルが危険を感じれば、キャッスルウォールで飛び戻ることもできるし、チームとして急ぎアクションを仕掛けることも可能だ。

仮にこれをジブラルタルプレイヤーで行った場合、それは不可逆的な動きになる。
戻ることができず、そこへ対処するにはアクションを仕掛けるか……まあその、バナーを拾いやすい位置で……ということにはなるだろう。
チームとして、このような状況を多くのマッチで作り、この場面において選択肢を持ちたいチームならば適しているロール配置。
彼らの考えが見える、面白く素晴らしいものだと言えるだろう。
特にプレッシャーを受けない、広くエリアを使える場面においてそれは特に有効に働いている。

マクロ分担制?なんといえばいいのか。

現状の競技シーン、特にAPACNにおいてみられるのがマクロ分担制の流行。
旧FNATICにも見られた、序盤から中終盤にかけてIGLを切り替えるというそれの発展形だろうか。
切り替えるのではなく、次なるアクションを担うIGLと、終盤に向けての理想形を構築するSubIGL。
チームによって3rdプレイヤーがどちらをサポートするかは分かれているが、FNATICはメルトステラがLykqのサポートを……Lykqが次のアクションと終盤に向けての理想形までの道を敷き、YukaFがその終盤においての選択肢を考えているイメージがある。

RIGにおいてもそれは同じく、すでたきIGLの方向性にFtyanが合わせ考えることでチームは運転されている。
この試合で、どこを目指して、どう動きのか。最終的にどの位置へ入るのかという部分をFtyanが丁寧に確認しているのが印象的だ。
用いているレジェンド、その位置差異はあれども大枠としてプレイヤーロールに対するそれは同じである。
FNATICの場合、もう少しにジブラルタルのメルトステラとニューキャッスルYukaFの距離が近く、カタリストのLykqが動く……いや彼らはまた更に世界の潮流から言えば離れたチームであるために、中々に文章で伝えることは難しいのだが……。

これは現在にMeteorがLible_AceにIGLを担わせ修行していることも重なる、チャンピオンシップを見据えやっていきたい(と各チームが励んでいると勝手に予想している)ベースを構築している(完成形かはともかくとして)チームがRIGだとも言えるだろう。
イメージでいえば、韓国勢はこの形で運用されていたチームがかねてより多かったと思う。
この部分のすり合わせがズレてしまうと、本当に苦労する……チーム本来の性能が発揮できない危険性は多大にあり、そこで苦しんできた過去も多く目に。
かつてのCR等、まさしくそうだったように思う。
FNATICにおいても、最終番でのズレが課題としてあげられている。
これは決して、かつてのCRやFNATICが持つマクロ能力が不足しているということではない。
当然にレジェンドメタゲーム、その流れからくる適応はあるだろうが……。

しかしにそれが完全にかみ合った時、RCが成し遂げたのはプレイオフ優勝だ。
TSMやNRG、C9やMoistといったチームも(アメリカ語ブロンズのため)内情は分からないが、そのような雰囲気は多大に感じている。
ワンマンIGLの限界。
その部分が見えてくる未来も、もしかしたら近いのかもしれない。
さすれば、SP2プレイオフは一つの転換点だったはずだ。

RIGの場合、チーム内で見事にそれがかみ合った場面では世界スクリム……特にE地区においてそれは顕著で、EzWinGAMEを作り出すことにも成功している。
確かにスクリムであり、本番下においてどうなるかはわからないが、E地区のRIGには要注目だろう。

ラウンド5収縮に合わせ、内側へポジションを確保したのちに出てきた相手を叩くRIG。
見事なゲーム運びで、高順位を勝ち取った日のファイト。

特徴的な総射撃回数から見えてくるもの。

現在多くのチームがマークスマンライフルやスナイパーライフルといった単発武器を所持させることを好んでいる。
当然にもう一つはショットガン。
その結果、マッチを通しての射撃回数は減少気味だ。
しかしに注意をしなければいけないのが、Apexは落ちている武器がランダムなゲームだということ。
全試合、その全てを通して理想的な武器構成で挑むには潤沢な物資を持つランドマークを持ち、取捨選択の時間が必要である。

