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オーストラリア引っ越し歴

オーストラリアに住んでいた4年間だけで引っ越しを少なくとも10回はした。車にキャリーバッグとリュックを積めば大体のことは何とかなるので、フットワークは日本にいた時のそれと比べてかなり軽かったと思う。
新しい家を探す際に、不動産屋を通したことは一度もない。向こうではシェアハウスの文化があって、FacebookやWebサービスを使うと無数にシェアメイト募集の案内が出てくるのだ。日本じゃ考えられない。住居に関してはおそらくこれから経験できないであろう生活体験ができたと思う。

コロナ禍では中国人女性と幽閉されるが如く2人でデカい家に住んでいた。仕事もなく特にやることもなかったので「愛の不時着」を全話2日間で観た。そのハウスメイトは何かの吹奏楽器でLet it beをずっと練習していた。ロックダウンが解除される頃には一曲完璧に演奏できるようになっていた。

メルボルンのとある日本人家族と知り合い、彼らの一時帰国に際して「留守番と犬の世話」という名目で無料で1ヶ月間一軒家に住ませてもらったこともある。

スカイという名前のとても賢い犬がいて、しかも大好きなメルボルンに住めたのはとても幸福であった。

シドニー郊外のブラックタウンというインド人が多く集まる地帯には1年間住んでいた。昼はホームレスをたくさん見かけたし、クスリとアルコール中毒のバイリンガルみたいな人もたくさんいたが、夜になるとなぜか静かになる住みやすい街であった。
ブラックタウンでは台湾人女性とオーストラリア男性夫婦の家の一室を借りていた。3歳くらいのジェームスという男の子がいたり、他の台湾人フラットメイトがいたりして家の中は常に慌ただしかったが、笑顔の絶えない良い家だった。

家の近くにはエキゾチックなカフェがあって、よく行っていた。僕が行くと日本の歌を店のBGMにしてくれる親日なカフェだった。
ブラックタウンに行くことがあればぜひ。

Two By Four Cafe
Fairwater Boulevard Fairwater Sales and Display Centre, Blacktown NSW 2148

その家族は、旦那さんの生まれ故郷であるタスマニアに引っ越すことになったため僕たちも退去を余儀なくされた。
幸いにして、近所に住んでいた一人暮らしの女性がハウスメイトを探していたので、運良く受け入れていただいた。彼女もやはり親日で、日本の学校で英語を教えていたこともあるそうだ。ケイラという名の大きい犬と、サリヴァンとプースキンという2匹の猫もいた。

寝る時間になるとベッドに登ってきて一緒に寝るので、ムツゴロウさんの気持ちが少し分かった気がする。彼らは裏切らない。

他にもコロンビア人カップルの家の一室に住ませてもらったり、CAをしているオーナーの新築をほぼ独占状態で使わせてもらったりと、住居には本当に恵まれていたと思う。僕が日本人だということもアドバンテージだった。先代が「日本人は誠実で綺麗好き」というオーストラリアでのイメージを作ってくれたおかげだ。

ただ、シェアハウスといえども家賃はやはり高い。シェアハウスで、カップルルームとしてパートナーと一室借りて、やっと日本の一人暮らしと同じくらいの家賃になると思う。東京の家賃も高いが、シドニーで一人暮らしをするとなると、相場は倍くらいを見た方がいいだろう。

リュックとキャリーバッグさえあれば、人は異国の地でも生きていける。物は持ちすぎない方がいい。その方が多くの犬と猫に出会える。

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松本拓郎
サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。