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1人の100歩と100人と1歩は交互に行き来するのではないか?
この内容はポッドキャスト「シゲさんの愉快な仕事」でも話しています。
1人の100歩と100人の1歩の行き来
昨日、岐阜の企業さんを訪問してきました。金沢の企業さんからのご紹介でした。その金沢の企業さんはコロナ前から研修を実施していて、その後の業績が非常に良くなっていたんです。
金沢の企業さんは年商60億くらいの規模だったのが、今度ご紹介いただいた企業さんは160億くらいの上場企業さん。TOCゲーム研修をぜひ実施してほしいということでした。
しかしどうやってこの社員数600名以上の大きな組織に、TOCの考え方を浸透させることができるでしょうか? あ、浸透って言葉は上から圧をかけるようであまり好きではないですね。皆さんが考え続けて改善し続け、改革をする土壌を整えていくかということです。
そこで思い出した言葉が「1人の100歩と100人の1歩」という言葉です。普通は「1人の100歩より100人の1歩」というふうによく言われるんですが、これからの冒険する組織というのは、1人の100歩と100人の1歩を交互に、両方行き来するんじゃないかなと考えてみました。
研修の成果が上がった成功パターンとは
金沢の企業さんの成功パターンを振り返ってみると、最初は一人の幹部の方が非常に熱心に外部まで学びに来ていただいていました。
その後、金沢に伺って役員さん5人と一緒に2日間の体験学習、ゲーム研修を実施しました。経営層の皆さんが共通体験をして合意が取れ、これを幹部から全社員に広めていきたいという流れになりました。
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最初の一人の熱心な方の「1人の100歩」があり、それが5人の役員での「チームの一歩」に広がっていきました。
その後、研修を受けた100人くらいの中から感度の良い方数人を社内インストラクターとして育成し、常時研修ができる体制を作りました。最初は7人くらい引き上げて、その中から3人が定常的に必要な方々に伝えられるようになり、小規模の研修が日常的にあちこちで行われる形になっていったんです。
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ここでも社内インストラクター希望者が手を挙げるという「1人の100歩」があり、そこから共通言語が広がって社内プロジェクトが動く出すという「100人の1歩」があったわけです。
大企業の合意形成が大変とは必ずしも言えない
企業での改革では必ず抵抗が出てきます。TOCの理論では「抵抗の6段階」という議論がされているくらいです。でも、その抵抗する人が実は結構面白いんです。
反対する原因というのは、だいたい自分が大切にしていたことがないがしろにされているという感覚からくることが多いんです。
例えば職人さんが方法の変更に抵抗するのは、時間をかけてやりたいと思っていた大事なことができななるんじゃないか?とか、自分しかできない仕事が奪われる=やりがいが失われるとか、
さらにお客さんに自分の作ったいい製品が届かないんじゃないか?という思いがあって、しかもそれがなかなか言語化できないから抵抗という形で出てくるんです。
でも、そういった抵抗要因は一つ一つ対話していったり、何を大事にされているかを聞いていくことで、「抵抗の6段階」を「合意形成の6段階」に変えることができます。
実際には、研修を受け入れないだろうと思っていた人が急に反応が良くなったり、「これ、前から俺が言おうと思ってたことなんだ」という人が現れたり、予想外の展開が起こってきます。
大企業さんの場合は多様な人材がいる分、そんな「思ったよりも良い予想外」が起こり、それを拾い上げられるチャンスも多い。大企業さんだから組織の調整が大変だ!ということは必ずしも言えないのかなと気が付きました。
こんな解釈もできるかも知れません。100人の1歩を行おうと思ったら、1人の「抵抗」というリーダーシップが始まって、そこから100人が考え対話するようになる。これもある意味、1人の100歩と100人の1歩の行き来していると言えるでしょう。
皆さんの組織は1人の100歩ですか? 100人の1歩ですか? それとも行き来していますか?