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感性を大切に、消費しながらゴミを減らすこと。 わたしたちの選択が未来を変える。

11/28(日)、茅ヶ崎のコワーキングスペース チガラボにて【オシゴト湘南】と【サステナブルライフ研究会@湘南(サス研)】のコラボイベントが行われました。タイトルは、「UPCYCLE JAPAN代表西村さんと考える、”サーキュラーエコノミー”って実際どうなの?会」。
この記事では、とっても参加者の満足度が高かった、その会の内容をレポートします。

まず、コラボ開催の2つの活動を簡単にご紹介。
【オシゴト湘南】
みんなのリアルな「コレいい!(推し)」を持ち寄る、湘南推しマガジン

【サステナブルライフ研究会@湘南(サス研)】
みんなで、みんなに、「大丈夫力」をつけ、湘南をもっとサステナブル (持続可能) なまちにデザインしていこうという人たちの循環コミュニティ

2つとも、チガラボから生まれた活動で、広義な意味でサスティナブル(持続可能)がテーマの活動なのです。

今回は、オシゴト湘南 編集長がローカルの循環が重要だと考えながら街を歩いていた時、UPCYCLEというフリーマガジンを発見、「この活動はまさに循環だ!どういう方がどういう思いでどんな活動をやっているんだろう?みんなで聞いてみたい!」と思ったことがきっかけとなり、立ち上がったイベントでした。

ゲストとしてお招きしたのは、そのフリーマガジンを製作されている、UPCYCLE JAPAN代表の西村正行さん。
https://www.upcycle.co.jp/
茅ヶ崎堤を拠点として、アップサイクルな活動を広報・応援・支援する、同じ思いで集まったアップサイクリスト集団です。大量生産を軸にした20世紀型のモノづくりから、地球の笑顔を想像する新たなモノづくりへサーキュラーエコノミー(循環型経済)の礎に。と活動されています。

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「サーキュラーエコノミー」とは…?

そのフリーマガジンの名前でもあり、社名でもあり、最近よく耳にする「アップサイクル」という言葉。そして「サーキュラーエコノミー」という言葉。お話に入る前に、言葉の意味を再確認してみましょう。

まずは、もう一つ上の、経済活動の概念、「サーキュラーエコノミー」から。

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以前は、左の「リニアエコノミー」が主流だったそうです。これは原料を生産して消費して、それが廃棄物になる直線的(リニア)なもの。ただ大昔は、自然なものが土に還り循環するので、「廃棄物」というもの自体がなかったようです。

次に、真ん中の「リサイクルエコノミー」が主流に。
消費したものをもう一度生産に回そうというものです。廃棄物の量は減りますが、まだまだ廃棄物はでてしまう関係性ではあります。

そして現在は「サーキュラーエコノミー」が注目されています。
廃棄が前提とされていた製品や原料などを、生産・消費などのラインに再び乗せ、廃棄物を出さずに資源を循環させるエコノミーです。

「アップサイクル」は、このサーキュラーエコノミーの柱の一つなのですって。上記の図を見ると、わかりやすいですね!

「アップサイクル」は「リサイクル」の進化

では、続いて「アップサイクル」について。
「リサイクル」との違いは?というと…

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リサイクルはいったん使用済みの製品を、資源の状態に戻し再度製品を作るもので、同様の品質の製品、または少し品質の下がった製品に生まれ変わらせることを言うそう。

一方、アップサイクルは使用済みの製品を使い、価値の高い製品を作り出すことを言うのだそうです。なるほどなるほど〜

UPCYCLE JAPANさんは、これをされているのですね!

確かにWEBサイトをみても、めちゃくちゃ素敵なのです!
「質・クオリティの高さ・価値」、これはキーワードになりそうです。

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西村さんのライフストーリーと、
“勿体ない”という思い

お待たせしました!ここからが西村さんのお話です。

木工が好きで家庭科でのカバン作りなども得意だった幼少期、
強い男に憧れ体を鍛え、やんちゃだった学生時代を経て、
工務店で働くことになった西村さん。

「仕事は見て盗め」というスタイルの職場で、仕事後に端材を使って技術を習得する中、木の継ぎ目を出さない日本の建築では、端材がたくさん出ることに気づき、“勿体ない”と思っていたのだそう。

そんなお仕事のとある現場で、同現場の端材で練習のため作ったティッシュケースを依頼主にプレゼントしたところ、涙が出るほど喜んでもらえ、西村さん自身も深く感動した経験があり、それがご自身の「アップサイクル」の原点になっていること。

“勿体ない”から物を作ることが、他者と自分の心からの喜びにつながった瞬間のお話しから、聞いている私たちにも感動が伝わってきました。

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そこから、仕事の合間に古材や河原などに落ちている流木を使いフォトフレームを作り出すようになったそうなのですが、
その作品が2012年ごろInstagramでバズりだし、(しかもその頃instagramの使い方を間違っていたらしいのです、、笑 とてもキュートなお人柄が見えるエピソードでした)
商品ではないのに「買いたい」というオファーが届くように…!
そうこうする間に、月に15万ほど売れてしまうようになったそうですよ!!

