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中小企業になってしまう理由は資金調達をしないからだ
こんにちは。Skyland Ventuers(SV)の大越です。等身大の起業家をインタビューをしていく企画「LIFE-SIZED」の記事です。
スタートアップ起業家へ”起業家が起業を決意した理由”などをインタビューし、起業までの歩みを深掘っていきます。
起業というのに飛び込む勇気がない‥‥
具体的にどのように飛び込んだらいいのか‥‥
飛び込んだ後はどんな日常が待っているのか‥‥
このような疑問をもっているような人たちに向けて、何かのきっかけや参考になればうれしいです。
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今回は、Fortnite上のバーチャル空間を制作するスタジオ「NEIGHBOR」の運営をされている株式会社NEIGHBOR代表のノトフさんのインタビューです。
中小企業になってしまう理由は資金調達をしないからだ
簡単に事業内容を教えてください。
株式会社NEIGHBORの代表をしています、ノトフ(@notf)です。主な事業はFortnite上のバーチャル空間を制作するスタジオ「NEIGHBOR」の運営をしています。
Fortniteに特化したメタバース制作スタジオってわかりにくいかもしれないですが、これらのリリースを見てもらうと事例っぽくなっているのでわかりやすいと思います。
2022年12月に資金調達も実施しています。
実は私自身、起業は2回目なんです。
いまの事業は2回目の起業なんですね。そのあたり詳しく聞かせてください。
これまでの起業家としてのあゆみをサマリーにするとこんな感じです。
学生時代はフリーライターで活動
ニコニコ動画で生放送の企画を始める
アイドル業界に軸足が移り「東京アイドル劇場というイベント会社の立ち上げ」←1回目の起業
新型コロナ流行でアイドル業界に陰りが出たのに加えて、ノトフさんの興味が別のものに変化
Fortniteに特化したメタバース制作スタジオ「株式会社NEIGHBOR」を設立←2回目の起業
スタートアップ村にはいり資金調達などでグロース開始
アキバ文化好きが高じて”中小企業”をつくった
起業の経緯を詳しく教えてください。
私は学生時代からフリーライターとして活動をはじめました。YouTubeの運営もはじめ、自分から発信することも積極的にしていました。
その後、フリーライターの延長線上でアニメ系のライティング活動を開始しました。当時ニコニコ動画全盛期で、ニコ動のクリエイターへインタビューもやっていたんです。
自分でニコ生の企画を立て、ライトノベルの新刊発売のときに作者と一緒にニコ生やったりと、とにかくアキバ系の文化が好きで個人でずっと動いていました。
動き続ける中で、徐々にアイドル業界に軸足が移っていきました。
アイドル業界ではメディア的な仕事がほとんどなかったので、自分で東京アイドル劇場というイベントを立ち上げて法人化。これが初めての起業です。
起業理由は割と打算的で、売上がある規模になっており、個人事業主から法人化することで税金が一定期間免除されるからというものです。
スタートアップ的な起業ではなく普通の中小企業の立ち上げでした。
なんだかんだ5~6年は、その“中小企業”でアイドル関連の事業を営んでいました。
スタートアップ村に”入村”
2020年、新型コロナウイルスが流行したことで、アイドル事業が立ち行かなくなり、また、そのタイミングを前後する形で自分の興味自体も別のことに向いていきました。
その興味先はいま事業に据えている「Fortniteに特化したメタバース制作スタジオ」です。
これまでスタートアップという「村」の存在は知っていたものの、いろいろ悩みながら手探りではありましたが、なんとかスタートアップ村に入ることができ資金調達も実施しました。
スタートアップ村 笑
いろいろ悩みながら、とのことですが具体的にどんな悩みを持たれていたんですか?
