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プロ意識低すぎ。ガッカリしました。ファン辞めます。
アンジュルム(ハロプロ)を好きになってかれこれ7~8年になります。もう古参と言われるような年数なんでしょうか。自分はアンジュルムを知るまで誰かのファンになったことがなかったのでオタク文化というものに大変感銘を受けました。メンバーの誕生日となればファン有志が企画を立ち上げ、アイドルに喜んでもらうために奔走していて驚くとともに感動していました。
誰かを応援することにエネルギーを使うって素晴らしいことだなと思います。ただ、定期的に残念なこともあります。特にアイドルに不祥事や問題が起こったときにファンに失望を覚えます。まあみんな人間なんでね。ただ素晴らしいなんてことはなく、良いところも悪いところもあるのが当然です。
だから失望したからって「オタクはクソだよ」なんて切り捨てる気持ちにはなりません。でも個人的にどうしても我慢ならないこともあります。それが「プロ意識」と「ガッカリしました。ファン辞めます」です。
プロ意識
プロ意識っていうのはすごく都合の良い言葉ですね。アイドルに向かって(または誰かに向かって)プロ意識がないというとき、その言葉の定義をキチンと決めてから発しているんでしょうか?
僕は若いころ小劇場で役者をやっていました。小劇場では役者にギャラが出ないことがほとんどです。チケットを売ればバックがあることが多いですが、ギャラと呼べるほど貰えることは稀です。僕も何度も言われた気がしますプロ意識を持てと。ギャラをもらっていない役者はプロと呼べると思いますか? お客さんからお金をもらっているんだからプロだろうと言う人もいるでしょう。そうかもしれません。プロ意識を持ったプロとして、お金がもらえずに食えないからバイトをするわけですね。
キチンと定義せずに使っているなら「プロ意識がない」と発言するときそのプロ意識はあなたの心の中にしか存在しない。「私にとって都合の良い存在じゃなくなった」と言っているのに等しいと思います。
ひとつ提案なんですがSNSに書くときは「アイドルとしてのプロ意識がない」なんてごまかさずに「あなたは私にとって都合の良いアイドルから離れた。もっと私の理想像に近づきなさい」と書いてみるのはいかがでしょうか。その方がよっぽどわかりやすいし、あなたがどんな人なのか具体的に表現できるようになると思います。
「ガッカリしました。ファン辞めます」
これも多いですよね。こういう発言を見ると僕はいつも不思議なんですよ。わざわざ宣言しないでファン辞めればいいのに。なんで宣言するんでしょうか。誰もが誰かに失望する権利があるし、ガッカリしたりファン辞めたりまた応援しだしたり嫌いになったりしていいんですよ。誰に許可を求める必要もなければ、公に宣言しなくてもいい。まあそんなの当たり前だろと言われそうですけど、じゃあなぜSNSに書くのか。心のなかで思うことと、それをSNSに書いて発表するのはまったく別の行為です。あなたがSNSになにか書くとき、なんらかの目的があって書いているはずです。だって書かなくてもいいんだから。誰かに強制的に書かされているんじゃないのなら何か目的がありますよね。
僕は誰かの応援を辞める時にそれをSNSで公表したことがないのであくまで想像ですが、なぜ「ガッカリしました。ファン辞めます」と書いてしまうのかというと攻撃なんじゃないかと思います。自分が傷ついたんだからその分相手も傷つけたい。あなたの行為が原因でファンが一人減りましたよ。ダメージを受けてください。ということなんじゃないかと思います。
まあ他にも目的はあるかもしれませんね。ファンコミュニティが出来上がっているなら、傷ついたアピールをして仲間から慰めてもらいたい、とか。
もちろん傷ついたなら傷ついたと伝えていいんですよ。だからこれもごまかさずに伝えた方がいいと思います。「あなたの行為によって私はすごく傷つきました。だからあなたのことも傷つけたい。ファン辞めます」とかね。
反論する自由
アンジュルムファンの友人としゃべっていて不思議だったのは、みんな割と自分たちを卑下するよなあということでした。誰か(アイドルとか)を応援するのってなにもダメなことじゃないと思うんですけど、「私みたいなのに応援されて」とか「あの子は頑張ってるのに私なんて」みたいにずいぶん卑下してるなと思います。応援しているあなたと応援されている誰かは対等な関係だと思います。相手を持ち上げる必要もないし自分を卑下する必要もありません。当然、アイドルが批判されうるならあなたも批判されうるんです。アイドルがその行為によってあなたに批判されるなら、ファンであるあなたも行為や発言によってアイドルから批判されて当然です。そしてその関係はファン同士でも成り立つし、年齢性別によらずすべての人に成り立ちます。
とはいえこういうことを書くと「それなら社長と平社員は対等なんだからいくらでも社長が平社員を批判してもいいだろう。平社員からも言い返せばいい」とか言い出す人がいるかもしれませんが、社会の権力勾配を考えないと対等にはなり得ません。
アイドルとファンの権力勾配はどうなっているんでしょうね。ファンの方が下だと思いますか?僕はそうは思えません。だってファンにはアイドルを応援しない自由がある。今の多くのアイドルに「あなたには応援されなくてもいい」と言える自由があると思いますか? あなたが応援するアイドルを選ぶ自由があるのなら、応援される方にも選ぶ権利があってしかるべきです。
その自由が保障されればファンも自分を卑下する必要がないんじゃないかと思うんですよね。「私なんかに応援されて嫌だろうなあ」と思ってしまうのは相手に嫌だと言える権利がないからですよね。嫌なら嫌だと言ってくれると信頼できれば自分を卑下する必要はなくなります。
何を書いてるのかわからなくなってきましたが、僕がこの文章を書いているのは怒っているからです。怒りの表明として書いています。僕は僕の権利としてアイドルファンへの怒りを文章にしています。プロ意識がどうのとか「ガッカリしました」とか書いてる人を傷つけたくてしょうがないんですよ。傷つけるという目的で文章を公開します。
当然、僕とみなさんは対等なのでこの内容を受け取ってもいいし鼻で笑ってもいいし、批判してもいいです。世の中に公開しているんだからあたりまえです。でもそれは、批判に対して僕が反論する自由を持っているからです。アイドルは、ファンからの批判に対して反論する自由を持っているんでしょうか?
反論する自由や能力を持たない人に対して批判をぶつけるのは、ただただ卑怯であると僕は思います。だからまあ、「お前!卑怯だぞ!」という批判は真摯に受け止めます。