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水曜日の王将と1日の丸亀

毎週水曜日は餃子の王将の半額クーポンがアプリで配布されるので、問答無用で夜は王将へ行く。毎週同じ店舗だと恥ずかしいので、職場の近くや家の近く、家から一駅離れたところなど、工夫してずらしながら顔を覚えられない程度にローテーションしている。

このクーポンは2人前以上頼まないといけないので、いつも焼き餃子2人前とジャストサイズの何かを頼むようにしている。この「ジャストサイズをどうするか問題」に鮮やかな対処を見せるのがクーポンガチ勢として腕の見せどころだ。言うまでもないが、一番のおすすめはやはり揚げそばだ。「これ本当にジャストですか?」って聞いてしまうくらい量がある。それと餃子2人前でクーポンを使って700円ちょいだから、水曜日と王将には感謝しないといけない。


ジャストの揚げそば

そしてもう一つ忘れてはいけないのは、毎月1日の丸亀製麺だ。この日もまた激アツで釜揚げうどんの全サイズが半額になる。店のうどん全部持っていけ!と言わんばかりにこの日は大放出デーで、クーポンもアプリも必要としない。300円もあれば腹は満たされる。
丸亀も王将も店内に張り詰めた緊張感があるのがたまらない。こちらは所詮、安い日だけを狙っているハイエナにすぎない。あの緊張感は自分は何者ではないということを再認識させてくれる。

もう僕の人生はこういう「お得感」だけ味わえればそれで良い。それに、このくらいの小さな幸せがちょうどいいかもしれない。クーポンを出して、ハイハイ早く食べてねくらいの関係が健全で、平穏だ。

先日、家電を買い揃えるためにヨドバシカメラに行った。結果だけいうと僕は10万円分くらい「得」をした。しかしそのために僕は時間をかけて価格コムとの比較表をエクセルで作ったり、ドコモのインターネットに契約したり、ワイモバイルからahamoに切り替えたりした。そうなってくると、果たして純にいくら得をしたかなんてとてもじゃないが分からない。

その点、餃子と釜揚げうどんははっきりとしたお得感がある。他社との値段も比較しなくていい。店を出た後は何か良いことをした気分になる。小さな幸せは疲れない。その欠片はがむしゃらに掻き集めるものではなくて、たまに拾ってこっそりポケットにしまうものだ。


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松本拓郎
サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。