1回目の起業は、個人事務所のようなもので事業をグロースさせるようなものではありません。なので、日本一とか世界一の何かをしたい、というのは全く想像していませんでした。
個人事業主だと、1人や少人数で業務を回すので割と気軽ですし、ある程度お金を稼いで満足することもできます。
私自身インターネットはずっと好きだったので、横目では「スタートアップという存在」に注目していました。ただ知ってはいるものの、飛び込むわけではなく、部外者的に面白そうだなと遠い世界のものを見るようにぼんやり眺めているだけでした。
また、スタートアップ村とよく言われるように、外から見ていて、その”村”の入り口がわかんなかったんですよね。
自分がやっている事業を一気にグロースさせるものでもなかった上に、”村”に入る方法もわからないということで、なんとなく距離をおいてしまっていたのが本音です。
しかし「Fortniteに特化したメタバース制作スタジオ」の着想をもったことで考えが変わりました。スタートアップとしてやっていきたい、と。
このインターネットにいる人たちやIT業界の人たちに、こんな新しいメタバースのアイディアをもっている人がいるんだって知ってもらいたくなりました。
いざスタートアップとして旗揚げしようと思ったものの、”村”の入口がわからないというのが最初の壁でした。スタートアップの中の人になっていると感じない壁だと思うんですが。
投資家の反応で事業の手ごたえ
ノトフさんの周りでスタートアップを経営する人たちはあまりいなかったんですか?
いなかったですね。Quick Ticket(現MOALA Ticket)というプロダクトをやっているplaygroundの伊藤さんくらいでした。
もともとアイドル業界関係だといわゆるスタートアップって感じの人は皆無でした。「こういうスタートアップやりたいんですけど」と気軽に相談できるような間柄の人は本当にいなかったです。なにもかもわからなくて、資金調達ってどうやってやるんだろうみたいな初歩的な質問もできませんでした。
ただ、今回のFortniteに特化したメタバース制作スタジオの事業に関しては、スタートアップとしてやろうと決意していたので、がむしゃらに動きました。
最初はMeetyで接触を始めました。とにかくベンチャーキャピタルの方々にアポを取りまくっていった感じです。
どれくらい接触されたんですか?
2022年5月にこの事業を始めようと思って、5月は毎日3~4名、月で40~50名ほどお話しました。ありがたいことに事業のコンセプトについて、めちゃくちゃ反応良かったんですよね。どこに持っていっても大体の人が「めっちゃ面白そうですね」と前向きで。
30分のミーティングの枠でミーティングを入れていても大体延長して、質疑応答で結局一時間ぐらいになることも多く、気持ち的には「これはなんかもういけるやろな!」ぐらいの手ごたえを感じていました。
投資家行脚をしたことで少しづつスタートアップ村の輪郭がぼんやりと見えてきました。なんとなくあっちの方向に進めば”あの村”はあるらしいぞみたいな。そういう人は多いんじゃないですかね。
改めて振り返ると、スタートアップ村の入り口がわからないという人はいっぱいいるような気がしています。村の中にいると、こんなに村の門は開いているじゃんって思うんですが知らない人はどうも方法がわかってないと思います。
けんすうさんとの出会いがすべてのターニングポイント
同時期にエンジェル投資家さんとも話しをしてみたいと思いコンタクトを始めました。エンジェル投資家で第一想起したのがけんすうさんでした。
スタートアップ/インターネット/トレンドなどについて、この業界のトップランナーの方と話してみたいと思い、いきなり失礼ながらもDM突撃。こんな事業考えてるんですけど1回お話してもらえませんか、と。
奇跡的に返信をもらい、DMのやり取りを始めました。たしかこんなやりとりで‥‥
![](https://assets.st-note.com/img/1675343722923-YOsL2jPpiy.jpg?width=1200)
お恥ずかしながら、当時、出資や上場についての解像度はとても低く、いま考えるとけんすうさんと初めてやり取りしているのに「バリエーションは?」とかって言われても、「バリエーションってどうやって出すんですか?」とかのレベルでした。
正直なところ、けんすうさんにこの事業を面白がってもらい仲間になってほしいという想いがありました(お金のことはもちろん大切だったんですが)。
素直にこの想いを伝えたところ「面白そうですし、制作費を出すのでロケスタくんのキャラクターで制作発注させてもらえませんか?」と。
私としては、プロダクトもつくれるし、業界のトップランナーのけんすうさんと仕事ができるので、願ったり叶ったりでした。
この機会をきっかけに、いろいろな方とのコミュニケーションが広がりました。けんすうさんとのやり取りが全てのターニングポイントだと今では思っています。結果的に資金調達も実施することもできました。
資金調達をしてよかったことは「利害関係者を増やせたこと」
事業の着想が2022年5月、調達リリースが2022年10月でわりと早期に資金調達を実施されたわけですが、2社目の会社設立と資金調達の理由は何かあったんですか?
