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イクメン日本代表

子どもが生まれて間もない頃、メディアに出たがるイクメンを痛烈批判する記事を書いた。

これを書いてから5ヶ月。実際に息子と生活してみて思うのは、想像していた2倍忙しいということだ。すぐにでもハイハイを始めそうな勢いで、ずり這いで移動しまくるので目を離せないし、寒くなってきた今の時期は手足が冷たいと不安になる。仕事よりも、一日中家にいて赤ちゃんの世話をする方が絶対に疲れる。
特に鬼門は寝かしつけだ。抱っこしている間に寝たと思って布団に置くと、その瞬間に泣いて起きてしまう。再び抱っこして寝かせ、再チャレンジしてもやはり起きてしまう。それの繰り返しだ。1時間ほどやっても無理で、妻にバトンタッチするとすぐに眠ってしまうことはよくある。この1時間は一体なんだったのだろうかと虚しくなる。ある種子育ては「裏切りとの向き合い」だと思う。リターンはいつ来るか分からないし、一切ないかもしれない。そもそもリターンとかギブアンドテイクとかの概念で考えることが間違っている。勝手に産んでおいてそれは違うか。

実際に育児をしてみて、5ヶ月前にイクメンたちを批判していた頃と考え方が変わったかと言われると、それは全く変わらない。やはりメディアにわざわざ出てきて「いやあ育児って大変すよ(ドヤァ)。でも働きながらでも絶対に参加した方がいいすよ(ドヤサ)」みたいなことを嬉々として語るのは、生き方として到底子どもの見本にはなれない。

もしどこかの団体が「イクメン日本代表を作ります」と募ったら、あの北海道新聞の取材を受けていた連中はすぐに手を挙げるのだろうな。はい!自分イクメンなんで!世の父親に育児の大変さと素晴らしさを伝えたいんで!
やかましいわ。黙って皿洗いしとけ。このきもち悪さの正体を言語化するためにnoteをやっているのだが、うまく表現できない。少なくとも彼らからは「これが世間の流れなんでしょ?こうやっときゃいいんでしょ?」という浅ましさが見てとれる。奥さんが大変そうだから手伝うのではなくて、世間の流れだから手伝う。忙しい中時間を作っているのではなく、職場に居場所がないから早く帰っている。イクメン、というか「イクメンを啓蒙する人たち」は生き方見直した方がいいよ。旦那が仕事にフォーカスすることでうまく回っている家庭なんて腐るほどあるのよ。

ちゃんとやってる人は昔からちゃんとやってるいる。例えば教師。体罰しまくってたけど時代だから体罰やめましたーてへっ。ダサい。ちゃんとしてるやつは元から暴力なんてしないよ。体罰できない時代が来たのなら、その人は教師をやめるべきだ。パワハラ上司も歩行喫煙者も同じ。時代は関係ない。あなた方は元から狂っていて、それが炙り出されただけだ。

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松本拓郎
サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。