当時はまだまだ「端材=ゴミ」という価値観が強く、仕事仲間からも「ゴミで商売するなんて」という言葉もあったようですが、古材やアンティークの物を使ったインテリアが注目されるような時流にも後押しされ独立。
ここまで聞いていても、なんだか大きな流れに応援されているようなお話しでした。
面白いなぁ〜かっこいいなぁ〜


ここで個人的に心に残っているのが、「古材や流木で作ったフォトフレームを買いたいと言ってくれるのが、湘南か東京の人だけだった」という言葉。
これを理由に、独立して湘南に移住されたそうなのですが、やはり湘南の人たちは感度が高いのだなぁと感じました。
(暮らしていても感じます。自然と良いバランスで暮らしているからでしょうか…)

“勿体ない”から、“アップサイクル”へ!

居をうつし、新たなステージに立った西村さん。
その西村さんと「アップサイクル」という言葉の出会いは、この独立した時なのだそう。
「廃材」の「廃」の文字が気になり、「古材」にするか悩んで色々調べていたときに、「アップサイクル」という言葉にとうとう出会い、
今まで自分が大切にしていたものが言葉や概念で提示されて、タガが外れ「木」という枠さえ吹っ飛んだ!とお話しされていました!

その後、、
質の高い古デニムで作ったダルマを作るバイトくんや
魚屋で不要なお魚だけで料理する「Kai's Kitchen」の甲斐さん
など仲間が集まってきて、自分たちでも、何かアップサイクルのムーブメントが起こせるんではないか!と行動を開始し、
茅ヶ崎のラチエン通りに4畳半のスペースを借りて、「自分が考える、これがアップサイクルだ」と思う品物を全国から集めてPOPUPショップを展開!
すると、告知もあまりできていなかったのに、とってもたくさん人が来てくれたのだそう。

この経験で、西村さんは、
人が集まるクオリティの高さ・かっこよさの重要性を改めて感じ、
次に、人々の「社会貢献したい」という意思を感じたのですって。

現在のモノづくりに対する価値の低さ。
お金にならなければ継続できないことがある。

だから、古くなったモノや捨てられるモノに、その道のプロが新たな価値を与えて息吹を吹き込みかっこいいモノを作り
消費しながら(経済を回しながら)ゴミを減らそう」そう考え、
アップサイクルジャパンは非営利ではなくて営利にしようと、株式会社にしたのだそうです。

ライフストーリーを混じえて活動をお聞きすると、全ては個人のこういう物語から始まるのだなという感動と、納得感があり、
西村さんの在り方から聞く人全てが力をもらったようでした。

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UPCYCLE JAPANの今と未来

そこから、UPCYCLE JAPANは、「アップサイクル」を広めることをミッションとし、トライアンドエラーを繰り返しながら、もったいない食堂 @mottainai.shokudo やフリーマガジンをはじめ、その他様々な活動をしています。

UPCYCLISTとして、加盟店16店舗、作家・アーティストを7名の仲間と連携しているのですが、この仲間集めの方法も面白く、ピンときたところに、DMやお問い合わせフォームへのメッセージを送りまくる作戦!(笑)
「2年だけお金を頂かないから付き合ってほしい!その間に有名にするから、2年後からはお金をください」とお誘いをしたんだそう。
そして、ここからもすごいのですが、有言実行で、さまざまなメディアに出演され、知名度をグングンあげていっているのです!
情熱が伝染していっている感じがします。

2年くらい前に引っ越した葉山では、「葉山の木材で家を建てたい」というところから森林組合の現状を知り、組合を持続可能にする施策として、
間伐活動で生じたヒノキの“梢”や“下駄”をレスキューし、アサヒビールと「梢プロジェクト 森のタンブラーHINOKI」を製造。
(これもなんと、アサヒビールのお問い合わせフォームにメッセージを送る作戦から実現!)

アイデアと行動力で、活動はこれからも、どんどん広がって行きそうです!

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地球の笑顔を想像する新たなモノづくり

アイデアと情熱と行動力で、様々なことを形にしていく西村さん。
とにかく人間力がすごくって、とってもチャーミングな方でした。

「今残っている活動の倍くらいは色々やってますよ。で、やってみてダメだったらやめればいいんです」

「アップサイクルかどうかに、あんまりこだわり過ぎなくてもいいのでは?と思っています。気分が上がれば「アップサイクル」でいいじゃんと思う。」

「急に高みを目指さずに、できることからやっています。」

のような言葉からも感じられるように、その柔軟さや自由さにも、
参加者一同、目から鱗というか、枠を外してもらった感覚がしました。


私たちも、自分の「よい!」と思った感性を信じて、地球や自分も含めた地球にいる人々のためのプロジェクトをはじめてみてもいいんではないでしょうか。
そうしたら、サーキュラーエコノミーは間近なのかもしれない、そんなことを感じさせてくれる時間でした。

少人数だからこそ聞ける内緒話もいっぱい!(笑)これは書ききれませんが、素敵なお話をありがとうございました、これからも活動を応援していきます!

WEB> https://www.upcycle.co.jp/
instagram>https://www.instagram.com/peace.craft/

レポート:しょこたん

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