それこそ、けんすうさんに言われたことで「受託会社として回していくんだったら、正直全然問題ないよね」と。他のVCさんからも「法人化しなくても稼げると思うよ」と言っていただくことがありました。
ただ、さっきも言ったように、僕はスタートアップとして事業をグロースさせたかったので、会社設立と資金調達の必要性は感じていました。とくに資金調達は重要だと考えていました。
資金調達をすることで、さまざまな経験を持っている「少し先の未来を経験している方々」が仲間になってくれたりします。仲間になってもらえるというのは、会社や事業をグロースさせていくうえでとても大切な要素だなと。
そのように思った理由は明確で、最初に起業した事業は、少人数の個人事業的にやっていたため会社がどんだけ大きくなろうが、喜ぶのは私だけで、特に喜びを分かち合うわけでもありませんでした。仲間という共通の利害利害関係を持てる人たちを作れなかったのが、1社目の会社を大きくすることができなかった要素の1つだと反省してたんです。
2社目の会社では資金調達をし、メンバーが増えてきたときどのようなチーム体制にすればいいのかなど、とにかくいろんな面で相談できる相手・仲間が欲しかったんです。
会社が儲かることで、自分だけでなく一緒に喜んでくれる人が多ければ多いほど応援してくれるわけじゃないすか。
その方が楽しいし、成長もしていこうと前向きになれます。資金調達をすることで、こういう方向にとにかく持っていきたかったんです。
なので、資金調達を考えている起業家や起業を目指している人には、ぜひ中小企業よりもスタートアップがいいと言いたいです。1人や少人数でやっても、稼げるし自由いいのですが、事業や会社をグロースさせるのであれば利害関係者を増やした方が絶対にいい。
1,000万人が集まる仮想都市をつくる
![](https://assets.st-note.com/img/1675344204115-HTuf3S2dLK.png?width=1200)
最後に、ノトフさんがいま考えている株式会社NEIGHBORの未来図を教えてください。
とにかく次世代のコンテンツ企業になるという目標を持っています。具体的に言うとFortniteの中に仮想都市を作ります。
1つの仮想都市を使って鬼ごっこやレース、バトル、謎解きなどどのようなゲームでもできるようにしていきます。同じ都市を使っていろんな人に対して、さまざまな遊び方を提案することで仮想都市にくる人たちの人口を増やしていきたいと思っています。
そうなれば、架空キャラクターを作ってみたり、キャラクターたちのストーリーを考えたり、ファッションブランドを立ち上げたり、音楽を作ってバンドを結成したり・・・・、土地の拡張だけでなく、文化を広げていくこともできると信じています。
その中で販売するものはデジタルファッションアイテムだろうし、もしかしたらリアル世界に滲み出てリアルなグッズTシャツになるかもしれません。
居心地のいい場所を作って、その街に特化したファッションアイテムをデジタルやリアルで売っていく。
言語化してみると、これはFortniteがやってることと全く同じなんです。場所とバトルするゲームを作ってめちゃくちゃ人を集め、その中でコミュニケーションさせていき、Fortnite内で着る服をデジタルで販売する。
それが年間5,000億円の売上になっています。それをそっくりそのままやっていくんだろうなと。
![](https://assets.st-note.com/img/1675347550136-lIlnutLoef.png?width=1200)
キャラクターからNFTをつくっていたり、コミュニティ運用をDISCORDでしたり、メタバースを作っている人もいます。
私たちがもっている強みは、遊びをいっぱい入れることができるゲームを作れるというのと、Fortniteを楽しんでいるユーザーがすでに山ほどいるというところです。私たちはこれまでにない新しいプロジェクトになっていきます。
実際、ロケスタくん(けんすうさん)のダンジョンだと、3ヶ月で100万人に遊んでもらっています。例えば、それを10個作れば1,000万人になる可能性もあります。仮想都市を積み上げ行くことで、毎月1,000万人が集まる街をつくることは全然不可能じゃないなと信じています。
インタビュー後の雑談
少しでもスタートアップ村にはいってくれる人が増えてくれるといいですね。本当に気軽にコンタクトを取って行けばいいと思います。
まとめ
ノトフさんのインタビューいかがでしょうか?
資金調達をすることでメンバーだけでなく外部の仲間をあつめることができ、事業を大きくすることができるという話はとても印象的でした。
これからも等身大の起業家へインタビューする企画「LIFE-SIZED」で、いろいろな起業家にインタビューをしていきますのでお楽しみに。
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