植栽の特性と施工事例について
今回はエクステリアの中でも、植栽についてお話ししたいと思います。
植栽とは
樹木・低木・草花などの下草・土地を覆うグランドカバー等多種多様な植物を植え付けることです。駐車スペースのコンクリート部分や花壇など固いイメージのある外構に、植栽を配置することでお庭全体のアクセントにもなりバランスをとることができます。
ここのところの自粛生活でおうち時間が増え、今まで手を付けられずにいたガーデニングを始められた方もいらっしゃるかと思います。植栽はそれぞれの植物の性質、植性を見ることが大切になってきます。
樹木の特性
樹木には、日向に適した陽樹、日陰に適した陰樹、その中間である半陰樹があります。
例えば、人気のあるシマトネリコは日向でも日陰でもよく育つ半陰樹です。オリーブは日陰ではほぼ育たない陽樹、カシノキは陰樹です。昔からある日本の樹林には陰樹が多いため、昔のお庭に植えられていた、ヒノキ・アオキ・カクレミノなどは陰樹です。植物がよく育つよう、それぞれの陰陽を考えながら配置しましょう。
〇日陰に強い樹木
カシノキ・ヒノキ・アオキ・カクレミノ・センリョウ・マンリョウ・ジンチョウゲなど
〇程よい日陰向きの樹木
アジサイ・ヒイラギ・ナンテン・ヒメシャラ・ハイノキ・ヤマブキなど
〇陰陽どちらでも育つ半陰樹
シマトネリコ・アベリア・エゴノキなど
〇程よい日向向きの樹木
モミジ・ゲッケイジュ・ザイフリボク(ジューンベリー)・ヤマボウシ・ハナミズキ・ライラックなど
〇日向向きの樹木
オリーブ・コデマリ・ブルーベリー・プリペット・ローズマリー・ラベンダーなど
植栽で留意すること
植栽は、植性を調べて適した場所にバランスよく植えていきますが、その前に土の性質にも気を付けなければなりません。山を削って整地した土地などはきれいな土かもしれませんが、日本の平地は粘土質な土であることが多いです。
粘土質の土をそのまま掘って植栽を行うと、水がプールの様に溜まってしまい根腐れを起こしやすく、せっかく植えた植物が呼吸できず枯れてしまいます。そのような場合盛り土(もりつち)をして、植物の根が呼吸しやすいようにしてあげましょう。
また一度植えると植替えができない植物もあります。ミモザなどは大きく成長しますが、一度張った根を動かしてしまうと枯れる可能性があります。低木でも移動させられない種類がありますので植える際には気を付けてください。
土地の性質への対応、植替えなどについて迷われた際は、ぜひプロに聞いてみてください。ホームセンターの園芸コーナーの店員さんなどに聞くのも一つの手です。タクミテーブルでもエクステリアプランナーが質問をお受けすることができますので、気軽にお聞きください。
コンテナガーデン
エクステリアのプロが行う店舗などの植栽には、鉢に植えるスタイルであるコンテナガーデンがあります。表面全体に細かい穴が開いている素焼きの鉢は、鉢底の穴以外にも鉢自体が余分な水分を調整してくれ、陶器の鉢は底の穴から排水の調整をします。鉢ごとに樹木や草花をバランスよく植付け、全体を見て配置します。
土に植えてしまうとなかなか移動できない植栽を、手軽に配置替えすることができ、季節ごとなどに全体のイメージを変えることができるメリットがあります。
コンテナガーデンはマンションのベランダガーデンやバルコニーガーデンにも最適です。
鉢の他に、床部分を磁器タイル・テラコッタ・ウッドパネルなどで覆ったり、壁にグリーンで装飾し椅子を置いたりすると、アウトリビングとしてくつろげる空間になるでしょう。
タクミテーブルの施工例
約25年ほど前にイングリッシュガーデンのスタイルが日本に浸透してきました。それまでの庭は日本庭園が主流で、植樹や岩などをお部屋や縁側などから眺めるものでしたが、庭の中で遊んだりくつろいだりするアウトリビングの考えが定着してきました。
タクミテーブルの得意なスタイルは、雑木を使って安らぎを感じられる空間づくりです。
植栽におすすめする樹木は、お子様がいらっしゃるご家庭でも家族みんなで楽しめる実の付けるものです。ジューンベリー・ブルーベリーの他プランターでイチゴを育てるのもよいと思います。芽吹きからお花、実、収穫まで楽しめ四季を感じることができます。
〇店舗のコンテナガーデン
以前依頼をお受けしたお客様の店舗では、2、3人でやっと動かせるほどの大きな鉢にシンボルツリーを1本植え、その周りに小さな鉢を配置しました。周りの鉢には、植替えしやすくまた育ちやすい草花などを植えることで、季節によって植替えも可能で季節感を感じられるよう提案いたしました。
真ん中の大きな木がお店の顔となりぬくもりを感じる空間になりました。
〇お気に入りの土地の雰囲気を再現したお庭
庭の中に雑木林を造ってほしいとのご依頼を受け、施工した例があります。別荘購入を検討されるほどに気に入っていらっしゃる土地があるということ、その場所に似た雰囲気をご自宅でも感じられるように工夫しました。
現地まで赴き、土地の樹木や低木をリサーチしその中から選別しました。足元のグリーンも同じものやそれに近いものを使い、お庭のイメージを近づけました。そこに石張りのテラスを設け、雰囲気を楽しみながらくつろげる空間を作り上げることができました。
しかし雰囲気を再現するために、全く同じ植物を植えればいいというわけではありません。地域による気候など異なっていることで、育ちにくい、全く育たないという植物もあるからです。
またご自宅のまわりの雰囲気に合わせた植栽を提案することで、地域の景観にも配慮します。別の例の愛知足助での施工では、足助の昔の街並みに合ったものを提案させていただきました。
地元密着のタクミテーブルならではの感覚で配慮しご希望に沿って施工いたします。樹木1本(1万円~)からご提案させていただきます。お気軽に相談ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?