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便意の距離 〜周りなんか気にせずに、冬。

今朝、通勤電車内で強烈な便意に襲われ、死を覚悟した。
「持ってあと5分だな」
なめてもらっちゃ困る。こういう死の瀬戸際は慣れているので、なんとなくであとどれくらいか分かるのだ。冷や汗が出てきてソワソワし始める。覚悟した数分後、電車が目的の駅に着いた。ここからが勝負である。これはフィジカルの勝負であり、メンタルコントロールスキルも問われる。「すぐにできる」と思い込まないことが肝心だ。便意は近いがトイレは遠い。この両者の距離を遠ざけてあげないといけない。

まだだよ、まだだよ、もう少しだからねえ。僕は自分の胃腸とお尻にそう言い聞かせる。そしてやっとたどり着いた駅構内のトイレは、並んでいた。出勤前のおっさんたちが小さな列を作っていた。このおっさんたちも僕と同じように便意と闘っているんだと考えると笑えてくるが、笑ってしまうとその拍子に漏れてしまいそうになるのでお尻に力を入れてグッと我慢。概算で順番が回ってくるまでに5分というところか。待ってられない。こんな時は損切りだ。

慌てて駅直結のビルへと入っていく。そこは飲食ゾーン。朝8時半なので閑散としている。そしてトイレは、、空いている!!というか貸し切りだ。駅構内のトイレから徒歩30秒くらいでこんなにも違うとは!僕はある種の感動を覚えながら排出した。

この理論は人生の全てに応用できるのではないだろうか。木を見て森を見ずの具現化である。駅構内のトイレを見て周辺のトイレを見ず、という応用形を小学校で教えた方がよい。
駐車場を探す時も、目的地のすぐ近くではなく、一駅くらい離れたところで探してみてはどうだろうか。中古車もそうだ。一瞬乗っただけとかなのに新車に比べてかなり安くなっていたりする。株だって、任天堂の株が急騰したところで飛びついていては遅い。Nintendo Switchの部品はどの会社が作っているのかを見ないといけない。

人がたくさん集まっている場所にはもう、大切なものは落ちていない。手遅れだ。誰もまだ見つけていない荒野へ。自分だけの場所へ。人目のつかないその場所で、僕は盛大にうんちをしたい。

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松本拓郎
サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。