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努力は見せるもんじゃねえ
今日も汚い話で大変恐縮だが、腹の立つ出来事があったのでご報告させていただく。
こちらのnoteの読者様にはもうお馴染みだが、今日もバスに乗っている最中に強烈な便意に襲われた。おそらくバスの揺れが僕のお尻ゲートを刺激するのだろう。時間的にもゴールデンタイムだった。僕レベルになると、ピンチの状況でもそれくらい冷静な分析ができるようになる。
バスが駅に到着し、僕は構内のトイレへと全力で向かう。
待ってろ。もう少しだからな!
僕はお腹に向かってそう念じ、いや、実際に声に出てしまっていたかもしれないが、ともあれ爆破せずにトイレに着いた。問題はここからだ。洋式便器が空いているかどうかが焦点になる。マインド的には「すぐできる」と思い込まず「あと5分はかかる、5分はかかるぞ!」と言い聞かせることがポイントだ。勝手に思い込んで満員御礼だったときの絶望感は死を表す。
洋式トイレに、空きはあった。vacancyを示す青色が目に入ったのだ。なんとか助かった。僕は「ショーシャンクの空に」で脱走に成功した主人公の如く、悠々とドアを開ける。
その中には男がいた。
彼はスマホを片手に、もちろんうんちをしていた。僕らは目が合う。お互いに何が起こっているのか分かっていないようだ。僕は「すいません」と言ってドアを閉めた。
とにもかくにも次の空きを探さないといけない。幸運にも隣の個室が空いていたのでことなきを得た。便座に腰を下ろし、フッと息をつく。ピロリの薬を飲んで以来便の質がすこぶる良い。
さて、僕がさっき見たものは何だったのか。
他人がうんちしている姿をあれほどまでにマジマジと見たのはいつぶりだろう。赤ちゃんでさえもオムツの中でこっそりするというのに、あの大学生風の男ときたら。ったくもう。
そういう性癖なのだろうか。ハプニングを装って自分が排泄しているところを誰かに見てもらいたい特殊性を持っているのかもしれない。だとしたら仕方ないが「すいません」と言ってしまった自分に腹が立つ。なにが「すいません」だ。僕が見たかったみたいじゃないか。
次にもし同じ状況になったら「すいません」以外を瞬時に言いたい。何がいいだろう。
「出てますか?」
「中で待ってもいいですか?」
「今日暖かいですね」
なんでもいいけど、うんちは誰にも見せないほうがいいよね。
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