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大統領チック

アメリカのトランプ大統領が就任早々暴れまくっている。

まず公約通りに、バイデン政権から続いていた多様性政策(DEI)の取りやめを発表した。それに引き続き大統領任用者を1000人解雇すると宣言。プーチンにも会いに行って戦争止めるでー!とも意気込んでいる。

良くも悪くもこのスピード感と大胆さはアメリカだなと思う。トランプさんはまさにその大国の象徴だ。ハンバーガーとコーラがよく似合う。特にトランスジェンダーに係る政策の切り捨ては、あまりにアメリカンスケールすぎる。
就任会見で、あるいは選挙前の演説でこれの断行について語った時、彼は「男か女かしかない」ということを強調した。あくまでそのスタンスは差別とかではなく(そう信じたい)、概念のシンプル化であり、「マイノリティのために振り回される時間と金」に配慮したものだろう。

それでも、である。軍隊からトランスジェンダーを排除するまでの徹底ぶりは「差別」と捉えられても何ら不思議ではない。右も見ても左を見ても多様性!多様性!と叫ばれるこの2025に、生死の境を彷徨い復活してすぐに「はい!今日から男か女かしかないので。解散してください!」とダクトを振る決断力は凄まじさすら感じる。だからこそ彼は米国大統領でいれるのだろう。

分からないでもない。LGBTQというワードが市民権を得たように、男と女という括りだけでは語れない人たちがたくさんいることは僕だって知っている。しかし「行きすぎた多様性の尊重」を目にした時は、トランプ氏と同じように首を傾げてしまいそうになる。でも世間の目が厳しいこの時代に「あのオリンピックの女子選手さ、男だよね?」なんて言えない言えない。口が裂けても言えない。「あのおっさん普通に女子トイレ入っていったけどキモくね?」なんて言えない。性自認は女性なのかもしれない。
そんな空気の読み合いなどお構いなしにバッサリ切ってしまうトランプおじは、やはりリーダー気質なのだと思う。

何かを得たいなら、ポジションとリスクはしっかり取った方がいい。トランプさんを見ていると身につまされる。
僕は映画館で映画を観る時、どんなに楽しみにしていた映画でも必ず端っこの席を取る。いつでもトイレに行けるようにするためだ。しかし毎回後悔している。トイレなんて結局行きたくならないし、端っこは無茶苦茶見にくいからだ。
もしトランプだったら、メラニア夫人を横に座らせ、ど真ん中を陣取るだろう。両脇にはLLサイズのポップコーンとコーラ。お気に入りの席が誰かに取られていようものなら、100ドル札を渡して移動させる。もっと言えばチケットすらも買わずに入場して来るだろう。「俺はあの映画をど真ん中で観るんだ!」の一点張りで映画館に来るはずだから。僕もそうありたいな。

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松本拓郎
サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。