和声覚え書きシリーズ 第1回・冒頭の定型
はじめに
和声について、ある程度習熟した学習者は知っているが、今まであまり明文化されてこなかった「パターン」のようなものがあると思っています。
このシリーズは、ある程度進んだ学習者のためのメモとして、また自分自身のためにも、そういったものをまとめてみようという試みです。
気に入ってくださったらシェアしていただけると嬉しいです。
また、この企画は決してすべてを完璧に網羅することを目的としているわけではありません。多少の不足や不備があることはご承知の上お目通しください。
(ミスを発見した際にはご連絡いただけると助かります…)
それでは第1回は、ソプラノ課題(C.D.)の冒頭でよくある定型について解説してみます。
基本
冒頭でよくみられるパターンです。
テノールで属音を保続することが多いです。
ソプラノが動いた例です。下の例のように属音から始まることもあります。
また、短調でも長調同様に使われます。
応用
応用として、すぐに解決せず展開系の入れ替えを行う場合もあります。
半音階的な経過和音が間に入ることもあります。
複雑に見えますが、ずっとⅠ度の和音で経過音が挟まっているだけです。
実例
応用技の半音階的な経過和音を含む冒頭の例です。
まとめ
実例として以下の課題を参考にしてみてください。
Henri Challan 380の和声課題から
356・357・369(基本)
358・360・373(入れ替え)
375・377(半音階)
Paul Fauchet 40の和声課題から
30(基本)
17・23・29(半音階)
コンサートのお知らせ
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