マキタスポーツみたいにハゲたい
ハゲにもハゲでいろいろあるが、良いハゲ方・悪いハゲ方はある。
悪いハゲ方は抗うことをやめた人に多い。ハゲ方に品がないというか、散らかしているというか、「人が真剣に話しているのにそんなハゲ方してたらあかんわ」と口に出しそうになったことは一度や二度ではない。しかもハゲいじりをされたらキレる人に限って、悪いハゲ方をしている。キレたいのはこっちだ。ハゲるならちゃんとハゲようよ。人前用のハゲと家用のハゲに分けたほうがいい。あなた方やっているのは女性もののパンツを頭から被って堂々と人前に出てきて、それを笑われたら「何笑っとんじゃあ!」とキレる行為と等しい。
対して良いハゲ方をしている人は「ハゲている」が最初にこない。なぜならハゲがしっかり髪型としてフィットしているからだ。言われてみればあの人ハゲてるな、くらい自然に仕上がっている。
芸能人で言うと、笑福亭鶴瓶、竹中直人、マキタスポーツあたりが個人的にはベストハゲだ。読者の皆様もこのお三方の名前を聞いて「あ、ハゲてる、、っけ?」くらいに感じたのではないか。画像検索でぜひ見てほしい。むっちゃハゲてるから。ハゲてるというか、2024年現在では3人ともスキンヘッドに近い。
芸人ならば圧倒的に面白いからハゲだとは思わない、役者ならば圧倒的に役に入り込んでいるからハゲだとは思わない。乙武さんと仲が良い人が「そういえばこの人、手足ないんだったと思うことが何度もある」とテレビで言っていた。なんでも一人でできてしまうから、周りに気を使わせない凄さがあるらしい。
要は、その人が必要以上に気にしていたり、強いコンプレックスを感じていると、不思議と周りからも「そう」見られる。堂々と胸を張って歩き、自分の仕事に熱中してさえいれば、少なくとも可哀想な感じにはならない。僕は高校生くらいまで背が低いことや毛深いことがコンプレックスで、友達からも指摘されることが多かったが、コンプレックスではなくなった途端、誰からも言われなくなった。今となってはおそらく誰も僕のことを「毛深くて背が低い」とは思っていない。
先日、息子と遊んでいたところ、横から妻が「ダディみたいに毛深くならないでね」と息子に囁いているのを聞いてしまった。驚いて言葉が出なかった。ついでに「俺って背低いかな?」と聞くと「低いと思うよ」とあっさり言われてしまった。チッ!