現実には対立など存在していない
先日、久しぶりに自分のことを「プロの素人」と紹介されて嬉しくなった。
プロの素人の仕事は、子どものように「なんでそんなことやってんの?」と諦めずに問い続けること。
そして「現実には対立など存在していない」と信じて疑っていないこと。
「現実には対立など存在していない」って?
何を子どもみたいにバカなこと言っている? と思われるかも知れない。
しかし、一番残念なのは「対立があるから仕方ない、妥協する、諦めてる」ってことなんだ。
ちょっと事実が見えていなかっただけで、ちょっと思い込んでいただけで、諦めているのを見るのが嫌なんだ。
よくこんな例が語られる。
ビルの高さを2人がそれぞれの方法で測ったら、1人が95メートルと言って、1人が105メートルと言った。
その時、人は「じゃあ間を取って100メートル」と言うだろうか?
絶対にそんなことはしない。
どちらかの測定方法が間違っていたのか? どちらも間違っていたのか? それとも途中で階が増えたのか?
いろんな方法で「前提がそもそも間違っていたのではないか」と徹底的に確認する。
絶対に妥協しない。
プロの素人は、仕事や日常生活で対立があった時、同じような熱量で考えてる。
ビルのように危険ではないけど、人がスイッチを自分で切ってしまっているのが凄く残念だから。
よく使う問いは、
「そう思うようになったのはいつから?」
「そう考えるようになったのはいつから?」
「そうするようになったのはいつから?」
「なぜ?」の質問は答えにくいことも多いけど、今までどんなストーリーがあったかは答えやすい。
その人のストーリーにも関心を持てるし、きっかけの出来事もわかるし、目的が言葉だけでなく感情的な全体像もひっくるめて理解できる。
お互いが大切にしてることがわかると、自然とお互い第3の方法を考え出す。
そういう「いい風景」を見るのが嬉しい。
だから自分はやっぱり「プロの素人」であり続けたいと思う。
明日は急遽、大分の初めての工場を訪問することになった。
明日も子どもみたいに好奇心旺盛で、大人のように相手に関心を持てる素人であろうと思う。