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成人の日を迎えた君へ
書き手として憧れるのはやはり「寄稿」である。新聞の広告でも、とある会社の創立100周年記念誌でも、ローカルPR誌でもなんでもいいのだが、「小洒落た文章を書いて寄越してくださいよ」とはライターの性として言われたいものだ。おととい13日は成人の日だったので、外には振袖やスーツを着た若者が溢れていただけでなく、ネットでは多くの著名人が「新成人へ」と題してメッセージを寄せる。その著名人の一人に僕もなりたい。だったらここで、誰からも頼まれていないのに、書いてしまえばいいんだという結論に達したので書く。
成人を迎えた君、おめでとう。また、成人までこの子を育てた親御さん、お疲れさんです。
松本と申します。note社の宣伝部みたいなやつが「新成人に向けてなんか書いてくださいよー」なんて言うもんだから仕方なく筆を取っている次第だ(実際に筆で書いてnote社に送りつけたらどうなるんだろうね。タイピングしてくれるのかな?はは)。
成人を迎えた君はもう取り返しがつかないところまで来ている。例えば罪を犯そうものなら顔も名前も晒され、逃げ場がはない。だったらニュースにならない程度の罪ならいいのかと思ったかもしれないが、この時代はどんな小さなニュースもSNSという戦場に集う、BBCのジャーナリスト級の猛者たちが君を逃さない。火事はどこでも起きうる。そのことは肝の銘じてほしい。
これからはお金も自分で稼がないといけない。ここで株式会社noteの四季報を見てみよう。2022年の上場以来、株価は2023年3月をピークに下がり続けている。配当金はないし、ずっと赤字経営。というかnoteって無料で使うもんじゃないの?そらそんな経営状態になるよ。でもなあ、最近は法人向けに「note pro」なんかも始まったって言うし、オードリー若林のマガジンも死ぬほど売れてるって聞くしなあ。Googleとも資本提携したらしい。成長にベットして今のうちに買っておくのもアリなのかな。
つまるところ、大人とはそういうことを考え続ける生き物だ。今は若いだけでお金が貰えているかもしれない。居酒屋でホールに勤しむ君は、アイドルのようなルックスが常連のおばさまに好評で、そっと胸ポケットに5,000円札を入れられることがあるだろう。仕事帰りのおじさんとお茶をしばくだけで5万円もらっている君は、ヌルゲー的な人生に退屈すら感じているかもしれない。
しかし、君の髪は薄くなり、そちらのお嬢さんはほうれい線が目立つようになり、身近にいた人はどんどん亡くなり、永遠だと思っていた20代はあっという間に終わりを告げる。
若さを失い、これまでの人生を悔やみ、恋人にも逃げられ、親にも先立たれた君は、その時どうするだろう?
僕は「じゃあどうしよう」を考えるのが人生だと思う。
いま君が取れると思っている天下は、おそらく取れない。
トヨタに入りたかったけど、行き着く先はトヨタの下請けの下請けかもしれない。
ずっと貯め続けたポイントは、知らぬ間に失効を迎え、とんでもなく損した気持ちになるかもしれない。
全ては「その後どうするか」だ。その一歩が踏み出せるか、踏み出せずに立ち止まるのか、一歩下がるのか。
少なくとも偉そうに人生分かった感じでポエムを綴る僕のようにはなってはいけない。
ああ、どうしよう。僕はもう31だ。
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