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研修は「講師 vs 受講者」なのか?


教える立場の長年の課題


研修講師を長くしていますが、最近の受講者の言葉で一番心に刺さっているのは

「自分でできる気がしない」

という言葉です。

またか! まだその長年の課題から抜け出せていないのか!

相手の個人・組織ともに膨大なポテンシャルがある。「こんなもんじゃない」と感じている。

私たちは他人だからさらによく見える。ある意味相手よりもその可能性を信じている。

既に持っている潜在力を発揮してもらうために、必要な方法を学び、実際にやってみて、プログラムも設計してきた。

それでもまだ相手は「自分でできる気がしない」!

相手の学びと仕事の日常が明らかに乖離している。これを繋ぐものは何なのか? という問いが常にありました。

実は5つもハードルがあった


この言葉を言われてから、改めて集中して考えました。

すると実は… 結構たくさんのハードルがあるのでは?

1.あんただからできんじゃね?:職人芸のように思えてしまう
2.つまりどういうこと?:抽象と具体の行き来を訓練したことがない
3.言ったもん負け?:自分が実践する職場環境の評価が気になる
4.見捨てられる?:対人関係の凝り固まりで、応援が得られそうにない5.どーせムリゲー。:そもそも行動を突き動かす衝動にフタがされている

5つも並んでしまいましたね。もっとありそうにも感じます。

しかしこう並べてみて感じたことは。。。

「それは講師の役割の範疇ではない。受講者が自分で努力すること。」

と考えられてきたことが多いのでは?ということです。

「vs バーサス」 ではない「縁側力」を開発する


大企業では組織開発・組織デザインと言われる分野が進んで、働く人と人とを有機的に繋ぎ、架け橋を創る知見がかなり蓄積されてきました。

私たちの場合はご縁あるフィールドの中小企業において、それらの先行研究を規模感に合うように調整して活用させていただいています。

人と人との間に心地よい繋ぎのスペースを創ること。

こんな内でも外でもない、創発の場を創る力を私は「縁側力」と呼んでいます。

縁側という和の言葉から何を想像されるでしょうか? 私はこんな情景が思い浮かびます。

お茶、余裕、落ち着き、雑談、和やかな対話、ゆったりとした時間、相互の理解。

こんな時間が持てている間柄には、コミュニケーションが速く流れる。

結果として良い関係性を育み、イザ事をなす時には共に成果を創る。

チーム力の土壌とも言うべき縁側力は、「場」を形成する講師と受講者の間にも開発できるはずです。

今後、最近の縁側力(組織育成)と実践知をかけ合わせて、上記の5項目を順番に考察していきたいと思います。

次回の記事は「1.あんただからできんじゃね?:職人芸のように思えてしまう」について書いてみましょう。


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