一流の「デザイン哲学」が学べる本まとめ
こんにちは、外崎(@TakumiTonosaki)です。最近デザインをする上で「哲学や思想」って大事だなって思ったので、思想や価値観が語られている「デザイン哲学本」をまとめました。
※あくまで個人的おすすめです(他におすすめあれば聞きたい!)
※今後読みたい本もあるので、追記していく予定
スキルだけでは、差別化が難しい時代
この記事を書こうと思ったきっかけは、ここ最近のAIの目覚ましい進化です。あまりにも技術の進歩が早すぎる。
デザイナー歴10年の中で思い返してみても、UIを作るツールだけでもかなり変遷があります。僕個人ではphotoshop→sketch→Figmaと3つのツールを使ってきました。サイクルで考えると3年おきくらいに新しいツールを学んできた気がします。
このサイクルのスピードも凄まじいですが、特徴的なのは学習コストがどんどん下がっていることです。photoshopを学ぶのに苦労した人はたくさんいる一方で、figmaは比較的簡単に習得できたのではないでしょうか?
学習コストが低いということは、スキルとして差別化ができないということになります。今後これはデザインツールだけではなく、あらゆる分野に共通することです。
もちろんプロとしてツールを知ることは大事ですが、そこだけに投資しておくのは危うい。中長期で資産になることにも、時間をかけていくべきだと思います。そこで大事になってくるのが「哲学や思想」だったりします。
全ての基盤になる哲学
成果を出すための考え方として、「アイスバーグモデル」というものがあります。目にみえる成果やそれを支えるスキルはあくまで氷山の一角で、さらにその下には「習慣や行動」、一番下には「哲学、思想、価値観」があるとする考え方です。
図にある通り、全てのベースになるのは「哲学、思想、価値観」です。デザインを作る上でも「なぜ作るのか?」、「どのような思想で作るのか?」が無いと、いくらスキルを学んでも使い道がわかりません。
前述の通り技術の進化でスキルが民主化されつつある中で、ますますこの土台となる部分を強く大きくしていく必要があると思っています。
前置きが長くなりましたが、ここからその「哲学」を強化していく上で、おすすめ本を紹介していきます。
『デザインの輪郭』
無印良品やINFOBARで有名なプロダクトデザイナーの深澤直人さんの本。エッセイや対談形式で読みやすいですが、深澤さんのデザインへの考え方やものの見方、デザインプロセスにおける価値観に触れることができます。
『ふつう』
同じく深澤さんのエッセイ本。『ふつう』というタイトルなんですが、普遍的なものや日常で使われる"ふつう"ってどういうことだっけというのが学べる一冊です。日々の生活に溶け込むデザインを探求してきた彼の思考が詰まっています。
『アキッレ・カスティリオーニ自由の探求としてのデザイン』
残念ながら絶版となっていますが、現時点での今年激推しの一冊です。イタリアの伝説的な建築家・プロダクトデザイナーのカスティリオーニ氏のデザインやものづくりへの思いがまとめられています。活躍したのは戦後ですが、現代に通じる色褪せないデザイン哲学は一読の価値ありです。
『シンプリシティの法則』
世界的デザイナーのジョン・マエダさんの「シンプルさ」についての考えが書かれている一冊です。すぐに現場で使える考え方から、シンプルに対する奥深い思考まで軽くも、深くも読める本になっています。
『デザインの本質』
GKデザイン社長の田中一雄さんのデザインの過去・現在・未来についての思いが書かれた本です。ありがちなデザイン思想に対する言及で終わるのではなく、造形や美しさやデザイン経営など、デザインの価値について様々な視点で考察されています。
『デザインのデザイン』
誰もが知るグラフィックデザイナー原研哉さんの名著。ここで紹介するまでもないかもしれませんが、自分も改めて読み返して色々な発見がありました。デザイナーを目指す人やデザインって何ぞ?という疑問をお持ちの方にぜひ。
『デザインのめざめ』
『デザインのデザイン』とはまた違った語り口で、かなり読みやすい文章で書かれているのが本書です。原さんの物事やデザインに対する見方が、よりパーソナルな視点で描写されています。1日あれば読めるボリュームなので、気軽に読書したい人にもおすすめです。
『小さな森の家―軽井沢山荘物語』
日本を代表する建築家の吉村順三さんが、自ら設計した軽井沢の別荘について書かれた本です。心地よく住みやすい空間をどのように作るのか、一見ふつうに見える別荘の細部におけるこだわりなどは、作り手として背筋が伸びる思いです。
『誰のためのデザイン?』
こちらも超有名書籍ですね。人間中心設計を提唱した、ドナルド・ノーマンの書籍です。人間中心設計の思想とその方法論について学びたい方の入門書です。30年以上も前に書かれたものですが、今読んでも参考になること間違いなしです。
『コンピュータは、むずかしすぎて使えない!』
ペルソナの提唱者としても有名なアラン・クーパーの書籍。技術の進歩でコンピューターは、従来のプロダクトより格段に操作が難しいものになりました。そんなソフトウェアをどのように使いやすくデザインしていくか。UIデザイナーは必見のインタラクションデザインについて書かれた古典的名著になります。
日頃から一流の哲学に触れる
もちろん本だけで一流デザイナーの哲学が身につくわけではありませんが、日頃から彼らの思想をインプットし、考え、実践することで自分の血肉となっていきます。とはいえ、僕自身気軽に読めた本もたくさん紹介してあるので、楽しんで読んでいただければと思います!
宣伝になりますが、最近twitterを頑張っていて、こんな感じでデザインやプロダクトマネジメント情報を毎日配信しているで、ぜひフォローいただけると嬉しいです!
ココナラで働きたいデザイナーの方へ
(最後に)引き続きシニアなプロダクトデザイナーを募集しております!ちょっとでも興味ある方、上記の本に共感してもらえた方などなど気軽にご連絡ください^^