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【感想】アニメ映画BLACK FOX

1,そもそもこれって?

2019年公開のオリジナルアニメーション映画作品。「ジョーカー・ゲーム」の野村和也さんが監督、「プリンセスプリンシパル」のStudio 3Hzが制作だそう。Youtubeで期間限定無料公開されたので見ました。

以下ネタバレあります。

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2,感想

 現代忍者モノということで設定は非常に好き。


 また早期に主題に入り、それを明言する姿勢。鬼ごっこを生かした主従の反転などは面白いと思う。ただし、それらが上手に連携しきれていないのが残念。また2019年の作品と言うことを加味しても相対的な完成度不足は否めないように感じる。

 制作者の好きが詰まったものであることは感じるが、映画一本と考えたときの完成度では劣る部分が多く目に付いてしまった、という意味。

 

また、脚本や演出に対象年齢の低さを感じた。客層は高校生以上だと思うので乖離があると感じる。もっと深部や暗部に触れるような作品だと没入感も高められて良かったのではないかと感じる。


 また、時間の使い方がもったいなく感じた。地下室の戦いは本当に必要か、探偵設定は本当に必要か考えるべきだと感じた。其の分の時間と労力で鍛錬をするシーンや、ルームメイトのゼロちゃんの活躍を描くべきだったと思う。


 ニューヨーク風の都市が舞台だが、描くならもっとちゃんとニューヨークでいいと感じた。恐らくマーベル風、アメコミ風の雰囲気を狙ったのだと思うがならもっと強く出すべきだと感じた。


なぜ日本風の石動家が米国の都市に拠点を構えて居るのかも非常に疑問。そうした部分を含めてファンタジー時空の幼児向け作品的な雰囲気があると感じた。(それは良いのだが、客層は幼児でないよね、という、、)

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3,自分ならこうしたい

 ゼロちゃん(上写真左)の設定は石動家が自身の技術への対抗として開発していたものだと思うのでその設定や思い入れを入れた。


 また超能力について設定を追加して、出来ることと出来ない事をある程度決める。現段階ではあまりに抽象的だ。


 この時間を捻出するために主人公父の襲撃前会話と探偵事務所設定を消去する。


 また初回襲撃とチェスに関連性を持たせてもっと意味あるシーンにさせる。


 また、余力があれば半年間の鍛錬を描くなどして「努力」を表現したい。祖父との鬼ごっこがある意味それだが、何の理由も知らずに行っていた努力は本気性が足らずだらけてしまう。事実、「鬼ごっこ」では襲撃に対応出来なかったのだから。

4,最後に

 創作社会はピラミッド状だと考える。下が大きくなれば上もそれなりに大きくなるのだと。確かにこの作品は駄作かもしれないが、この作品で知見を得た業界人の人々が今日の良作、傑作に携わっていると信じている。そして、この作品が許容される、アニメ文化の大きさと懐の広さ多様性こそが革新的な次世代作品を生み出す土壌になっているのだと信じている。

 今回は一人の人間として思ったことを率直に書いた。創作社会は一度発表したらトップ作品と同じ価値評価基準で見るべきだと考えているからだ。だが、それが、この作品の否定でないことは改めて明記する。


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