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私にとっての仕事の原点。

ぼーっとお風呂に入りながら、仕事について考えていた。

「目の前の誰かに喜んでもらいたい」
「共通の想いを持った人たちと目標にコミットしたい」

振り返ると、私にとっての仕事の前提には、常にこの二つの想いがある。

原体験は大学生の時。
大学生の頃にやっていた大学生協でのアルバイトがきっかけだ。

当時私は、大学生協で大学の合格が決まった新入生に対して、「共済・保険」「住まい」「家具・家電」などを営業するアルバイトをしていた。

「大学から近いから働きやすそう」
そんな軽い気持ちで始めたアルバイトだったが、大学生活の一番の思い出と言えるほど、のめり込んでいった。

1年目は単に保護者や新入生に対して営業するだけだったが、2年目以降はスタッフを育成する立場に変わった。
3年目以降になると、新入生向けに送付するパンフレットの作成や保護者の方を数百名集めた説明会のプレゼンターを務めた。

アルバイターは私と同様、同じ大学に通う大学生だった。

各メンバーは、「共済・保険」、「住まい」などのソリューションカットのチームと、「募集・育成」、「広報」などのファンクションカットのチームに所属していた。
ソリューションカットのチームでは、「いかに自分たちが受け持つ商品に魅力を持ってもらうか」、ファンクションカットのチームでは「どうやって組織を運営していくか」を各メンバーがバイトとは思えないほど、真面目に考えていた。

真剣に取り組んだ理由は、
「新入生に夢と希望を持った大学生活をスタートしてほしい」
そんな想いが根底にあったからだと思う。

給料は最低賃金ギリギリで実入りの良いバイトではなかった。でも、私は皆が共通の想いをもって目標に取り組む、その熱量が心から楽しかった。

私は大学生になって初めて親元を離れて一人暮らしを始めた。
「見知らぬ土地で、初めての一人暮らしで、何をどう準備すればいいか分からない」
合格は素直にうれしかったが、合格直後にそんな気持ちになったことを覚えている。一人暮らしを始めてからも沢山の不安があった。私が卒業した大学にはそんな思いを抱えた人たちが沢山いる。

「自分たちと同じしんどさを新入生に感じてほしくない」
そんな想いを皆が持ち、同じ方向を向いて前に進んでいく空気感が私はとても心地よかった。

あるお客様からいただいた、忘れられない言葉がある。

私は、受験生の保護者を集めて行う説明会のプレゼンターを務めていた。この説明会に参加してくださり、合格が決まった後に、店舗に来られたお客様から言われた言葉だ。

「説明会でのあなたの説明を聞いてこちらの店舗に来ました。初めての一人暮らしでとっても不安だったんだけど、ほんとに親身に話を聞いてくださって少し安心することができました。」

今私が仕事に対して思う気持ち。

「目の前の誰かに喜んでもらいたい」
「共通の想いを持った人たちと目標にコミットしたい」

この気持ちが培われた瞬間だったと思う。

それから、あるIT企業に入社し、早いもので7年が過ぎた。
職場の方たちはみんなとても良い人で、技術的にも人としてもとても尊敬している。給料だって悪くない。

でも、少しだけ、大学生の頃が懐かしくなる。

組織が大きくなると、その組織自体に魅力を感じて集まる人が多くなる、と私は思う。

組織が提示するビジョンや解決したい課題ではなく、「働きやすさ」とか「給料」とか「世間体」とかそういうものに惹かれて集まる人が多くなる。

否定したいわけじゃない。悪いことじゃないと思う。だってたくさんの人に魅力的に映るくらい素晴らしい組織を作っている、ってことだと思うから。

でも、その中でなかなか熱量は生まれない。
「そこそこ働いて、そこそこいい給料もらえればいいや」って思ってしまっているから。私も含めて。

スキルは伸びたし、人脈も広がっている。周りからも評価してもらっている。でも、上手くいっている今だからこそ、原体験となった2つの気持ちを満たせるような、外の世界に飛び出してみたい。

そんなことを最近強く思う。

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