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承認してください

デザイナーの友人を通して、株式会社山善の広告の仕事をいただいた。しかもクレジット有りというありがたい話である。
今回は着るこたつ「くるみケット」の商品パンフレットに載せるためのショートストーリーを書いた。流れとかはある程度先方に指定された上で書くので、オリジナリティというよりは、求められていることを再現できるかどうかの技量が問われる。なにせ上場企業だ。僕も気合を入れて書いたし、先方にも細かくチェックしていただいた。

納期には間に合い、無事に仕事は成立した。よかったよかった。しかしここからが本番である。「承認欲求満たされたいタイム」の始まりだ。山善さんという大きな会社の仕事をいただけたので、多少は他人に自慢したい。僕は性格的には控えめなタイプだと思うが、控えめ業界の中ではかなり承認欲求が強い部類だと思う。控えめ界初のかまってちゃんなのだ。こうしてnoteを書くのは自分のことを知ってほしいからだし、フィクションを書くのは普段言いたいけれど言えないことを書くためだ。

こういう時のアピールの場としてふさわしいのはやはりインスタのストーリーだ。ストーリー機能を開発したのはマイクザッカーバーグなのかMETA社の敏腕社員なのか誰か知らないが、近年稀に見る発明だと思う。主張が強くなく、控えめな感じでポストできるので、発信へのハードルが低い。なにより24時間で消されるのが大きい。というわけで、控えめに自慢させていただく。

さあ、みんな!僕を褒めろ!僕の承認欲求を満たしたまえ!

しかしいくら待てど何も反応がない。コメントはおろか、いいね!のハートすらつかない。インスタのバグ、もしくは家のWi-Fiがおかしいに違いない。うんうん、また明日だな。
しかし次の日になっても無音のまま。結局反応してくれたのは、この仕事を一緒にやったデザイナーの友達と、noteでも親交の深い方、2人だけ。みんな?どうした?俺ここにいるぜ?ちょっと承認してもらっていいですか?そこのボタン押すだけでいいので。

写真が分かりにくかったのだろうか。「山善さんの広告の仕事しました」とはっきり言えばよかったのか。承認してほしいかんじの投稿をして、誰も拍手を送ってくれなかった時の虚しさたるや。
しかし、それは傲慢な考えであることに気づいた。僕自身が普段から誰も承認していないのが最たる原因だ。いいねは押さない、コメントもしない、そんなやつが承認されるわけないのだ。

欲しければまず与えよ。どれだけ時代が変わろうと、SNSがスマホからVRに変わろうと、それは絶対不変の鉄則であるだろう。欲しいものはまず与える。お金が欲しければお金を出す。また勉強になった。

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松本拓郎
サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。