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英検1級を取らないといけなくなりました④

前回までのあらすじ
会社の「偉い人面談」で「この仕事してて英検準一級も持ってないのはあり得へんから」と言われ、カチンときた僕は「どうせなら1級取りますけどねえ」と失言してしまい、来年の7月までに取得しなければならなくなった。まずはmikanという心強い相棒アプリに出合い、コツコツと努力を続けているが、、

仕事で英語を使う環境にあるといえど、仕事で使う英語など決まった単語や言い回しが多いので、実はそこまで英語力が伸びる環境ではない。プラスアルファで自発的な努力が必要になってくるので、この度オンライン英会話を始めた。登録したのは最大手ネイティブキャンプさんだ。ネイキャンさんは6年ほど前にお世話になったきりだが、その頃とは料金体系もシステムも様変わりしていて驚いた。まず料金プランだけでも6パターンくらいあって、やや複雑化している印象を受けた。大体の目安としては月ベースで8,000円くらい払っておけばフィリピン人講師のレッスンが24時間受け放題、20,000円くらいでネイティブ講師も受け放題といった感じか。お気に入り講師の授業を予約するにはプラスでコインを買う必要がある。

講師は無数に待機しているので「今すぐレッスン」は確実に、その名の通り今すぐ受講できる。つまり講師はオンライン状態にしている限り、常にモニターの前に待機しており、1分後には授業が始められるようにスタンバイしているのだ。とんでもないビジネスをしてやがるぜネイキャンさんよ。

「自分の課題」と「オンラインレッスンでとっつきやすいもの」、その両方に当てはまるのは発音だったので、発音教材を「今すぐレッスン用の教材」としてあらかじめセッティングしておく。あとは気になった講師を選んで、今すぐレッスンを始める、というボタンをクリックするだけだ。コートニーという名の美しいフィリピーナの写真が一際目立っていたので即決。君に決めた!
本当にすぐ始まるんだろうな?と疑っている間もなくレッスン時間の選択画面へ移る。オンライン英会話というと大体25分間だが、ネイキャンさんの今すぐレッスンでは5分から選択が可能だ。5分だった場合、講師の給料はどうなるんだろう。そんな無駄な心配もしつつ、本当は25分間にしてあげたかったけど初めてということもあり、僕は15分間を選択する。すまないコートニー。

コートニーは本当にすぐに現れ、何日も前から予約を受けていたかのように自然と授業をリードし始める。挨拶も軽くしたくらいで早速教材へ入ろうとしたのでさすがに止めた。
「ウェイウェイウェイ、俺今日初めてやねんけど、あなたはいつでも始めれるようにずっと準備してるん?」
「そうやで!!」
「ヒェェ」
「じゃあ発音の教材やね。始めるで」

教材にもまた驚かされた。発音の練習として読む英文があるだけでなく、録音機能があるのだ。
コートニーは「録音ボタンを押してから話してな」と言うので言われるがままに録音を開始し、英文を読む。録音して何が起こるのだろうと思っているとチャットボックス内で僕の発音がAIによって採点されている!そしてどこにミスがあったのか細かく示してくれている。
「anがaになったてたなあ。じゃああんたの録音聞いてみよか」
コートニーは僕の声を再生する。AIが指摘してくれた箇所は確かに発音がおかしかった。弱点だけをコートニーと一緒に練習する。
「うん!だいぶ良くなった!じゃあもう一回録音して練習しよか」
もはやこうなってくると英語講師に求められるのは講師としてのスキルではなく、ある種のコーチングスキルだ。

15分だったけれど満足度はかなり高い。ゲームにハマる時のような、また受けてみたいと思えるシステムが構築されている。1万円とか2万円の価格帯でこんなことをされてしまうと、留学業界にとっては大打撃だろう。家にいながらにしてオンライン留学みたいなことができてしまうのだから。

しかし、講師と生徒の関係性はなかなか構築しにくいと感じた。回転率重視だから腰を据えてじっくりというわけにはいかない。講師も1日に何人も見ることになるから、生徒のパーソナルな情報を覚えることができないだろう。だったらAIと一日中話してればいいんじゃないの?と思ってしまう。ただ英検1級が取りたいわけではない。異文化を知り、自分の世界を広げながら取り組んでいきたいのだ。

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松本拓郎
サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。