見出し画像

マイペース人間に憧れて

マイペースで飄々としている人間に憧れる。妻曰く、僕もかなりのマイペース人間らしいが、それはとんでもない。僕が真のマイペース人間なら青信号が点滅しても走らないし、閉店間際の飲食店で急いで食べない。
周りに迷惑をかけない程度のマイペースさ、迷惑をかけているにしてもなぜか許されてしまう、つまるところ丸っこく生きるのが人生目標である。

ところで僕はよく遅刻をする。マイペースな人間といえば遅刻だが、僕の場合は少し挙動が違う。時間に間に合わせよう間に合わせようと必死になった上での遅刻なので、マイペース人間のそれとは一線を画す。
マイペース人間の場合は余裕を持って堂々と遅刻してくるだろう。理由を聞いてみると「行く途中にうどん屋さんがあって、製麺する様子をずっと見てました」とか「忙しい飲食店の仕込みの様子を撮影したYouTube見ながら来ました」とか、そんなものばかり。遅刻して来ているのに汗一つかいていない。正直カッコよすぎる。そしてそういう男たちがモテる。「余裕」はモテ要素の大きなウェイトを占めると思っているので、このnoteを読んでいる独身の方はぜひ心得ていただきたい。

僕が知っているかぎり一番丸い生き方をしているのはメジャーリーガーのダニエル・ノリスだろうか。なんと彼は家を持たずにフォルクスワーゲンのキャンピングカーで生活している。アメリカは土地が広いので移動が大変なのだが、彼は極力そのキャンピングカーを使って移動していたというから驚きだ。契約金と生涯年俸を合わせると10億円以上はくだらない。それでも月の生活費は8万円に抑え、驕らずにスローライフを送るのはあまりに丸過ぎるぜノリス。
そんなノリスの現在だが、昨年にガーディアンズをFAになり、2024年シーズンはどこの球団にも、少なくともメジャーには属していないようだ。メジャー復帰を目指してトレーニングと球団探しに明け暮れる日々が続いているのだろうか。僕はダニエルノリスのインスタアカウントを開く。そこには元気にサーフィンを楽しむノリスの姿があった。プロフィール欄には野球のことは一切書かれておらず、所有しているサーフボードのことしか書かれていない。裏切らない。ノリスはいつだってノーサイドだ。海に浮かぶサーフボードよろしく、流れ着いた場所で生きるのが彼のスタイルなのだろう。

僕は少々結果を急ぎすぎているのかもしれない。人生の悩みの大半は「結果を急がないこと」で解決すると思っている。ゆっくりでいい。今日できることを確実にじっくりと。

サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。