言ってくれてもええやんか
先日スーパーのセルフレジを待っていた時のこと。いつもは空いているのになぜか2〜3人が列を成していた。なぜだろうと、列の向こうを覗き込んでみると手前のレジ機2台は空いている。一緒に待っていた妻に「なんで行かへんのやろな」と少し大きな声で言った後、前を並んでいる人に「あの2台壊れてるんすか?」とか聞いた。もしかするとキャッシュレス決済のみの機械と現金可の機械に分かれているのかと思ったので、「2台壊れてるんすか?」には「おれ現金とか使わないんで。キャッシュレス派なんで、そこどいてもらっていいですか?」というニュアンスがほんの少し含まれる。
突然声をかけられたその人は、僕と目も合わせず「はい、壊れてます」と平然と返した。その人の言葉には「こいつちょっとくらい待てよ」と、そんな含みが確実にあった。こういう時、本当に恥ずかしくなる。
まず前の人に聞こえるくらいの大きさで「なんで行かへんのやろう」と言ってしまったあの一言だけで僕の性格の悪さが見て取れる。
そしてわざわざ前の人聞く感じもダメだった。「え?俺そこ空いてるの気づいてますけど?俺電子マネーですけど?」という傲慢さが出ていた。普通に考えて、手前の2台が空いていることに、気づいてないわけがないのだ。視野が狭いのは僕の方であった。
しかし僕は本当に性格が悪いので「知ってるなら言ってくれりゃいいのに」と思ってしまう。僕が聞く前に、僕のソワソワを感じ取って「なんか手前の2台壊れてるみたいですね。セルフレジって本来便利にするためのものなのに、これじゃあ本末転倒ですねえ」くらい言ってほしい。僕の後ろで待っていたおばちゃんも案の定ソワソワしていたので僕はすかさず「壊れてます!手前の2台!」と言った。人のコミュニケーションってそういうもんだろうと思う。いちいちおせっかいで言うことの方が自然だ。
某インフルエンサーが新幹線で前の席の人に「座席倒していいですか?」といちいち聞かれることにブチ切れていたが、あれは残すべき慣習だと思う。「察してくれよ」はあまりに寂しい。何も言わずに倒すリクライニングではきっと、快適な鉄道の旅にならない。俺何も言わずに倒しちゃったなー、でも今から言うのもおかしいしなーとか考えながらなんて眠れるはずがない。後ろの座席が某ホリエモンだろうと僕は「倒していいですか」と聞きたい。あ、もしくはアムロばりに「拓郎、倒しまーす!」と言いながら倒せばいいのか!それなら堀江さんもきっと許してくれるはずだ。