合わせて考えたいことに、現状は中へポジションを早期に獲得することが非常に強力な……中急ぎLv3上げ正解択ゲームが推奨されるメタゲームであるということ。
そのために、武器を取捨選択する時間は限られている。
よってランドマークの価値は(それを適切に扱えるのであるならば)相対的に向上したといえるのだが、それはまた別の話として……。

全体的に、射撃回数800-1100がホットゾーンであり、内情もチームのプレイヤーによって幅広いばらつきがあるRIGは全プレイヤーが1000発以上の射撃を行っているチームだ。

チーム内で、数値のばらつきがここまでにない数値になることは現状珍しい。

これは生存時間によっても変わってくる部分で、一言に何かを言うことはできない。
しかしに一つ、中への移動を重視する……中でポジションを確保する事を優先しているチームは射撃回数が増える、ということは言えるはずだ。
これは中意識、最終的なポジションを掴むために早期から移動を重ねるLIQUIDの射撃回数が1500発と非常に高いラインであることからも言えるのでは……ないか……?
これは武器の取捨選択をする時間が少ないために、現在主流ではないフラットラインといった武器をも使う必要があるということと、序盤中盤にかけてフラットファイトを選ばないために、そこでの切り替えが行えていないこと……そのような要因が……?あまり自信はない。好みもあるだろうし。

取っ散らかったあとがき

結局何が言いたいのかというと、RIGは決して序盤中盤でファイトというアクションを積極的に選び、成功させているチームではないということ。
FURIAに代表されるようなチームは、現状のそれが不利なロビーにおいてもそこを見事に成功させ、介入なしの短時間で仕留め切ることもある。
RIGはそのようなチームではなく、むしろにその場面では(世界スクリムにおいては)勝率が高く出ていない印象だ。
LIQUIDとも異なり、最後に大暴れファイティングゴリラと化し、この安置で俺たちが勝てないと誰が決めたァ!とばかりに絶唱をぶちかますスタイルではない。
安置内側で構えることを優先し、収縮に際ししっかりとポジションの有利を活かし、見事なEzWinをつかみ取ることを目指すチームだ。
周囲に影響を受けやすく、正解を引き続ける能力が必要となる。
それどうこなすかは、結局最後に力でねじ伏せることを求められるのがApex。
得てすればその、ファイトに勝てなければいけない……というのは、こういう所にも繋がってくるそれである。
現状世界スクリムだけではなく、ESCLにおいてもストームポイントのバルーンジャンプによる移動が非常に難しくなっているのも、それを裏付けているかのようだ。

しかしに現在、何度も繰り返すが、明らかに内側で構えることの価値は上昇している。
ファイトで勝つことも重要だが、マッチを通した際……ポイントリザルトで見れば、こちらでいかに正解を引けたか……ということが非常に影響するのだ。
当然にBLGS、APACNにおいてそれがどこまでに通用するかはわからないものの、いわばかつての血……積み上げてきた、その中へポジションを獲得するための方法。
ドッジボールを避け続けているようだと言われたそれが、時に輝くロビーになっている。
感想として抱く、純然たるチームジャパンの遺伝子。
世界でどう戦うのか、それで世界と戦えるのか、そう揶揄され続けた中で、そこから形を変えたチームが多い中で。
その方面を着実に伸ばし、よきを取り入れ、現状への最適化を続け、世界へ挑んでいるような……そんなイメージを持っている。

APACNは、そのままではない。
VKGの活躍で、SP2では一見に途切れたかのように思えた積み重ねは……途切れてはいなかった。
RIGはまさしく、日本のApex競技シーン歴史そのものを背負って戦っているチームだ。
現状は33位。恐らくに、BLGSFinal進出を考えるならば1stを獲得することが求められる位置のREIGNITE。
苦戦していた世界スクリムにおいても、成果を掴み始めた彼ら。
BLGS#3Americaリージョン、大爆発を成し遂げたLIQUIDに次いで凄まじいリザルトを残すのが、REIGNITEであっても、何ら不思議はなく。
まさしく、それでこそといった……勝つための正解は一つではない、そんな結果を期待している。

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