Laika Aged Through Blood 感想部
2024年の初頭、自分は珍しいことにアクションゲームを衝動買いした。
クリアして数ヶ月も経ってしまったが、せっかく日記をつけることにしているので記憶が風化する前にここに記しておく。
ストアページ
https://store.steampowered.com/app/1796220/Laika_Aged_Through_Blood/
◆荒野と、そこに広がる死、あるいは精霊
人が死ぬ。子供が、それを守ろうとする大人が、出会った人々が、ゴミのように死んでいく。
核戦争の後と思しき地平線まで続く荒野で、シャーマンと共に暮らす少数の人々のコミュニティを守る巫術の戦士ライカが帝国を名乗る大軍と戦う様を描いたストーリーなのだが、スプラッタな演出と展開に容赦がない。
起動前に子供に対する暴力描写に対する警告が入るという今までのゲームとは訳が違う演出をされ、実際チュートリアル部分で集落の子供が敵によって凄惨な殺され方をするという衝撃的な出だしから始まり、プレイヤーはライカを通して怒り、復讐心、あるいはこの悲劇の終わりを求めて、戦いへと強制的に突き飛ばされていく。
これは実物を見て欲しいのだが、主人公のライカは集落の守り手でありながらシャーマンでもあるため、死者の魂と会話できるという設定がストーリーの要所を引き立て、それがまた絵面が良い。2Dのスプライトを動かしているタイプのメトロイドヴァニアは今では溢れ返った存在だが、そうであるが故に凝った演出の一つ一つが個性を生んでいる。
物語の展開で度々敵ではないNPCの死に立ち会う。皆何か思い残し、こうではなかったはずなのにという心の瑕を吐露し、ライカに後を託して死ぬ。いや、元々死んだ世界の上で「本当はあの時死んでいるべきだったモノ」に引導を渡していく物語とも解釈できるのかも知れない――。
とまあ、この物語は死と流血に彩られている。そして、だからこそ、このゲームで見ることができる『最後の流血』が持つ意味がグッと存在感を増しているのだ。
――愛してるわ。
◆犬、鷲、聖なる土地
上にめちゃくちゃ良いこと書いたけど実のところ自分はFurな畑で生息しており見た目につられて買った。後悔はほぼしていない。かわいいし。手書き風ながらアニメーションが豊かな感じに仕上がっているのですごい。
◆トライアルズ、怒りのデスロード
肝心なゲーム部分の話をしないまま終わりそうになった。危ない。
なんとこのゲームは「モトクロスゲー」と「メトロイドヴァニア」を組み合わせた結構な異色作であり、ただ前に進んで探索したいだけなのに本当によく事故で死ぬ。バイクを!!!!降りろよ!!!!そこぐらい!!!!
このバイクアクションと即死の組み合わせのヤバさは戦闘にも遺憾なく発揮され、ただでさえ全身暖色で背景と混ざるライカが真っ赤な血を浴びると最早どこにいるのか全く分からない。ライカの全身を青ペンキあたりで塗りたくなった回数は数しれず。
銃を撃った後はリロードが必要だが、この世界では銃はバイクで回転しながらでないと行えないらしい。
とにかくヴァニア系の戦闘要素をモトクロスアクションを主軸にして行うことが徹底されている。敵の銃弾はバイクの車体で弾くし、最終的には空中を舞いながらひたすら縦回転しつつありったけの拳銃弾を乱射するゲームになるし、案の定戦闘中にあり得ない角度で首を打って死ぬことなんてしょっちゅうである。ラスボスまでこれなので間違いない。
総じてヴァニア系の中でも心のなかにゆとりを持っている人に遊んでほしいゲームである。-完-
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